ソフトバンクは、CSR活動の一環として、虐待などで居場所を失った子どもや、病気や災害などで親を亡くした子どもたちへの継続的な支援を目的とした携帯電話のオプションサービス「チャリティスマイル」という寄付活動を行っています。「チャリティスマイル」を通じて皆さまからの寄付金で社会貢献活動を行っている非営利団体の活動レポートが届きました。
あしなが育英会「教育費をサポートして全ての子どもに学びの機会を」
寄付金を通じて教育費の不安を抱えている子どもの支援を行っている一般財団法人あしなが育英会(以下、「あしなが育英会」)。どのような支援を行っているのかレポートを紹介します。
「あしなが育英会は、高校、大学・短大、専門学校、大学院などへの進学を希望する遺児、および親が障がいなどで十分に働けない家庭の子どもを対象に、奨学金を支援し学業を応援しています。その他、人材育成のための教育支援活動、学生寮『心塾』の運営、心のケアプログラム、アフリカ遺児支援などの活動を通して、情報や機会へのアクセスが不足しがちな子どもたちの学びと成長を支えています。
チャリティスマイル寄付金は本会の奨学金支援事業へのご支援として大切に使わせていただいております。2023年度は12月現在、継続者5,499人に加え1,717人を奨学生として採用し、合計7,216人に37億7,896万円を交付。本会の前身『災害遺児の高校進学をすすめる会』を含めると、1988年以来36年間に累計59,837人を採用し、766億7109万円の奨学金を交付しました。
また、受験費用やオンライン学習費などが遺児の大学進学への高いハードルになっている実態を踏まえ、高校生への支援を強化し、2023年度に新たな奨学金制度を施行。高校奨学生は公立・私立ともに給付のみ、大学生、専修各種学校生、大学院生の各奨学金は大学等奨学金は国による高等教育の就学支援制度が大幅に充実したことを受けて、貸与のみとなりました」
奨学生の声を紹介
「去年の3月に父が亡くなり、両親がいなくなった状態で祖母と2人暮らしになりました。父が亡くなった後、大半の手続きを私が進めました。何も分からないまま、いつこの手続きが終わるのか、学業もアルバイトもしながら悲しむ暇もなく、頭がぐちゃぐちゃでつらい毎日でした。しかし、奨学金が手元にあることで、金銭面に関しては不安はなかったです。現在はさまざまな手続きも終わり、精神的にも安定しています。心配の言葉をかけてくれて一緒に泣いてくれる友達もいました。つらいことはありましたが、自分が周りに愛されていることや、父が愛されていたこと、その人たちのためにも私も頑張らなくてはいけないことをこの1年で学べました」
「高校入学後の新生活は、コロナ禍真っ最中でもあり、不安な中でスタートしました。私が先にコロナにかかり、母にも移してしまって、いろいろと大変なこともありました。それでも学校生活、部活動、母との生活、全て両立し楽しく過ごせています。父がいなくなって4年が経とうとしていますが、あしながさんに支えていただき、勉強に専念させてもらっています。2年生になれば進路も真剣に考えていかなければなりません。父も天国で見守ってくれていると思うので、これからも前向きに頑張ります」
トナリビト「住まいを支援することで心のよりどころを」
中央共同募金会の助成先であるNPO法人トナリビト(以下「トナリビト」)はさまざまな事情で住まいを失った子どもの支援を行っている団体です。どのような活動が行われているのかレポートを紹介します。
「トナリビトは、社会的養護経験者や親を頼れない15歳から20代前半の若者を対象に、自立支援シェアハウスや緊急短期シェルター、居場所スペースを運営しています。
ファミリーホームや自立援助ホームなど社会的養護経験者が利用できる資源はありますが、18歳未満の若者、そもそも保護されていない若者、共同生活が苦手な若者がいます。また、実家でDV(ドメスティック・バイオレンス)があるにも関わらず、自立したくても保証人がいないことや高額な初期費用が払えず賃貸契約ができない若者も。これらの若者はホームレス化し、インターネット上で知り合った知人宅を転々とし、犯罪や風俗業に関わる危険と常に隣り合わせです。やっとの思いでSOSを伝えてくれた若者を守る部屋の不足が切実な問題になっていました。
さまざまな事情を抱える若者たちの居場所を作るために、チャリティスマイルの寄付金で『社会的養護出身者等のための生活自立支援強化事業』として、念願のワンルーム型シェルターを2つ確保。熊本市内の不動産会社と協働し、法人が契約者となっているため、身一つで来てもすぐに生活できる部屋になっています。この取り組みによって、支援を求めている孤立した若者がたくさんいることが以前より明確になりました。
若者が抱えている背景は一人一人異なるため、彼らが自分らしく生活できるのはどんな環境なのか、自分の気持ちに向き合い『なりたい自分』を描くためには、プライバシーが保たれ、安心して眠れる場所と温かいご飯そして彼らの声に耳を傾ける大人の存在が必要です。
このシェルターを利用した若者の一人は、長年の夢だった都会へ旅立っていきました。別の若者は、大学生活を諦めず継続し、時折シェアハウスの夕食を持ち帰りながら一人暮らしに徐々に慣れています。また、親からのDVや過干渉に悩んでいた子どもは、落ち着いて求職活動ができるようになりました。
私たちの願いは『全ての子ども・若者が、愛されるために生まれてきた』と思える社会の実現です。これからも相談を通して出会った若者たちとつながり続けていきたいと思います」
頼れる家族がいない子どもたちをサポートしませんか?
チャリティスマイルを通じて毎月お客さまから10円の寄付をいただき、ソフトバンクも同額を拠出することで、1人当たり毎月合計20円を、子どもたちへの支援を行う非営利団体に届けしています。いつも使っているスマホで、皆さんも一緒に子どもたちをサポートしませんか?
(掲載日:2024年3月8日)
寄稿:あしなが育英会、トナリビト
文:ソフトバンクニュース編集部