シニアのスマホ事情調査。巣鴨で突撃インタビュー！オーバー70世代のリアルに迫る！

若年層から高齢者層まで、今や幅広い世代に普及しているスマートフォン。しかしスマホデビューを果たした高齢者の中には、子ども・孫世代を驚かせるような使い方をしている方もいるようです。今回は、そんな高齢者のリアルなスマホ事情についてご紹介。スマホを使いこなす巣鴨のオーバー70世代の方々にも突撃インタビューしてみました！

シニアの皆さんはどんなシーンでスマホを使っているの？

皆さんの周りのシニアたちは、どんなツールを使ってコミュニケーションを取っていますか？さすがに携帯電話を持ってない方は少なくなってきましたが、いわゆる“ガラケー”と呼ばれる電話機能を主とした携帯電話や自宅の固定電話が多数派だったはず。しかし最近は、積極的にスマホで子どもや孫とコミュニケーションを取るシニアも多くなってきているようです。

スマートフォンとタブレットの利用率

スマートフォンとタブレットの利用率

ソニー生命調べ「シニアの生活意識調査2017」（調査対象：全国の50～79歳の男女）

「子どもから薦められて」「孫ともっとコミュニケーションが取りたい！」など、さまざまな理由からスマホを使い始めるシニアたち。2017年に行われたソニー生命保険株式会社の調査によると、スマートフォンを利用しているシニア（調査対象：全国の50～79歳の男女）は、53.0％。2015年の利用率が34.9％だった結果から比較すると、ここ数年、急速な勢いで利用率が上昇していることが分かります。

日頃、スマートフォンで行っていること［複数回答形式］

対象：スマートフォンを使っている人（上位10項目を表示）

日頃、スマートフォンで行っていること

ソニー生命調べ「シニアの生活意識調査2017」（調査対象：全国の50～79歳の男女）

では、シニアの皆さんはスマホをどのように使っているのでしょうか？上記の調査結果からも分かるように、スマホの使い方で最も多いのが「通話」で89.4％。その次が、85.8％の「メール」、そして「インターネット検索」、「ニュース閲覧」と続き、「写真撮影」が61.3％でした。電話やメールといった連絡手段として、スマホを使われている一方で、ネット検索やニュース閲覧といったインターネットの利用や写真撮影など、シニアの皆さんもスマホの優れた機能を使って、毎日を満喫している様子もうかがえます。

スマホを使って、子どもや孫と連絡を取ったり、家族で写真や動画を送ったりするなど、スマホはシニアの皆さんにとってもコミュニケーションを快適にするツールとして浸透してきていると言えそうですね！

巣鴨のオーバー70世代にインタビュー！大先輩たちのリアルなスマホ事情を聞いてみた

実際のところ、高齢者の方々はどんな風にスマホを使ってコミュニケーションを取っているのでしょうか。その実態に迫ってみよう！ということで、巣鴨でオーバー70世代の皆さんに突撃インタビューしてみました！

ただ、街頭に立ってお声をかけ始めたものの、夕飯前ということもあってか、皆さんなかなかお忙しい様子。ほとんどの方が足早に通り過ぎて行ってしまいます。「インタビューは無理か……」と諦めかけていたその時、スマホ画面をサクサクとスワイプする優しそうな一人のご婦人が目の前に！声をかけると、快く取材了承のお返事をいただけたので、早速お話を伺うことにしました。

中野さん

中野さん（81歳）
お子さん4人、お孫さんは11人。現在は、東京で長男のご家族とお住まい。

お忙しい中、本当にありがとうございます！

いえいえ、暑い中ご苦労さま。私でよければ何でも聞いてちょうだい。

なんてお優しい……！では、早速ですが、中野さんがスマホを使い始めたきっかけを教えていただけますか？

私以外の家族みんながスマホを使うようになってね、LINEでやりとりされた情報が私にだけ全然入ってこなくなったの。「私だけハブ？」なんて子どもたちに言ったら、娘が「スマホに変えたら？」と言ってくれてね。一緒に買いに行ったのよ。

優しい娘さんですね！中野さんはどんなアプリをよく使っているんですか？

まず、LINEね。私はテレビをあまり見ないから、ニュースもLINEでよくチェックするの。あとは、パズルゲーム。自分で楽しそうな無料のゲームをいろいろ調べて選んでいるのよ。このゲームは、孫からすすめられてダウンロードしたの。よく遊ぶんだけど、点数はやっぱり孫に負けちゃうわね（笑）。息子からは、よくゲームのポイントをプレゼントされるわ。ゲームの中のやりとりだけど、プレゼントはうれしいものよね。

