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資産運用をみんなのものに。PayPayとPayPay証券トップが語る新NISAに向けた資産運用のこれから

資産運用をみんなのものに。トップが語る新NISAに向けた「PayPay資産運用」と投資のコツ

日本初のスマホ証券として2016年にサービスを開始したPayPay証券は、2023年4月にPayPay株式会社が新たに株主として経営に参画。PayPayアプリとの連携をさらに加速し、ユーザーサービスのさらなる利便性向上を目指しています。

2024年1月の新しいNISA制度のスタートを控え、PayPay株式会社で金融事業を統括する安田正道副社長とPayPay証券株式会社の番所健児社長にお話を聞きました。

安田 正道(やすだ・まさみち)さん

お話を聞いた人

PayPay株式会社 副社長執行役員Co-COO / PayPay株式会社 金融事業統括本部 本部長

安田 正道(やすだ・まさみち)さん

1983年東京銀行入行。2015年三菱UFJフィナンシャル・グループ取締役 執行役常務CRO(Chief Risk Officer)兼 三菱UFJ銀行常務取締役CRO、2019年三菱UFJフィナンシャル・グループ執行役専務市場事業本部長 兼 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 取締役副社長 市場商品本部長。2022年10月から現職。

番所 健児(ばんしょ・けんじ)さん

PayPay証券株式会社 代表取締役社長

番所 健児(ばんしょ・けんじ)さん

金融機関での事業開発や経営企画、M&Aのキャリアを経て、2016年にソフトバンク入社。
2021年4月にソフトバンク株式会社の事業開発統括 アライアンス事業戦略本部 アライアンス戦略室 室長 兼 事業企画統括部 統括部長としてみずほ銀行との共同事業であるJ.ScoreやPayPayのフィンテック関連事業を担当。2022年6月から現職。

大手金融機関からフィンテックの世界へ

まずお伺いしたいのですが、安田さんが三菱UFJフィナンシャル・グループの取締役などを経て、PayPayに入られた経緯を教えてください。

安田さん 「三菱UFJ銀行を卒業するときに、『次はどうしようかな、引退するにはちょっとまだ早いな』といくつか考えたんです。一つは外の世界に出てみたいというか、三菱UFJ銀行も好きだったんですけれど、外の世界で挑戦してみたい、外の世界を見てみたいという思いがありました。

一方で、全く経験のない仕事ができるわけではないので、そこは金融業界で、今までの知識、あるいはネットワークを生かせる仕事がしたいなと考えました。しかしながら、従来と同じ金融ではなくて新しい金融というか、そういった革新性を目指している職場がいいなと。その中でフィンテックの世界と出会いました。たまたま、ソフトバンクグループ株式会社の後藤CFOが昔からの知り合いで、誘っていただいたということもあって、PayPayにジョインしました」

大手金融機関からフィンテックの世界へ

PayPayに入られて、これまでの職場との違いはありますか。

安田さん 「よく聞かれる質問ですが、驚きを楽しんでいます(笑)。何が違うかと言うと、一つはスピードが違いますよね。これは良いところだと思います。あとは、フラットだし、今、世の中的にはダイバーシティが重要で、銀行もどんどん女性活躍含めてダイバーシティが進んでいますが、PayPayの場合はあまり意識せずダイバースしているというか。外国人比率が高く、経営会議は英語と日本語の併用で同時通訳が入って行われています。そういうダイバーシティが浸透しているところはいい会社ですね。

もう一つ、銀行とか旧来の金融機関との違いはまさにフィンテックということですね。基本的にはクラウド上でプロダクトを開発するので、柔軟に早くプロダクトができる。かつ、基本的には内製化、要は社内のエンジニアでプロダクトを作っていく。一般的な金融機関ですと、いわゆるベンダーさんからのエンジニアが3割とか4割。外部が入ることの良さもありますけど、PayPayの場合基本的には自分たちでできる。そこは強みだと思いますし、これまでとは違う点だと思います」

