秋の楽しみと言えば紅葉や紅葉狩り。赤や黄色に彩られた紅葉の景色に感動してスマホのカメラで撮影。でも、撮った写真は思ったほど鮮やかじゃない……そんな経験がある人も多いでしょう。
どうすれば目で見たままのきれいで映える景色を撮ることができるのでしょうか。普段のスマホの操作方法を少し工夫するだけで、レベルアップした鮮やかな紅葉写真を撮るテクニックを紹介します。
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この記事で紹介するスマホの操作手順は、一般的な操作を掲載しています。機種によって異なる場合があります。
神崎 洋治(こうざき・ようじ)さん
TRISEC International,Inc.代表。テクニカルライター兼コンサルタント。報道写真や商業写真を年間4,000枚以上撮影。デジタルカメラやレタッチ関連の書籍も多く執筆、監修しているほか、初心者向けに撮影やレタッチ講座の連載、人を引きつける写真の撮り方の講演実績など多数。
Twitter:@internetman
スマホ撮影テクニックの目次
- 【基本編①】紅葉は日の光次第で撮影方法を変えよう
- 【基本編②】スマホの機能を使ってプロのフォトグラファー顔負けの撮影を
- 【実践編】紅葉スポットで使えるワンポイントテクニック
- 【応用編】これであなたもプロのフォトグラファー!? もっとこだわりたい方へのテクニック
【基本編】紅葉は日の光次第で撮影方法を変えよう
紅葉の写真撮影は「日の光」次第で印象が大きく変わります。①はくもり、②は青空が見えますが、日の光の明るさで紅葉の鮮やかさが変わることが分かるかと思います。
晴れの場合:青空を入れて撮影
晴れの場合、青空を入れましょう。紅葉だけをアップするのとは違い、青空と紅葉とのコントラストが一層引き立って見えます。
くもりの場合:光学ズームで紅葉をアップ
雲が一面を覆っている場合、構図からくもり空をはずし、ズーム機能を使って紅葉をアップするのがオススメ。曇り空が入ると全体的に暗いトーンになりますが、構図を紅葉だけに限定することで紅葉に合わせて明るくなります。
ちなみにズーム機能は2通りあり、デジタルズームは画質が落ちるデメリットがあります。なるべく光学ズームの範囲で使ってください。スマホの機種によりますが、望遠レンズを使った光学ズームは2~3倍、それ以上は自動でデジタルズームに切り替わります。
光学ズーム | 望遠レンズを使って拡大する。画質は落ちない。 |
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デジタルズーム | 望遠のように画像をデジタル加工して拡大して見せる技術。画像の一部を拡大するため、画像が粗く見える。 |
写真は「引き算+構図」で決まる
写真の構図は引き算といって、余分なものをはずすのが良いと言われています。背景を少し工夫すると写真は見違えるものになります。
【基本編②】スマホの機能を使ってプロのフォトグラファー顔負けの「映え」写真に挑戦
背景をぼかすポートレート機能を使う
ポートレートモードは人物写真で用いられるモードで、一眼レフのズームでよく見られる被写界深度の浅い写真、すなわち背景などがぼやけるようにデジタル的に自動加工して撮影できる機能です。紅葉のように主役の被写体がはっきりしている場合などに活用できます。
カメラの撮影時に「ポートレート」に切り替えて撮影します。一部のスマホではポートレートモードで撮影しておけば、撮影後の画像編集でぼかしの度合いを変えることもできます。
逆光やくもりの暗い場合は露出補正機能で明るく
逆光の場合、スマホのカメラは空や周囲の明るさで自動調整されるため、暗い紅葉は黒く写ります。その場合は露出補正機能を使って補正したいところをタップするだけで、紅葉を明るく写すことができる場合があります。これはくもりの場合でも使えます。
露出補正機能の操作手順
iPhoneの場合
ピントと明るさを合わせたい場所をタップすると、太陽のマークが表示されるので、その付近を指を上下になぞって調整します。指で上になぞると明るく、下になぞると暗くなります。
