通学、通塾などで1人行動が増えた子どもの安全が心配、でもスマホを持たせるのはまだ早いかも… とお悩みの保護者の方も多いのではないでしょうか? 思わぬ犯罪や事故にあったときにスマホが頼りになるそうです。今回は、ITジャーナリストの高橋暁子さんに子どもの防犯などに役立つスマホの活用術や、子どもにスマホを持たせる際に気を付けたいことを伺いました。
スマホが頼れる防犯ツールに! 子どもを取り巻く日常のリスクとは?
子どもを取り巻くさまざまな日常のリスク。年齢や学年が上がるにつれ、行動範囲が広がることもリスクが増える要因のひとつだと高橋さんは指摘します。
「小学校低学年では、特に道路への飛び出しなどによる交通事故のリスクがあります。また、これまでは公園や自宅周辺で遊んでいたのが、小学校中学年くらいになると自転車に乗って、親が知らないうちに遠くまで行って迷子になってしまうケースも。小学校高学年になると塾へ通い始める子どもも増え、夜間の通塾や電車での移動が発生することも少なくないでしょう。中学生になると自宅から遠い学校へ通ったり、部活動での遠征があったり、高校生になるとアルバイトを始める子もいます。事故や犯罪に巻き込まれるリスクは年齢と共に変化していきます」
具体的に日常に潜む子どもを取り巻くリスクにはどのようなものが考えられるのか見ていきましょう。
日常に潜む、子どもを取り巻くさまざまなリスクとは?
- 犯罪リスク
連れ去り、ストーカー、留守番時を狙った犯罪など
- 災害リスク
地震、大雨による被害など
- 事故リスク
自転車や歩きスマホによる交通事故など
こうしたさまざまなリスクが考えられる中で、スマホはいざというときのお守りのような存在になるのだそう。
「スマホを持っていれば、何かあったときにすぐに連絡が取れます。子どもの帰宅が遅くなっても、GPS機能を使えば『まだ公園にいるんだな』『家に向かってるところだな』とわかります。保護者にとってはスマホが代わりに見守ってくれているような感覚で安心できます。
中学生になると電車通学になったり、部活の遠征で目的地まで1人で電車を乗り継いで行く際、乗り換えが複雑だったり、途中で電車が止まってしまったりと、アクシデントが起きることも。スマホがあれば、親が別ルートを教えたり、子ども自身がネット検索したりして別の手段で行くことができますから、とても便利ですよね。
また、離れた場所にいるときに地震などが起きても、スマホがあれば無事を確認することができますし、待ち合わせて合流することも可能です。実際に大阪府では2018年の大阪北部地震をきっかけに保護者からの声があがり、許可制で小中学校へのスマホの持ち込みが可能になっています。最近では子ども向けの防災教育アプリも充実しているため、日頃から防災意識を高めるのにも役立ちます」
成長に合わせて使い分けたい「どこかなGPS2」
子どもが指定の場所に出入りしたタイミングや行動履歴を、保護者のスマホにメールで通知してくれる「どこかなGPS2」。子どもが操作する必要がなく、かばんに入れておくだけでOKなので、子どもがスマホの操作にまだ不安が残る年齢の場合や、手軽に居場所確認のみ行いたい場合に最適です。
スマホの便利な機能を生かせば、いざというとき安心のお守りに
スマホは連絡手段としてだけでなく、日常の中に潜む危険を回避するという点でも、保護者や子どもにとって役立つ重要な存在です。どのような機能があるのでしょうか?
知っておきたい! 役立つスマホの機能
①GPS
位置情報共有機能によって、子どもが今どこにいるかを保護者がリアルタイムで確認することができます。最近では、家族同士で楽しみながら位置情報をシェアする家庭も多いそう。
②警報・緊急通報
緊急時にボタンを押すだけで警報が鳴り、緊急通報サービスに 発信してくれる機能です。サイドボタンを複数回押すなどの操作で、いざというときにすばやく使用することができます。また、キッズスマホの場合、本体に防犯ブザーが付いているものや、防犯ブザーを鳴らすと周囲の写真を自動的に撮影するものもあります。
③緊急時情報登録
緊急時情報登録機能では、持ち主の生年月日や血液型などの医療情報を登録でき、万が一の際に第三者がすぐに情報を見ることができます。また、緊急連絡先として保護者の電話番号などを登録しておくことができるので、何かあったときに保護者との連絡が取りやすくなります。
専用アプリでこんな使い方も! スマホの活用例
その他にも、アプリなどを活用すれば、子どもにありがちなさまざまな心配にも寄り添うことができます。
①帰宅時間を通知
子どものスマホの位置情報と連動し、子どもが自宅に着いたら保護者に通知されます。共働きなどで、保護者が不在の家に子どもが帰ることが多い場合におススメです。
②鍵の紛失回避
自宅の玄関の鍵にスマートロックを設置することで、子どもがスマホを使って自宅の鍵を開閉することができます。子どもが鍵を持ち歩かなくて済むため、鍵をなくしてしまうなどのリスクがなくなります。また、保護者が遠隔で鍵を開けることも可能です。
③歩きスマホ防止
スマホを見ながら歩くと、歩行中であることを検知して警告画面を表示してくれます。ついスマホに夢中になってしまいがちな子どもにピッタリ。
高橋さんによると、子どもがスマホを持ち始めるのは、学年が上がって塾に通い始めるときや、中学校に進学するタイミングが多いそう。では、子どもに持たせるスマホは、どのようなポイントを重視すべきポイントは選ぶべきなのでしょうか?