日常的なスマホアプリをプラットフォームにして、資産運用をより身近にしたい

番所さんはソフトバンクでフィンテック関連事業を担当されてきて、昨年社長に就任されました。振り返ってみていかがですか。

番所さん 「振り返ると本当に毎日新鮮な気持ちで仕事に向かっていて、あっという間でした。学びがすごく多かったですし、大変なこともありますが、元来ポジティブな性格なので、私ぐらいの年齢でこんな重要な会社の社長をやらせてもらえることは大変ありがたいと思っています」

日常的なスマホアプリをプラットフォームにして、資産運用をより身近にしたい

主にどのようなことに注力されてきたのでしょうか。

番所さん 「ユーザーにサービスを提供するにあたって、例えば今まで何も投資をしたことのない人が『資産運用』という言葉を聞いたときに、どんな印象を持つか、あるいは資産運用をしようと思ったときに何を求めるのかということを常に考えてきました。

理由はさまざまあるのだと思うんですけど、やはりこれだけ『貯蓄から投資へ』と言われる中で、2014年にNISAが始まった後に投資や資産運用をしていない人が、これから始めようというときに一体何を求めるのだろうか?ということでした。

ごく身近なスマホを使って、とにかく分かりやすくて使いやすくて、自分が欲しい情報がシンプルにまとまっていて、いつでも情報を得られる。スマホが持っている価値のひとつとして、投資への取り組みやすさを追求することが本質なのではないかと考えました。

そういうサービスを、日々使うPayPayの上で提供していくということは、事業のポジショニングにおいて、フィンテックのプラットフォームの1丁目1番地を押さえているような感覚を持っていて、そこでPayPayとシームレスにサービスを提供できるというところに強みはあるのだと思っています」

決済で使っているいつものPayPayで株や投資信託が買えるということですね。

番所さん 「安田さんとも話をするのですが、PayPayがなぜ成功したのか?というときに、やはりポイントであったりキャンペーンみたいなことばかりが表に出てくるけど、実はプロダクトというものをしっかり磨き込んできて、いわゆるUI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)みたいなものが、他の同じようなQR決済サービスと比べたときに圧倒的に優れているというところがユーザーの支持を受けている理由だと思いますね。

証券サービスって聞いたときに想像するものって、だいたい日経平均やNYダウのチャートが出てきたり、専門的な用語が出てきたり、あれはあれで必要な人もいるし、価値があるということなんだと思いますが、未経験者や初心者の方でこれから資産形成をやっていくんだというような人たちにとって、PayPayが築き上げてきたこのルック・アンド・フィールというか、UI、UXの上でサービスを展開していけるというのはとてもいいのではないかなと思います」

日常的なスマホアプリをプラットフォームにして、資産運用をより身近にしたい

PayPay資産運用(ミニアプリ)は、使い慣れたPayPayアプリとスムーズに連携しデザインも踏襲。目標額の達成状況などを分かりやすいグラフでレイアウト。(画像は開発中の画面イメージ)

資産運用はごく普通のこと。日本でも欧米のような変化が始まろうとしている

資産運用は富裕層向けのものというイメージを持つ方もいます。

番所さん 「特に若い人は『いまお金ないよ』となってしまうかもしれませんが、実はそうではなくて、お金がないからこそやると言うと語弊があるかもしれませんが、ごく普通のことなんですよね。貯金をするのと同じように積み立てをして資産形成をしていくというようなことが普通であって、それがPayPayのようなごく日常的なアプリの上でやろうと思えば簡単にできるんだよ、というところに価値があると思っています」

安田さん 「いろいろな見方があると思いますが、資産運用のそもそもの意味は、個人が自分の責任で取れるリスクの範囲で資産を伸ばすということを、自分でよく考えて実行するということだと思います。取れないリスクを取ってはダメです。ばくちになってしまいますから。もちろん、銀行預金をするのも一つですけれど、それってもう決められた金利で、それ以上のものでもそれ以下のものでもないじゃないですか。

株に投資するとか不動産を持つとかいうのはもちろんリスクはありますけれど、リスクのあるところにはリターンもあるわけで、日本は個人の資産運用が始まるのが遅かったし普及率も低いですが、欧米の皆さんはやっているわけですよね。だから、今まさに日本でも自然にそういう活動が始まろうとしているということだと思います。ただ、一方で、やはり自分の老後、自分の資産は自分で作らざるを得ないという現実も存在しています」

