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おがつ秋の芸祭~鼓舞~ 2013年10月 東日本大震災 被災地の今

ソフトバンクグループでは、公益財団法人 東日本大震災復興支援財団の「『あの日』を忘れない宣言」の趣旨に賛同し、皆さまと共に「チャリティホワイト」など、さまざまな支援を行ってきました。

「被災地の今」では、支援先である非営利団体からの活動レポートや被災地の現状を紹介しています。

大船渡市盛町の野球スポーツ少年団

東日本大震災から2年半がたった岩手県大船渡市。

市内の小中学校には仮設住宅が建てられ、運動場を奪われた子ども達。
数少ない運動場を、いくつかのスポーツ少年団が日程を決め使っているのが現状です。

そんな運動場のひとつ、大船渡市盛町のグラウンド。
今も学校の授業を終えた子どもたちは走ったり、親御さんに送迎されたりして練習ができる場所に移動しています。

大船渡市は、震災瓦礫の撤去は早かったのですが、分別された鉄などはまだまだ山のように積まれています。そんな中、野球スポーツ少年団は山のような鉄くずの近くで、キャッチボールやノックの練習をしています。それがあたかも当り前であるかのように。

子どもたちは、
「練習できる場所があるだけで嬉しいです!」
「僕たちだけじゃないので!」
「今度の大会、頑張ります!!」
と笑顔で答えてくれます。

このグラウンドは、盛川が海に流れ込む河口に近い場所です。

有事の際の避難も常に考えなければなりませんし、河口が近くにあるため海風が強く吹きます。鉄くずにはまだコンクリートが残っていたりするので、粉じんが舞い上がってきたりします。そんな中でも、ひたむきに練習をしている子ども達。

震災から2年半たった被災地。
こんな場所が各地にあることを知ってください。

大船渡市盛町の野球スポーツ少年団
大船渡市盛町の野球スポーツ少年団

撮影場所:岩手県大船渡市
撮影日:2013年9月

おがつ秋の芸祭~鼓舞~

雄勝硯や東京駅舎の屋根に葺かれた天然石スレートの産地として名高く、豊かな山と海に囲まれた600年の歴史を誇る伝統工芸のまち宮城県石巻市雄勝町。古くからの伝統芸能が、守り伝えられていることでも知られています。

津波によってすべてを失いながらも、多くの支援と何より地域の方々の努力によって復活した雄勝の芸能。震災から2年半以上が経過した今年、「目先のことではなく、数世代先にも残せるようなことをやりたい」と、国の重要無形民俗文化財にも指定されている「雄勝法印神楽保存会」の他、「雄勝町胴ばやし獅子舞味噌作愛好連」、「雄勝町伊達の黒船太鼓保存会」の若手有志が中心となり、「鼓舞」と題した新たなお祭りをスタートさせました。

2013年9月1日、「宮城県地域文化遺産復興プロジェクト おがつ秋の芸祭 鼓舞」のオープニングセレモニーが始まるころには、客席は超満員。

震災後、多くの方々が避難生活を送っているため、普段は慣れ親しんだ面々に会うことすら叶わない状況が続いています。そうした状況だからこそ住民の方々が集い、再会を果たすことができる意義深い場にもなりました。

会場では昔ながらの屋台や餅まきなどを楽しむ姿が見られ、文化芸能を披露するだけでなく、「古き良き故郷のお祭りを再現する場に」という想いが表れていました。

おがつ秋の芸祭~鼓舞~
おがつ秋の芸祭~鼓舞~
おがつ秋の芸祭~鼓舞~
おがつ秋の芸祭~鼓舞~

撮影場所:宮城県石巻市雄勝町
撮影日:2013年9月

新地町立駒ケ嶺小学校とのスカイプ交流会授業

震災から2年半以上がたち、集団移転地の造成工事など、住まいの再建がはじまった福島県相馬郡新地町。

毎回必ず訪れる仮設住宅の皆さんは、いつも「西川くん元気?ごはん食べたの?」と笑顔で私を迎えてくださいます。私はこの町で震災後、ボランティアセンターのスタッフとして活動しながら、センターでの活動後は避難所・仮設住宅で子どもたちと一緒に勉強をしたり、遊んだりして時間を過ごしてきました。

そんな私の職業は『サイクリスト』。

今は世界一周を目指して世界を自転車で走りながら、海外から福島県相馬郡新地町の子どもたちへの支援活動を続けています。「これからの社会を担っていく子どもたちの、学びの気持ちやチャレンジ精神を応援しよう。もっといろんなことが知りたい、学びたいと思えるような授業を世界から届けよう。」

この考えをコンセプトに新地町立駒ケ嶺小学校と外国を旅する私が実施している授業が、“スカイプ交流会授業”です。インターネット通信を利用したテレビ電話で、海外を旅する私と小学校の教室をつなぎます。スカイプ授業では現地の人に毎回ゲストとして登場していただき、その国の暮らしを教えてもらったり、新地町立駒ケ嶺小学校の生徒たちからの質問に答えてもらうなど、双方向のコミュニケーションを行っています。

スカイプ授業を開始した当初、生徒たちはパソコンを通じて初めて話す外国人を前に緊張していた様子でしたが、授業を重ねるにつれ元気ハツラツ、明るくハキハキとパソコン画面越しの外国人へ質問をしたり、自分たちの考えを伝えられるようになりました。

帰国後、旅のパートナーである自転車を持って駒ケ嶺小学校を訪問した私に、「西川さんが頑張って自転車で世界を走る姿を見て、自分も夢に向かってがんばろうと思った!」 と明るく夢について話してくれる生徒たち。

彼ら・彼女らの夢を応援するためにも、僕はこれからも世界を自転車で走りながらスカイプ授業を届けていきます!

新地町立駒ケ嶺小学校とのスカイプ交流会授業
新地町立駒ケ嶺小学校とのスカイプ交流会授業
新地町立駒ケ嶺小学校とのスカイプ交流会授業
新地町立駒ケ嶺小学校とのスカイプ交流会授業

僕の地球を走る旅 サイクリスト 西川昌徳

撮影場所:福島県相馬郡新地町
撮影日:2013年9月

3.11 TOHOKU 応援はつづく ~忘れない、あの日を。つなげよう、未来へ。

「そのとき、つながるということ」 東日本大震災から10年、進化し続けるソフトバンクの災害対策

(掲載日:2013年10月10日)