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デジタル清掃はテクノロジーと人の協働作業。「新しい清掃」の意外な効果

デジタルとヒューマンタッチの2軸が嬉しい。社員が実感した「新しい清掃」の効果とは

近年、人手不足や効率化、清掃品質などの観点から「デジタル清掃」が注目されています。法人、官公庁・自治体向けに最先端のICTソリューションを提供しているSBテクノロジー株式会社では、最新のデジタルツールを徹底活用したデジタル清掃を導入したところ、社内に思わぬ効果が出ているそうです。いったいどういうことなのか担当者にお話を聞いてきました。

お話を聞いた人

寺田 愛(てらだ・あい)さん

SBテクノロジー株式会社 管理統括 経営企画本部 法務総務部 総務グループ マネージャー

寺田 愛(てらだ・あい)さん

デジタル清掃の導入・運用管理を含むファシリティマネジメントや総務グループ業務全般のマネジメントを担当。 従業員満足度向上の取り組みを推進している。

宋 紗知(そん・さち)さん

SBテクノロジー株式会社 管理統括経営企画本部 法務総務部 総務グループ

宋 紗知(そん・さち)さん

寺田さんと共にファシリティマネジメントを担当。新宿本社でのデジタル清掃の効果を実感し、芝大門と天王洲のオフィスへの導入拡大を担当した。

寺田 愛(てらだ・あい)さん

SBテクノロジー株式会社 管理統括 経営企画本部 法務総務部 総務グループ マネージャー

寺田 愛(てらだ・あい)さん

デジタル清掃の導入・運用管理を含むファシリティマネジメントや総務グループ業務全般のマネジメントを担当。 従業員満足度向上の取り組みを推進している。

宋 紗知(そう・さち)さん

SBテクノロジー株式会社 管理統括経営企画本部 法務総務部 総務グループ

宋 紗知(そう・さち)さん

寺田さんと共にファシリティマネジメント全般を担当。本社に導入したデジタル清掃の効果を実感し、芝大門と天王洲のオフィスへの導入拡大を担当した。

張替 賢一(はりがえ・けんいち)さん

SmartBX株式会社 事業開発部 カスタマーサクセス室 室長

張替 賢一(はりがえ・けんいち)さん

AI清掃ロボット「Whiz」デプロイ(導入支援)チーム責任者。ソフトバンクロボティクスでPepper、NAO、RS26のアフターサービス企画、Pepperの医療業界展開の営業企画を経て、Whizチームへ異動。全国50以上の施設への導入支援に対応。

きっかけはロボット掃除機の吸塵パワー

2022年12月に新宿の本社にデジタル清掃を導入し、今年4月からは芝大門と天王洲のオフィスも追加したとうかがいました。まずは、導入することになった経緯を教えてください。

きっかけはロボット掃除機の吸塵パワー

寺田さん 「最初のきっかけはSmartBXの親会社にあたるソフトバンクロボティクス株式会社から、ロボット清掃に関するお話をいただいたことでした。総務としてもちょうど新しいことに取り組んでみたいと思っていたので、すぐに打ち合わせを開始しました。

新宿本社のビルで契約していた清掃会社では、1日に6人の清掃員の方が朝5時から8時ぐらいまで拭き掃除や床に掃除機をかけるといったお掃除をしている状況でした。掃除に関しては特に不満があったわけではないですが、ロボット清掃ということに興味を持ち、『グループ会社に新しい清掃の取り組みがあるならばやってみてもいいんじゃないか』というような経緯でした」

新しい事をやってみたいという他に、ポイントになったのはどのような点でしょうか。

寺田さん 「清掃品質の向上とコスト面でのメリットが挙げられます。

清掃品質の面では、まず、清掃ロボットの吸塵パワーですね。「Whiz(ウィズ)」という清掃ロボットをオフィスに連れてきてもらって、デモンストレーションをしていただきました。自分が通るルートをちゃんと覚えて自律走行して、実際に集塵したホコリの量が多くてみんな大興奮でした。

コスト面では、このビルのオフィスに関して言うと年間清掃コスト全体の約10%相当の削減を見込んでいます。ロボット活用によって浮いた人件費のところに、『コンシェルジュ』という方に日中の時間帯に常駐していただくことによって、巡回清掃の他に従業員からのさまざまなリクエストに応えていただけるような仕組みを提案していただきました。いままではそういった仕組みはなかったので、総務業務の負担軽減にもつながる内容となっていました。

『もう、これは絶対にやってみたい。いいことしかない』となりました」

AI清掃ロボット「Whiz」

AI清掃ロボット「Whiz」

ソフトバンクロボティクスが開発・提供する、カーペットなどの床の清掃を目的とした自律走行が可能な業務用乾式バキュームクリーナーのロボット。これまで難しかった自律清掃ルートの作成をかんたんに行うことができ、AIが搭載されているため障害物や人の動きを検知して状況に応じて回避することができます。

「Whiz」
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さまざまなリクエストに応えるコンシェルジュ…。デジタル清掃の提案には掃除ロボットだけでなく、人の作業についても新しい提案が盛り込まれていたということですね?