Androidの場合
ピントと明るさを合わせたい場所をタップし、上側に表示される太陽のマークを指で左右になぞって調整します。指で左になぞると明るく、右になぞると暗くなります。
iPhoneの場合
ピントと明るさを合わせたい場所をタップすると、太陽のマークが表示されるので、その付近を指を上下になぞって調整します。指で上になぞると明るく、下になぞると暗くなります。
Androidの場合
ピントと明るさを合わせたい場所をタップし、上側に表示される太陽のマークを指で左右になぞって調整します。指で左になぞると明るく、右になぞると暗くなります。
明るさ補正の注意点
④の写真のように明るく補正しすぎると、明るい空は色が真っ白になる「白飛び」が起きます。紅葉の色もかすみ、不自然になるので注意が必要です。逆に暗く調整しすぎると「黒つぶれ」になるので、画面を確認しながら調整しましょう。
【実践編】紅葉スポットで使えるワンポイントテクニック
実際の紅葉スポットを撮影して、ワンポイントテクニックを紹介します。撮影にでかける際の参考にしてください。
水面を使って紅葉やもみじを撮影
紅葉の付近に水辺がある場合、水面を使った撮影を工夫してみましょう。
三分割構図とは?
フレームに縦横に3本の線を引き、その線上または交点に被写体を置いて撮る構図。撮影時のスマホ画面に表示される「グリッド」を使うと便利です。
「グリッド線」の表示方法
- iPhoneの場合
「設定」→「カメラ」内にある「グリッド」のスライドボタンをオン - Androidの場合
カメラのプレビュー画面の「設定」(歯車のアイコン)→「その他の設定」→「グリッドの種類」で設定
紅葉の下から見上げて撮る
紅葉の見上げて撮るのも良いでしょう。ただ、逆光で葉が暗く写る場合があります。先ほどの自動補正機能で明るく変えてみると良いですね。
ケーブルカーや建物の窓から風景を撮影
窓から風景を撮影する場合、窓は光の反射や窓自体の傷や汚れなどできれいに撮れないことがあります。窓にスマホをぴったり付けて撮ると、きれいな紅葉が撮れます。
山頂など遠景での撮影
山頂は天候は変わりやすく、晴れていても雲や霧がかかるなど撮影が難しい部分があります。
構図に「青空を入れる」「山特有の景色を入れる」「木道を入れる」などを狙うと風情あるような写真を撮影してみてください。
【応用編】これであなたもプロのフォトグラファー!? もっとこだわりたい方へのテクニック
紅葉の撮影で1つ要素を追加しよう
紅葉にフォーカスした写真だけでなく、周囲を見回し、さまざまな要素をコラボレーションさせると異なる雰囲気の写真に変わる場合もあります。
紅葉+「他の自然」
紅葉+「木道と人」
紅葉+「霧」
PLフィルター(偏光フィルター)を活用する
プロフォトグラファーは紅葉などの撮影で「PLフィルター」をよく使います。偏光フィルターとも呼ばれ、光の反射を抑えたり、空を青く撮ったりできる効果があります。
実は葉に反射する太陽光は写真に悪影響を及ぼすこともあります。PLフィルターを使えば、紅葉では葉っぱに反射した光を抑えて、赤や黄色、緑など本来の葉の色を写すことができます。
スマホへの装着方法
PLフィルターは一眼レフやミラーレスカメラではレンズの先に取り付けて使います。最近ではスマホにクリップ形式で装着するPLフィルターも販売されています。
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Yahoo!マップでは紅葉シーズンに合わせて、全国の紅葉スポット状況が地図上でひと目でわかる「紅葉マップ 2023」を公開しています。全国約700カ所の紅葉スポットを掲載し、紅葉の色づき状況や見頃を毎日更新。シーズン中は、いつでも地図で最新の紅葉の状況をご覧いただけます。2023年12月中旬までの公開を予定しています。
(掲載日:2022年11月1日、更新日:2023年10月27日)
文・写真・監修:神崎洋治
編集:ソフトバンクニュース編集部