資産運用はごく普通のこと。日本でも欧米のような変化が始まろうとしている

高校の家庭科で金融教育がスタートしています。PayPay証券が行った出張授業では高校生たちが「ポイント運用を身近に感じる」といった、投資に対して積極的な感想があったと聞きました。

安田さん 「そういう変化というのは必ずあるんだと思います。資産運用を自分の身近に感じられるような変化を起こしたプレイヤーがまさにPayPayだと思います。僕が社会人になった頃はお金を置いておく先はというと、みんなの認識は当然ながら銀行であって、いまだにそういう意識は根強くあるわけです。

けれども、PayPayを使っている人は、PayPayマネーとしてお金を置いておくということが普通になっていて、金融機関がどこかということよりも、むしろ自分にとって便利とか、おもしろいといった感覚もあるかもしれないし、使いやすいものであるというようなことでサービスが選ばれていく。

ウェブサービスやネットショッピングなどと同じように、金融サービスも少しずつ若い人たちに認知されてきていると感じています。そういう意味でもPayPayはスーパーアプリとして、いろいろなサービスを用意して、その中でも金融サービスを本格的に展開していきたいと思います」

金融サービスの変化はマインドチェンジにつながる

金融サービスの変化はマインドチェンジにつながる

PayPayアプリ上での展開についてもう少し教えてください。

安田さん 「すでにPayPayの中にはたくさんのミニアプリがあって、金融のところで言えば証券、保険、銀行。金融だけではなくて公共料金の支払いからふるさと納税など、いろいろなサービスも使うことができます。われわれはスーパーアプリを目指してこれをもっと広げていきたいというか、磨いていきたいですね。

PayPayアプリに『ウォレット』というのがあるのですが、以前は『PayPay』の残高や利用情報、『PayPayカード』の使える金額などが表示されていましたが、今年10月から『PayPay資産運用』と『PayPay銀行』の残高も確認できるようになりました。他にも『PayPayカード』は、使える金額に加えて利用金額と請求金額の情報もまとめて確認できるようになったんですよ。

家計簿というか資産管理というか、自分の支出や資産が一覧化できたり、自分が買った投資信託が今日どれぐらい上がったとか下がったとかもうかっているとか、そういう資産管理の機能を充実させているところです。

あと、PayPayとして磨いていきたいと思っているところは送金機能ですね。実はこれ、すごくPayPayの中で使われているんですよ。これは銀行送金するより断然楽にできるじゃないですか。この送る機能をどんどん広げていきたいなと思っています」

金融サービスの変化はマインドチェンジにつながる

PayPayアプリの下部にある「ウォレット」から、PayPay残高や保有しているPayPayポイント、利用状況に応じてPayPayカードやPayPay銀行などの情報を確認できます

番所さん 「安田さんがお話されたような取り組みは、本当にPayPayの金融サービスの利便性を広げているなあと思います。銀行で振り込むプロセスと比較してみると、送金するという体験が全く異なっているわけです。

ウォレットについても、ここで自分の資産がいくらあるかということが日常的に分かるようになっているということは、まさにマインドチェンジに近いと言えるのではないでしょうか」

これをマインドチェンジと言っていますが、高校生はこれが普通なのかもしれませんね。

番所さん 「そうですね、これからの人はこれがごく当たり前のことになるのかもしれません」

金融サービスの変化はマインドチェンジにつながる

フィンテックは金融というよりIT。PayPayもPayPay証券も本質はテックビジネス

10月からNISA口座の受付を開始されました。

番所さん 「2カ月弱で申込件数が10万件を突破しました。受付開始前から先行してPayPay資産運用でいくつかのETFや資産運用を積み立てできる機能を開始していましたが、新NISA制度に対応したETFや投資信託の銘柄、米国株や日本株の品ぞろえを増やし、さらに強化していくことに取り組んでいます。また、これからはPayPayとの連携を強化しながら、ますます使いやすく、より身近なものとしてサービスを展開していこうと思っています」

