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GIGAスクール構想の推進で奮闘する先生を支援。教育現場のICT化に“お役に立ち隊”が参上!

GIGAスクール構想の推進で奮闘する先生を支援。教育現場のICT化に“お役に立ち隊”が参上!

政府の「GIGAスクール構想」によって、子どもたちへの1人1台の情報端末整備が進む中、コロナ禍でオンライン授業の必然性が高まり、教育現場でのICT活用の推進が加速しています。その一方で、これまでの授業と並行しながらICTを活用した授業への対応が求められる先生方をサポートし、どのように新たな学びの実現や働き方改革を果たせるかが大きな焦点となっています。

そんな先生方の「お役に立ちたい」と、各地で教育現場でのICT化支援に取り組むソフトバンクの社員に話を聞きました。

お話を聞いた“お役に立ち隊”メンバー

田中光太郎(たなか こうたろう)さん

ソフトバンク株式会社 公共事業推進室 事業企画部 教育ICT推進課
田中光太郎(たなか・こうたろう)さん

ソフトバンクでの豊富な業務経験を生かし、ICTを活用した新たな学びの実現に向けて取り組むチームのとりまとめ役

松本勇二郎(まつもと ゆうじろう)さん

ソフトバンク株式会社 公共事業推進室 事業企画部 教育ICT推進課
松本勇二郎(まつもと・ゆうじろう)さん

専門インストラクターの資格を保有する先駆者として、学校でのiPad利活用のための研修をけん引

西郷龍太郎(さいごう りゅうたろう)さん

ソフトバンク株式会社 公共事業推進室 事業企画部 教育ICT推進課
西郷龍太郎(さいごう・りゅうたろう)さん

ICT系のキャリアバックグラウンドを生かし、学校の通信環境の整備からICT機器の総合的な提案も担当

GIGAスクール構想とは?

教育現場でのICT環境の実現を目指す文部科学省の取り組み。学校の通信ネットワークと、1人につき1台の情報端末を整備し、教師・児童生徒の力を最大限に引き出すことを目的としています。
「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All(全ての児童生徒のための世界につながる革新的な扉)」の略。

GIGAスクール構想とは?

情報端末は文房具に。 教育現場が大きく変わる今

情報端末は文房具に。 教育現場が大きく変わる今

小学校でのプログラミング教育の必修化など、2020年度から学習指導要領が改訂。激しい社会の変化が予測されるこれからの時代に合わせて、今、授業のやり方が大きく変わろうとしています。

ソフトバンクはいつから教育ICTの支援を始めたのですか?

田中さん

これまでも事業として、企業の働き方改革を目指したIT支援を行ってきました。教育現場においてもITを活用した効率化を課題に、2018年ごろから、教育の情報化、プログラミング教育、先生の働き方改革に取り組んできました。

松本さん

特にこの1年は集中して活動しましたね。GIGAスクール構想の推進にあたり、文部科学省は“聖域”とされた学校現場に、積極的に企業など民間の力を活用するメッセージを明確に打ち出したので、2020年度から本格的に教育ICTの支援が始まりました。

これまで学校での情報端末の活用はなかったのでしょうか?

松本さん

もちろんありましたが、授業では主に操作を教えるのが授業の目的でした。今や情報端末は文房具のひとつ。“その道具”を使って何を学ぶのか?が重要視されるようになっています。

田中さん

2020年度に全国1,700の自治体で、情報端末が導入されました。一斉導入ですから、多くの学校では先生たちにとっては突然のことで、実は皆さん非常に戸惑っていました。操作はもちろん、授業での活用の仕方について不安が大きいようです。

具体的にどんな支援を行っているのですか?

西郷さん

通信事業者なので、インターネットが利用できる通信環境の整備や、学校へのiPadの導入も行っています。でも、われわれの活動の中心は先生方の支援です。授業でiPadを活用するためのアイデアやヒントを紹介する研修を行っています。そのためにAppleからの認定も受けました。

どんな認定を受けられたのでしょう?

教育者のみなさんをサポートするための認定を取得。ICT化に取り組む先生の“お役に立ち隊”!

教育者のみなさんをサポートするための認定を取得。ICT化に取り組む先生の“お役に立ち隊”!

人呼んで先生の“お役に立ち隊”。(左から)松本、田中、西郷の各氏

西郷さん

学校現場の先生方の支援をするための認定です。3人とも、Appleプロフェッショナルラーニング基礎インストラクターとして日々取り組んでいます。

Appleプロフェッショナルラーニング基礎インストラクターとは
Appleプロフェッショナルラーニング基礎インストラクターとは

Apple製品の基本操作から授業での活用方法を習得し、教育者を対象に児童生徒の学習に役立てるための、幅広い情報やサービスを提供しています 。

田中さん

教育のICT化は、通信環境を整備して情報端末を提供するだけではできません。われわれは、現場の先生の“お役に立ち隊”としての支援が可能。つまり、「1人1台端末環境」を生かした、iPadの将来の使い方までを考えた提案ができるんです。この1年間で約100カ所の学校で研修を実施し、多くの先生に研修をしてきました。