寺田さん 「そうなんです、デジタル清掃の提案書には、清掃ロボットを始めセンサーやスマホアプリといったデジタルツールの活用の他に、お掃除に係るコンシェルジュという方が含まれていました」

デジタルツールによる環境モニタリングと人作業のオンデマンド化で、過不足の無い最適な清掃を実現

改めて今回導入したデジタル清掃の概要について詳しく教えていただけますか。

デジタルツールによる環境モニタリングと人作業のオンデマンド化で、過不足の無い最適な清掃を実現

張替さん 「まず、SmartBXで提供しているデジタル清掃についてお話しすると、ロボット、センサー、クラウドなどの最新のデジタル化ツールを徹底活用することと、豊富な実績データに基づく科学的清掃仕様をもとにした清潔度向上、コスト削減、顧客満足度向上が基本コンセプトとなっています。

SBテクノロジーさんではデジタル化ツールを活用して、『センサーによる室内環境モニタリング』『清掃ロボットによる床清掃』『従業員のリクエストによるオンデマンド清掃』というものを導入しています」

センサーによる環境モニタリングは何となく分かりますが、オンデマンド清掃とは何でしょうか。

張替さん 「従来の清掃ですと、定められた時間帯・頻度で清掃を行うので、フロアの利用人数に関わらず同じ工数で清掃してしまって、清掃不足や過剰清掃といった非効率が起こりやすいわけです。これを、汚れ具合などを考慮して清掃が必要なタイミングに清掃することで、清掃回数を最適化し効率的な清掃をするのがオンデマンド清掃です。

清掃が必要なタイミングを把握するために必要となるのが、入室人数をカウントしたり、ゴミ箱のゴミの量やせっけんの量を測定するセンサーなどの各種デジタルツールとなり、提案させていただきました。結果としてはエアクオリティセンサーや呼出2次元コードをご採用いただきました」

デジタルツールによる環境モニタリングと人作業のオンデマンド化で、過不足の無い最適な清掃を実現

デジタルツールによる環境モニタリングと人作業のオンデマンド化で、過不足の無い最適な清掃を実現

デジタル清掃は人とロボットの協働清掃

なるほど、オンデマンド清掃というのは効率的で無駄がなさそうですね。

張替さん 「こちらのオフィスの場合、朝は6人ぐらいで掃除をしていたところを、ロボットを導入して床部分の清掃をロボットにまかせることで、人員を2人にまで減らしています。その2人はロボットが稼働している間にロボットの手が届かないところを清掃します。

ロボットというのは一定の広さがあるところで稼働できれば、高い清掃品質とコスト削減が実現できます。ただ、いつも同じ時間に同じように黙々と動くロボットだけに、どうしても『四角四面』な清掃になってしまうので、実際にその場で働いている従業員の方がどうしたらもっと気持ちよく働けるかというところに着目して、コンシェルジュというサービスを提供しています」

床掃除をする清掃ロボット「Whiz」と、ロボットが届かないところを清掃するコンシェルジュ。「Whiz」の名前の由来は「with people」。

床掃除をする清掃ロボット「Whiz」と、ロボットが届かないところを清掃するコンシェルジュ。「Whiz」の名前の由来は「with people」。

コンシェルジュとは何をする人なのでしょうか。

張替さん 「SBテクノロジーさまのコンシェルジュはロボットが届かないところの清掃以外にも社員のリクエストに応じて、スポットの清掃や備品の補充、他にもできることをお手伝いするという役割を担っています。会議室などには呼出2次元コードが置いてありまして、社員が困りごとがあったときなどに業務用スマートフォンで2次元コードを読み込んで問い合わせをすると、コンシェルジュがリクエストに対応するという仕組みです。

