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目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標15「陸の豊かさも守ろう」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」3つのポイント

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

  1. 毎年470万ヘクタールの森林が消えている
  2. 企業がしていること。自然に優しいイノベーションを
  3. 私たちにできること。生活の工夫や環境によい商品選び

世界の陸地の状況は? 毎年470万ヘクタールの森林が消えている(SDGsの目標15)

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

世界の陸地のうち、約30%は森林が占めています。そのもっとも大きな役割は、酸素や水を生み出すこと。地球の温暖化を抑える役目もある森林は、まさに私たちが生きていくために欠かせない存在でしょう。

しかし、その割合は年々減っており、この10年間を平均すると毎年470万ヘクタールもの森林が消えているのです。主な原因は、産業の発達や都市化、土地の農地化などのために私たち人間が木を刈り取りすぎてしまうこと。さらに違法に熱帯林の木を切り取ってしまう人々も問題となっています。森林の減少は土地の砂漠化を招くうえに、気候変動や酸性雨の影響も重なり、いまだかつてないほど陸地の劣化は進んでいるのです。

このまま自然が失われていけば、多くの生き物たちの住む場所がなくなってしまいます。すでに世界では絶滅の危機にひんしている生物が35,765種もいて、全体の約29%を占めている状態です。これは日本も決して例外ではなく、畑や田んぼなどの土地が減ったり、過疎化により森の手入れがおろそかになったりしている現状が、生き物たちを苦しめています。人間の活動により、世界のあらゆるところで生態系は危機にさらされているのです。

ゴールは「陸の豊かさを守り、砂漠化を防ぎ、生き物の多様性を守る」こと

今世界では、陸地の豊かさを取り戻すため、森を正しく管理することに取り組み始めています。さらに生態系を乱さないよう、野生の生き物たちが住める保護区を作るなどの動きも進んでいます。人と生態系、人と自然環境が正しい距離を保っている状態こそが、生物多様性を守り、新しい感染症の発生を防ぐことにもつながるのです。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 生物多様性…複雑で多様な生態系そのものを示す言葉。あらゆる種の生き物が、関わり合いながら生きている豊かな状態。
  • 生物多様性…複雑で多様な生態系そのものを示す言葉。あらゆる種の生き物が、関わり合いながら生きている豊かな状態。

企業がしていること。自然に優しいイノベーションを(SDGsの目標15)

① 電子商取引によりペーパーレス化を目指す

企業間の契約や請求書などのやり取りは、書類で行われるシーンもまだまだ多いでしょう。たとえ再生紙を使っていようとも、紙を作るときに二酸化炭素が発生するのは避けられません。ある企業では、伝票枚数を減らすため取引の電子化を推し進めたところ、2020年度には二酸化炭素を吸収する杉の木およそ26万本を守ることに成功。ペーパーレス化によって、エコなビジネスの形を目指しています。

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

② パーム油を使わない事業で生物のすみかを守る

年々、ヤシの木から取れるパーム油は用途が広まり、生産国は需要に応えるため、熱帯林の多くをアブラヤシ農園に変えてきました。こうした単一栽培の結果、もともと森林に暮らしていた生き物たちのすみかが減っていき、生態系は壊されている状況です。そこで、ある化粧品メーカーではパーム油を使わないソープ作りに挑戦し、生物多様性を取り戻すためのサポートを進めています。

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。生活の工夫や環境に配慮した商品選び(SDGsの目標15)

① 使い捨てをできるだけ減らす

まずは生活のなかで使い捨てを減らしてみましょう。例えば割り箸は、もともと使い道のない木材を無駄なく使えるように工夫された製品でした。しかし、最近は海外で安い木材を使って作られたものがほとんどです。外出時にマイ箸を持ち歩き、割り箸をもらう機会を減らすことが、必要以上に森の木が刈られることを防ぐ小さな一歩となります。

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

② FSC®マークが付いた家具や雑貨を選ぶ

私たちは森の減少を直接止めることはできませんが、実は間接的に森を守る方法があります。それは森林認証制度「FSC®」のマークが付いた製品を選ぶこと。このマークは、正しく管理された森の木材や、適格と認められたリサイクル資源から作られた製品を表す印です。私たち消費者がFSC®マークの付いた商品を選べば、森林を管理する人々を応援し、環境を守ることを後押しできるでしょう。

SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」。すべての生き物と自然を大切に(3分で分かるSDGs)

すべての生き物と自然を大切に

野生動物だけでなく、人間にとっても森林や山地などの自然は大切な存在です。自然は酸素や水を生み出し、地球のあらゆる活動を維持しています。今すぐにでも対策が必要とされる地球の陸地を守っていくため、私たち自身が日々の行動や意識を少しでも変えることが必要です。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月23日)
文:大瀧亜友美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

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