安田さん 「お金の使い道っていろいろありますよね。最終的には使うために貯めるのだと思いますが、その一歩手前で、貯めることをもっと大きく貯めるというのが投資です。来年の1月から始まる新NISA制度では、生涯で1,800万円までの枠(非課税保有限度額)が使えるということで、おそらくあらゆる世代の人が新NISAを使うようになると考えています。そこはわれわれにとってひとつのチャンスだと思っています。このタイミングを捉えてPayPayとPayPay証券の連携を強めて、一つのドライビングシートに座って一緒にやっていこうという姿勢でいます」 

連携のメリット、今後の証券サービスに生かされるところはどのようなことでしょうか

番所さん 「今年の春にPayPayが株主となったわけですが、日々PayPayからいろいろなことを学びながら事業を進めているような感じです。これだけの技術陣を構えて、これだけのアプリ、これだけのユーザーを支えているものを内製で作れていること、フルクラウドでやれているというところは本当にすごいなと思います。

PayPay証券は、証券会社としてはかなりユニークで、ふつう証券会社は重厚長大なシステムを利用しているものなんですけれど、PayPay証券もPayPayと同じでフルクラウドでやっています。今後、業容拡大というのを確実にやっていきますから、そのときにPayPayが乗り越えてきたようなことがたくさんあると思うので、そういうものを学ばせていただきながら、あるいは力をお借りしながら、自分たちもやっていけるというのはすごく心強いなと思っています」

フィンテックは金融というよりIT。PayPayもPayPay証券も本質はテックビジネス

安田さん 「よく、ブラックボックス化、あるいはベンダーロックなどと言われますが、要するに設計や費用のところをベンダーさんが抑える形になるわけです。そこをPayPayは内製でできていますので、スピード感や柔軟性を持って自分たちでやりたいことができるわけです」

番所さん 「PayPayもPayPay証券も本質的にはテックビジネスだと思っています。テックというものを自分たちでちゃんと分かって、自分たちで運営できるというところは実は少なくて、ベンチャー企業であってもシステムを外にお任せしているようなところも結構ある。ですが、本当にPayPayとPayPay証券はテックビジネスとして自分たちのシステムが頭の中に入っている。僕もそうだし、実は当たり前なんだと思うけれど、やはり自分たちで分かって自分たちで運用していけるところの強みというのは確実にあると思います」

そうすると、証券会社だと思って入社した人は…。

番所さん 「面食らっている人もいるかもしれないですね(笑)」

これから資産運用を始める方に向けてアドバイスをお願いできますか。

安田さん 「自分で資産運用をやる意義というのは先ほどもお話したように、自分で分かる、取れるリスクを取ること。分からない、取れないリスクを取ってはだめです。だけど、リスクをとるところには当然リターンもあるわけです。投資の哲学とよく言われますが、やはり『長期で分散して投資する』。もちろん売ったり買ったりもいいのですが、基本的には腰を据える。普通の人は24時間365日マーケットを見ているわけにいかないじゃないですか。相場でありマーケットは読み切れないので、そこは割り切って、毎日コツコツ投資するとか毎月投資するということを長期にわたって行うことが重要です。あとは、分散投資。いろいろなパフォーマンスがありますから、いいとき悪いときがあるので、『長期分散投資』というのが哲学として必要なんじゃないでしょうか」

番所さん 「『Time not timing』と言う言葉があります。タイミングを気にするとなかなか買えなくなるんですが、『タイム (Time)』、つまり長期で見ればいつでもタイミングだとも言えます。資産運用は事前に勉強してやる部分とやりながら学ぶ部分とがあって、基本的にはまずやってみるということ。学びながらポートフォリオを形成していく。そして、安田さんのお話と同じですが、分散して長く持つということを自分のペースでやっていくことかなと思います。それが簡単にできるようになっているのがPayPay資産運用です。政府の資産運用立国に向けた方針にもありますが、PayPay証券としてこれからますます個人投資の裾野を拡大していくことに貢献していきたいと思っています」

アドバイスありがとうございました。

フィンテックは金融というよりIT。PayPayもPayPay証券も本質はテックビジネス

【免責事項】

  • 本記事内の情報は株式の購入や売却などの勧誘を目的としたものではありません。
  • 証券口座開設および投資に関する決定は、利用者ご自身の判断と責任において行われるようお願いいたします。

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(掲載日:2023年12月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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