ゲームでもご家族とつながっているんですね。スマホを使い始めて、ライフタイルは変わりましたか？

ええ、やっぱり楽しいわね！実際に会っていない人でも、毎日会っているみたい。LINEだと気楽に話せるでしょ。それがいいの！遠くににいるお友達とも、スムーズに連絡を取りやすくなったわね。東京に来る前は静岡にいたんだけれど、その時の仕事仲間ともよくLINEで連絡を取っているわ。

遠くにいるお友達ともスマホでコミュニケーションを取っているんですね。ちなみに、グループLINEなども利用しているんですか？

家族でグループを作っているわよ。4人の子どもの家族ごとに、グループがあるの。朝は「おはよう」、夕方の仕事終わり頃に「お疲れさまです」、夜は「おやすみ」って、1日3回くらい毎日やりとりをしているわ。遠くに住む子どもたちもいるんだけど、こうしてメッセージを送り合っていると、いつも会っているみたいに思えるの。

なんてステキなご家族……！心温まるお話、ありがとうございました。

中野さんは、スマホを通して、家族やお友達との絆を深めていました。優しい面持ちの中野さんを慕うお子さんやお孫さん、お友達とのやりとりがとても温かく、こちらの心までほっこりしました。取材後に編集部が中野さんにお礼のLINEを送ると、すぐ既読になり即レス。名前入りのかわいらしいスタンプまで送ってくださいました！

中野さんに癒やされ、元気になった編集部。巣鴨でインタビューを続けていると、さらにお2人にお話を伺うことができました。

76歳の元ビジネスマン・富岡さんは、趣味の同好会メンバーとLINEでコミュニケーションを取っているそう。「LINEを使い始めてから、前よりもスムーズに連絡が取り合えるようになったんだ」とうれしそうに話します。また、お仕事を引退してからも、ビジネスや経済情勢に興味が尽きない富岡さんは、スマホで株情報も欠かさずチェックしているそうです。

スマホで株情報も欠かさずチェック

オークションサイトやオンラインショッピングを使いこなすアクティブな女性も。安倍さんは、ヤフオクやネットショップをよく利用するという75歳。「購入するものは、バッグが多いわねぇ（笑）」

家族や仲間とのコミュニケーションツールとしてだけではなく、実用的にスマホを使いこなす高齢者も確実に増えてきていますね。

実用的にスマホを使いこなす高齢者

他にもこんなスマホほっこりエピソードが！

スマホを使うようになった高齢者の方のほっこりするエピソードは他にも。ソフトバンクの店舗でお客さまのスマホに関するお悩みにお応えしているスマホアドバイザーからは、こんなエピソードを聞きました。

お帳面を卒業

「ある日、ガラケ―をご利用中の80代女性のお客さまが店頭にいらっしゃいました。そのお客さまの電話帳には連絡先が一切登録されていなくって、代わりに各連絡先が書いてある“お帳面”を持ち歩いていたんです。お客さまはソフトバンクの行う教室に通い、電話帳登録と電話のかけ方をマスターして、“お帳面”を卒業されたんですが、その後、めいっ子さんとLINEをしたいとおっしゃって、iPhoneに機種変更。スマホにしてからは、めいっ子さんとたくさんやりとりができるようになって、とてもうれしそうでしたね」

迷惑メールに律義に返信

「私たちの行っているスマホ教室に通う90代の女性のお客さまが、「そういえば先日とても急いでいる方から間違いのメールがいっぱい来て」とおっしゃるので、メールを確認したところ、迷惑メールでした。さらに、メール送信ボックスを見ると、「お困りでしょうが、宛先が違ってますよ、ごめんなさいね」といった内容のメールをたくさん返信していたんです。このメールは間違いじゃないので、返信しなくていいですよ、とご説明をしました。そのやさしさがステキですよね」

スマホを使い始めた高齢者の方々には、本当にたくさんのほほ笑ましいエピソードがあるようです。また、どの話からもスマホを通じて生き生きと充実した生活を送られているご様子が感じられます。高齢者の皆さんにも、もっとスマホを使ってもらいたくなっちゃいますね。