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目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで ー3分で分かるSDGs

MV

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」3つのポイント

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで(3分で分かるSDGs)

  1. 政府開発援助(ODA)の資金が、ピーク時の半分以下になっている
  2. 企業がしていること。関わる人たちと一緒に歩んでいく
  3. 私たちにできること。イベントやネットを通じて輪を広げる

世界のパートナーシップとは? ピーク時の半分以下になっている政府開発援助資金(SDGsの目標17)

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで(3分で分かるSDGs)

ひとつの国がSDGsの目標に独自で取り組むことももちろん大切ですが、他の国々が抱える課題を理解し、支え合うことも不可欠です。特に発展途上国は、自分の国だけで問題を解決することが難しく、先進国がサポートする必要があります。

先進国が持つ技術や知識、アイデアを発展途上国にもシェアすることで、技術革新がもたらされます。すると、発展途上国でも安定した農業ができるようになったり、すべての人が教育や医療を受けられる社会づくりに役立ったりします。特に先進国による資金援助は、発展途上国が抱える問題を解決するための大事な資金です。

ですが、2021年に外務省が発表した日本の“政府開発援助資金(ODA)”は5,610億円。これはピーク時だった1997年の半分にも満たない額です。世界中で開発協力のための資金が減ると、各国の現状を知ることもできず、後発発展途上国などでSDGsの達成から取り残される人々が出てきてしまいます。

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで(3分で分かるSDGs)

(出典:外務省)

ゴールは「世界のすべての人が協力し、目標を達成する」こと

SDGsでは、主に北にある先進国が南にある発展途上国を支援する“南北協力”をはじめ、“南南協力”や“三角協力”と呼ばれる国同士の関係を強化しようとしています。それぞれの国が互いに納得した条件で知識を共有することで、世界のパートナーシップが広がっていくのです。また国内でも、専門知識や技術、資金を持つ組織・個人によるパートナーシップを強めることで、新たなコラボレーションを通じてSDGsの達成に近づくことができます。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 政府開発援助資金(ODA)…政府が開発途上国の経済や社会を開発する目的で、必要な資機材や設備・サービスなどを用意するための資金。返済の義務はないため、開発途上国の負担にはならない。
  • 南北協力…主に北にある先進国が主に南にある発展途上国を支援すること。
  • 南南協力…開発途上国が優れた分野を他の開発途上国に協力すること。
  • 三角協力…先進国や国際機関が南南協力を支援すること。
  • 政府開発援助資金(ODA)…政府が開発途上国の経済や社会を開発する目的で、必要な資機材や設備・サービスなどを用意するための資金。返済の義務はないため、開発途上国の負担にはならない。
  • 南北協力…主に北にある先進国が主に南にある発展途上国を支援すること。
  • 南南協力…開発途上国が優れた分野を他の開発途上国に協力すること。
  • 三角協力…先進国や国際機関が南南協力を支援すること。

企業がしていること。関わる人たちと一緒に歩んでいく(SDGsの目標17)

① 児童労働の問題を考慮した輸入

グローバル・パートナーシップにおいて、輸入する国が輸出する国の抱える課題をふまえた貿易関係を築くことも大切。例えば、スマホのバッテリーや電気自動車に欠かせないレアメタル「コバルト」は、採掘現場での児童労働が問題です。いくつかの日本企業では、児童労働に頼らず生産されたコバルトだけを輸入したり、コバルトフリーのバッテリー開発に取り組むことで、次世代を担う子どもたちを守ろうとしています。

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで(3分で分かるSDGs)

② 環境・社会・企業統治を意識した投資(ESG投資)

ESG投資とは、E=Environment(環境)、S=Social(社会)、G=Governance(企業統治)への責任を果たしている、「持続可能な」企業を選んで投資することです。投資家と企業がSDGsという同じゴールを目指したパートナーシップを築くことで、SDGsの達成に貢献している企業を「良い企業」だとする社会の意識づくりにも影響します。ESG投資によって、良い企業が発展していくことが持続可能な社会を後押しします。

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。イベントやネットを通じて輪を広げる(SDGsの目標17)

① SDGsに関連したイベントに参加する

まずは、NGOや自治体が開いているSDGsに関連したイベントに参加してみることをおすすめします。そもそもSDGsとはどんなものなのか、自分たちに何ができるのか。スタッフや他の参加者と意見を交わすことで、より理解が深まるうえ、自分の周りの人々にも説明できるようになりますよね。そうしたイベントでの出会いから新たなパートナーシップが芽生えることも少なくありません。身近なところからパートナーシップの輪を広げることも、「17の目標」の達成を支える柱となります。

SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」。世界中のみんなが手をつないで(3分で分かるSDGs)

② ネットを通じて遠くのパートナーと協働・協力する

最近ではインターネットを通じて、遠い場所に住む人とも一緒に働くことができるようになりました。お互いの得意分野を生かして協働できるパートナーとつないでくれるプラットフォームも続々と登場しています。こうした個人間で知識や技術をシェアし、効率の良いパートナーシップを強めることは、グローバル・パートナーシップを活性化し、SDGs達成のための資金や支援につながる一歩なのです。

世界のみんなが手をつなぐために

SDGsの「17の目標」は一見すると壮大で、「自分にできることはあるのだろうか」と感じる人もいるかもしれません。ですが、どんなに小さな行動でも、世界のすべての人の平等や幸福、未来につながっています。目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を入り口に、身近なところから互いに手を取り合って歩んでいきましょう。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月24日)
文:丹下真美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出」

マテリアリティ

ソフトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。そのうち、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を踏まえた「オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出」では、海外で最先端ビジネスを展開する企業とのパートナーシップを強め、社会に貢献する事業展開の促進に力を入れています。