「小学校低学年~中学年は、耐久性や防水性を重視すると良いでしょう。この年代の子どもはスマホが精密機器だという認識が薄いため、かなり手荒に扱ってしまいます。スマホを放っておいて遊んでいたら雨が降ってきてずぶぬれ… なんてことは日常茶飯事。充電をこまめにしなくても良いように、充電が長持ちすることも大事なポイントです。
一方、小学校高学年~中学生くらいになると『自分のスマホ』という意識が芽生えて、丁寧に扱いますし、充電し忘れる心配も減ります。この頃からは、機能制限をした上で、それぞれの用途に合ったスマホを持たせる保護者が多いようです」
より安全性を重視したい方にはキッズフォン3がおススメ!
インターネットの利用制限など、より安全性を重視したケータイを持たせたい方には、撮影機能付き防犯ブザーのあるキッズフォンがおススメです。また、「キッズフォン3」では、「タッチでメール」がオプションで利用できます。子どもの交通系ICカードと連動し、駅の改札を通過したときやバスを利用したとき、買い物をしたときに保護者のスマホにメールで通知されるサービスです。利用駅や位置情報も併せて通知されるので、1人行動が増えた子どもを離れていても安心して見守ることができます。
ルールやリスクを親子で話し合い、スマホのメリットを最大活用!
子どもにスマホを持たせる際は、保護者が責任を持って子どものスマホを管理し、正しい使い方を教え、ルールを決めて見守ることが大切です。
子どもがスマホを使う前に保護者が設定しておきたい安心機能
①フィルタリング機能
子どもにとって不適切・有害なサイトやアプリの閲覧を制限します。もし子どもが検索をしても、年齢にふさわしくない情報は表示されません。また、スマホで撮影した写真に、裸などの問題があるものをAIが検知した場合、保護者に通知するアプリもあります。
②連絡先制御機能
設定した連絡先の人のみと電話やメールができ、不特定多数の人とのやり取りを防ぐことができます。
③アプリ課金制御機能
フィルタリング機能と同様、有料アプリのインストールやアプリ内の課金ができないようにします。知らない間に子どもが課金してしまい、後から高額請求されるなどのトラブルを防ぎます。
④利用時間制限機能
子どものスマホの利用時間を制限。親子で決めた1日の使用時間を過ぎた場合や、休憩が必要な時間などにお知らせすることで、スマホの使い過ぎを防ぐことができます。
「特に、子どものスマホの使い過ぎや高額課金について、保護者の方から相談を受けることがよくあります。相談内容の多くはこのような機能を使っていれば未然に防ぐことができます。スマホにはたくさんの便利な機能があるので、それを使わないのはもったいないですよね」
スマホを使う前に親子で確認したいこと
最後に、子どもがスマホを使う前に、親子の間で決めたいルールと保護者が日頃から意識しておきたいことについて伺いました。
①使用時間や課金ルール
スマホの使用時間と課金についてはしっかり話してルール作りをしておきましょう。「スマホを使うのは夜何時まで」「課金はおこづかいの範囲ならOK」などできるだけ細かく設定するのがおススメです。
②SNSの使い方やネットリテラシー
子どもは、まだ理解していないやってはいけないことが多いため、ネット上で家や学校、名前などの個人情報が特定されるようなことは発信しない、他人の悪口を書かない、裸の写真を送り合わないなど、ネットリテラシーについても改めて確認しましょう。普段から、スマホにまつわる事件などのニュースを見て、その話題について子どもと一緒に話し合うのも有効です。
③各種アプリの設定や使用シーン
子どもを見守ってくれる各種アプリをインストールし、使い方を一緒に確認しておきましょう。いざというときに使い方がわからず慌てないために、使用するシーンなどを決めておくことも大切です。GPSや緊急時情報登録など、事前に親子で一緒に設定し、試してみるのもおススメです。
「子どもと普段からのコミュニケーションを積み重ねれば、子どもを見守ってくれるお守りスマホのメリットは豊富です。ぜひ正しく、安心・安全にお子さんとスマホを使ってくださいね」
(掲載日:2024年1月18日)
文:佐藤葉月
編集:エクスライト
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