授業の主体者は先生から子どもへ。子どもと共に、先生も学ぶのが新しい授業のスタイル

研修の内容を具体的に教えてください。

田中さん

先生方は指導案をしっかり立て、授業のやり方を確立している授業のプロです。ただ、端末を授業でどう使っていいかを暗中模索されています。そこで、iPadを使ってできることや、アプリや機能を使ったらこんな楽しいことができる、といったキッカケやヒントを紹介しています。

西郷さん

そうですね。iPadをこんな風に使うと、授業や児童生徒の表現力の幅が広がるといった「ヒラメキ」や「アイデア」など、いろいろなインスピレーションが浮かぶようにする「トレーニング」をするような感じですね。

松本さん

クリエーティブな授業への関心が高いので、KeynoteやClipsをよく紹介しています。Keynoteを使って学校の掲示物を制作したり、Clipsで学校の紹介動画を実際に作ってもらったり。工夫次第でいろいろできることを理解し、授業でどう活用できるかを想像してもらいながら、まずは楽しんで使ってもらうことを重視して研修していますね。

iPadの操作は、むしろ児童生徒のほうが上達が早そうですね。

西郷さん

確かにそうですね(笑)。 研修は先生向けですが、私たちはその先にいる児童生徒を意識しています。先生が楽しんでiPadを使えば、子どもたちにも伝わります。iPadを通じてお互いに学び合いながら、課題や方向を導きだして授業を進めていくようになります。一方的に先生が教えるだけの、これまでの一斉学習型の授業が変わっていく時期なのではないでしょうか。

教育現場でのリアルな取り組みを紹介し、お互いに学び合う。「第1回GIGAスクールサミット」を開催

教育現場でのリアルな取り組みを紹介し、お互いに学び合う。「第1回GIGAスクールサミット」を開催

ソフトバンクは、2021年8月21日に「第1回GIGAスクールサミット」をオンラインで開催。全国から学校や教育委員会など、200名を超える教育関係者が参加し、北海道森町、宮城県石巻市、愛媛県新居浜市の小中学校でのiPad活用事例が、それぞれ紹介されました。

森町の発表では、「1人1端末」から、修学旅行や社会科見学などの校外学習にもiPadを使えるよう、持ち出し前提でLTE端末を整備。日常的にiPadを使うことと、自治体・学校現場の連携が重要であるなどの事例が紹介され、多くの参加者からの賛同を得ていました。

今回のイベント開催の背景について教えてください。

田中さん

はい。研修で多くの学校を訪ねて、教育現場のICT化についての課題や取り組み状況がよくわかってきました。現場では試行錯誤の連続ですが、児童生徒のためにさまざまな工夫を凝らした授業が行われています。また、iPadを入れることで先生方のコミュニケーションも確実に変わってきている。そんな事例を現場の先生に語ってもらい、シェアする場を作るのが重要だと考えました。

反響はいかがでしたか?

松本さん

おかげさまで非常に好評でした。開催にあたって気を付けたのは、失敗や悩みも含めて紹介してもらうよう、先進事例ではなく視聴者にとって身近な内容をシェアしてもらう場づくりにしようということですね。また、後半はiPadの各種研修メニューもオンラインで複数回実施し、授業に役立てていただくようにしました。

西郷さん

イベント後のアンケートでは、「自治体の連携や失敗を次につなげるヒントが分かった」「知りたいことが聞けた」「行政職の関わり方や心がけを聞けたのが刺激になった」「これからのICT活用に希望が持てた」といったうれしいコメントを多数いただきました。時間が足りないというご意見もあり、冬ごろに第2回目を開催したいと考えています。

今後の“お役に立ち隊”の活動を教えてください。

松本さん

子どもたちが成長していくためには先生たちのスキルも必要。先生たちと一緒に子どもたちを育てるということを意識しながら、今後もICT化支援を行っていきます。

西郷さん

「もっと教育をよくしていきたい」という思いは3人とも同じ。志を同じく、これからも協力して取り組みます。個人的にはICT支援員認定の資格をとって、もっと個々の先生に寄り添った支援ができればいいですね。

田中さん

私の家族は祖父母の代から先生一家なのですが、家族の中で唯一教師じゃない私が、これまでずっと変わらなかった教育現場が変わる瞬間に立ち会ってワクワクしています。学校での新しい取り組みに対する、先生方の不安や負担を払しょくし、 「知る」「楽しむ」「想像する」が伝わるよう、今後も先生方のお役に立ちたいと思います。

第1回GIGAスクールサミット

教育現場のICT化について、先生方が課題や取り組みの様子を紹介し、シェアする目的で開催された「第1回GIGAスクールサミット」は、アーカイブ動画でどなたでもご覧いただけます。

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(掲載日:2021年9月29日)
文:ソフトバンクニュース編集部