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東大×生成AIシンポジウム「生成AIが切り拓く未来と日本の展望」に孫正義が登壇

東大×生成AIシンポジウム「生成AIが切り拓く未来と日本の展望」に孫正義が登壇

7月4日、東京大学本郷キャンパス 安田講堂において、東大×生成AIシンポジウム「生成AIが切り拓く未来と日本の展望」(共催:東京大学大学院工学系研究科、TMI総合法律事務所)が開催され、ソフトバンクグループ 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義がパネリストとして登壇しました。

  • シンポジウムの概要はこちらをご覧ください。

産官学のリーダーが思い描く生成AIのビジョン・未来

ChatGPTに代表される生成AIは、新たな創造性を生み出し、爆発的に産業を発展させる可能性を秘めている一方で、人間活動に及ぼす影響について懸念の声も上がっています。

本シンポジウムでは、藤井輝夫 東京大学総長の開会宣言の後、社会全体を根本的に変えるこの新しい技術の可能性とリスクについて、産官学のリーダーがパネルディスカッションを行い、それぞれが思い描くビジョン・未来について語りました。また、冒頭、岸田文雄 内閣総理大臣が、生成AIに関する政府方針や開発力の強化、リスクへの対応、大学やスタートアップなどへ期待することについて話しました。

孫が登壇した第1部「生成AIが切り拓く未来」では、西村康稔 経済産業大臣、Shane Gu氏(OpenAI ChatGPT開発チーム幹部)、松尾豊氏(東京大学大学院 工学系研究科 教授、AI戦略会議座長)とともに、生成AIが産業に与えるインパクト、インフラ整備への必要性、リスクへの対応について、パネルディスカッションが行われました。

孫は生成AIの利活用について、「ChatGPTがリアルタイムの情報でトレーニングされるようになり、チップのコア数が現在の100万倍ほどに増えると、まさにAGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)の世界がやってくる。少なくとも、理屈で成り立つもの、論理的に解明できるもの、推論できるものについては、まるで水晶玉に未来を聞くかのように、ほとんどのことに利活用することが有益な時代がくると思う」と話した上で、日本がどのように取り組むべきかについて、「枝葉のような解決策ではなく、中央の幹となる部分、光り輝く水晶玉を作りにいかなければ、日本はあっという間に世界から取り残されてしまう」とAIに真正面から取り組んでいくべきだと説明しました。

産官学のリーダーが思い描く生成AIのビジョン・未来

人間がAIに取って代わられるのかという点については、「最も幸運なことは、AIはタンパク質を摂取する必要がないということ。電気をエネルギー源とするAIには、われわれに取って代わる動機もない。安心して取り組んでいくべき」と強調しました。

西村経済産業大臣は、「日本は、AI開発における先頭集団の一国として、生成AIの開発強化に向けた計算基盤やデータの整備などさまざまな技術を生み出し、世界をリードしていきたい」と抱負を語りました。

松尾氏は、「生成AIは、黎明(れいめい)期にありながらすでに産業界、われわれの生活に影響を与えている。技術がさらに進化し、世界の隅々まで行き渡っていくことを考えると、生成AIがもたらすインパクトは強大で、その技術の活用方法などを議論していかなければならない」と述べました。また、AI戦略会議で整理された3つの論点を挙げ、①リスク対応、②社会課題解決のための積極的な利活用、そして③AIの開発インフラである計算資源とデータへの投資拡充、民間企業のスピード感を取り込んでいくことの必要性について話しました。

Shane Gu氏は、ChatGPTが発表されてから、OpenAI CEOのSam Altman氏が初めて訪問した国が日本であることを紹介し、「生成AIの社会実装において日本は、積極性と慎重さのバランスですでに世界の信頼を獲得しており、今後の発展にも期待している」と話しました。

パネルディスカッションの模様は動画でご覧いただけます

(掲載日:2023年7月18日)
文:ソフトバンクニュース編集部