清掃の契約書というのは、机の上、椅子の上、椅子の裏、キャビネットの上…のように掃除をする場所を一つ一つ書き出す必要があり、それ以外の場所は契約にないため、清掃できないと言われるケースがほとんどなのです。しかし、われわれは要望いただいた箇所についても清掃しております。このため、床清掃のようにロボットを使ってコストを下げられるところは一気に下げて、それによって浮いたコストでホスピタリティのある清掃を届けるという、デジタル活用とヒューマンタッチサポートの2本の軸で提供しています」

呼出二次元コードは場所と紐づけされていて、どこからどういった依頼が来たのかが分かるようになっている。
呼出二次元コードは場所と紐づけされていて、どこからどういった依頼が来たのかが分かるようになっている。

呼出2次元コードは場所とひもづけされていて、どこからどういった依頼が来たのかが分かるようになっている。

SBテクノロジー株式会社のデジタル清掃導入前と導入後

本社がある新宿のオフィスでは、従来6人の清掃員が朝行っていた清掃をロボットにまかせることで、人員を2人にまで削減。2人はロボットが稼働している間にロボットが届かないところの清掃を行う。

SBテクノロジー株式会社のデジタル清掃導入前と導入後

SBテクノロジー株式会社のデジタル清掃導入前と導入後

  • イラストはデジタル清掃のイメージです

キレイであってほしいところがキレイになって本当にうれしい

今回、デジタル清掃を導入した結果、成果や感じたことがあれば教えてください。

キレイであってほしいところがキレイになって本当にうれしい

宋さん 「従業員アンケートの結果、清掃品質の満足度はかなり上がったと思っています。コンシェルジュの巡回清掃の効果を社員たちも実感していて、『キレイであってほしいところがキレイになって本当にうれしい』といった声も寄せられています。

椅子の上とか、座面の下とか、キャビネットとか、けっこうホコリが積もりやすいですよね。いままでのビル側との清掃契約では契約書に記載がないということで、別途スポット依頼となっていたところ、コンシェルジュによるホスピタリティのある対応のおかげで、キレイになったと実感しています。

カーペットに飲み物をこぼしてしまったりという場合も、各自がスマホから近くの呼出2次元コードで依頼をするようになって、清潔を維持できるということがうれしいです」

コンシェルジュによる対応というのは、あまり一般的でない清掃の形式なのでしょうか?

張替さん 「そこは弊社の強みのひとつだと思っています。なぜかというと、清掃会社さんというのは清掃のプロであって、接客のプロではないんですよね。ですので、きれいに汚れを落とすことはできても、ニーズをヒアリングしたり、笑顔で挨拶したり、会話の中で困りごとを拾うことは得意ではないので、そういった意味で差別化要素のひとつになっていると思います。

不満足というのはミスをなくせば減るんです。ですが、それだとやはりゼロまでしかいかないんですね。さらに一歩、満足度を高めるとしたときに何をしたらいいんだろうと考えたとき、人間だとありがちなケアレスミスはロボットでつぶして、満足を生み出すところ、期待値を超えるサービスを提供していくことを考える中で導き出されたのがコンシェルジュという仕組みでした」

SBT新宿の本社と他の拠点では複数名のコンシェルジュが活躍しています。

SBテクノロジーの新宿の本社と他の拠点では複数名のコンシェルジュが活躍しています。

従業員に芽生えた掃除への意識

新しい清掃スタイルに変わって社員の反応はどうですか。

寺田さん 「社員にもオフィスをきれいに使おうという意識が芽生えたのではないかと思っています。以前とったアンケートにもコンシェルジュが活動しているのを見て自分たちでもきれいにできると思いましたという回答がありました。

それから、24時間365日対応のサポートチームや技術のメンバーがいる部屋があるのですが、私たちはそのフロアには常駐していないので、目が行き届かない部分もありました。今回、デジタル清掃に変わったことで、床や立面の清潔度を数値として可視化したり、実際に部屋に入ってもっとこうしたほうが従業員が過ごしやすいんじゃないかといった提案もSmartBXの方からいただいて、サポートチームのメンバーにとっても働きやすい環境に変わったのではないかなと思います」

SmartBXが提供する新しい清掃サービスのカタチ

SmartBXが提供する新しい清掃サービスのカタチ

ソフトバンクロボティクスのグループ会社であるSmartBXでは、現在の清掃仕様を分析し低コストで実現できるデジタル清掃のコンサルティング、ロボットやセンサーなどのデジタルテクノロジーを活用した清掃サービス、効率化だけでは実現できない施設課題を解決するヒューマンタッチなコンシェルジュサービスの3つを柱とするデジタル清掃サービスを提供しています。

SmartBXの
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(掲載日:2023年9月4日)
文:ソフトバンクニュース編集部