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津波警報・注意報が発表された…。あなたが取るべき行動は? -防災行動ガイド

津波警報・注意報が発表された…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

海岸付近で遊んでいると、突然強い揺れが…。その後、近くのスピーカーから「津波警報が発表されました」という放送が聞こえてきました。もしあなたが同じような状況に置かれたら、一体どうすればいいのでしょうか?

正しい知識とすぐにできる小さな行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。

今回は、津波から身を守る行動や正しい対処法をご紹介。

この災害テーマのポイント

津波警報・注意報が発表された…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

  1. 高さ20〜30cmの津波でも油断は禁物。大人が倒れるほどのパワーも
  2. 強い揺れや長い揺れを感じたら、遠くはNG、高くがOK
  3. 海の近くでは「津波標識」を確認

津波警報・注意報が発表された…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

この災害テーマのポイント

  1. 高さ20〜30cmの津波でも油断は禁物。大人が倒れるほどのパワーも
  2. 強い揺れや長い揺れを感じたら、遠くはNG、高くがOK
  3. 海の近くでは「津波標識」を確認

目次

リスク:高さ20〜30cmの津波でも油断は禁物。そのパワーは大人が簡単に倒れてしまうほど

強風などによって発生する「波浪」とは異なり、ほとんどが地震とセットで発生するとされている「津波」。その流れは、速度に比例して力が大きくなるため、たとえ高さが20~30cm程度であっても、大人が簡単に倒されてしまうほどのパワーを持っていることも。もし、丸太や砂利などが速いスピードに乗って流れてきたら、非常に危険です。

また、震源が陸地に近い場合や巨大地震の場合は、津波警報・注意報が津波の襲来に間に合わなかったり、地震の規模がすぐに把握できなかったり、津波の高さを誤って小さく予測してしまうことも。2011年の東日本大地震では、津波警報第1報で津波の高さが実際よりも低く予測されたことで、「たいしたことないだろう」と軽く見て、逃げ遅れて亡くなった人もいました。

津波警報・注意報の種類と想定される被害・取るべき行動

津波警報・注意報の種類

出典:気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について

対処法:遠くはNG、高くがOK。強い揺れ、数分単位の長い揺れを感じたら、大津波襲来の危険

津波警報・注意報が発表された…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

津波から身を守るための対処ステップ

  1. 強い揺れ、もしくは数分単位で揺れが続いた場合は、大津波の危険あり。すぐに避難を開始する
  2. 「遠く」ではなく、高台や津波避難タワー、津波避難ビルなど可能な限り「高いところ」へ避難する
  3. 警報・注意報が解除されるまでは避難場所にとどまる

もし、海や海岸付近にいる際に地震が発生したら、揺れの大きさや警報・注意報発表の有無に関わらず、すぐに海から離れ、できるだけ「高いところ」へ避難しましょう。また、津波は第一波が最高とは限らず、第二波、第三波で被害にあうケースも。たとえ発表された津波の到達予想時刻を過ぎて津波が到達しなかった場合も、警報・注意報が解除されるまで、避難を継続しましょう。

津波は時速800 km、ジェット機並みの速さ

津波は深いところほど速く伝わる性質を持ち、水深5,000mの沖合いでは、なんとジェット機の速さに匹敵する時速800kmで進みます。なお、水深10mでも時速36kmほどのスピードで伝わるため、人が走って逃れられる速さではありません。揺れを感じたり、警報・注意報を見聞きしたりしたら、たとえ津波が見えなくても、速やかに避難を行いましょう。

出典:気象庁「津波発生と伝播のしくみ

事前の備え:海の近くでは「津波標識」を確認。ハザードマップ上の危険度は“最低限”と認識しておこう

津波警報・注意報が発表された…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

津波の危険がある場所の近くには、津波襲来の危険を示す「津波注意」や「津波避難場所」「津波避難ビル」などの避難誘導サインが設置されています。事前に確認し、もしもの際に少しでも冷静な行動が取れるようにしましょう。

国土交通省東北地方整備局 仙台河川国道事務所:津波情報板・標識の紹介

また、津波から自分の身を守るためには、地域の地形や、そこで過去にどんな災害が起きたのかなど、自分の住んでいる地域について知っておくことも大切です。地域の「ハザードマップ」を入手し、日頃から危険箇所や避難場所などをチェックしておきましょう。

ハザードマップの入手法

  • 国土交通省のポータルサイトで入手:ハザードマップポータルサイト
  • 市区町村のウェブサイトで入手:検索方法⇒「土砂災害 ハザードマップ お住まいの市区町村」
  • 市区町村の役場で、印刷物を配布している場合も

しかし、ハザードマップは計算上の想定、シミュレーションで作成されているため、絶対的なものではありません。ハザードマップ上のリスクは最低限と考えて、余裕を持った安全行動が取れるように備えましょう。

津波から身を守るために役立つサービス・ウェブサイト

① 首相官邸「津波では、どのような災害が起こるのか」

首相官邸「津波では、どのような災害が起こるのか」

津波によって起こる災害の例、津波が起こったときの正しい行動などを紹介しているページ。被災者の実体験をつづった、津波災害エピソード集も。

② Yahoo!防災速報

Yahoo!防災速報

災害が起こる前に、地震・豪雨・津波などの情報を知らせてくれるアプリ。アプリをダウンロードして設定すると、位置情報を利用した現在地と、あらかじめ設定しておいた3地域の情報を、プッシュ通知で受け取ることができます。

③ 緊急速報メール

緊急速報メール

気象庁が゙配信する緊急地震速報や気象などに関する特別警報、国・地方公共団体が配信する災害・避難情報などを、回線混雑の影響を受けずにスマホに発信するサービス。

監修者:防災講師・防災コンサルタント 高橋 洋(たかはし・ひろし)

高橋洋先生

1953年、新潟県長岡市生まれ。1976年、練馬区に就職し、図書館、文化財、建築、福祉、防災、都市整備等に従事。1997年より防災課係長として、地域防災計画、大規模訓練、協定等に携わる。現在は、防災講師・コンサルタントとして、自治体等で講演、ワークショップ指導などを行う傍ら、復興ボランティア、終活ガイド・エンディングノート認定講師としても幅広く活動。防災関係著書・論文、防災関係パンフレット類監修多数。

(掲載日:2020年4月14日)
監修:高橋洋
文:内藤マスミ
編集:エクスライト
イラスト:高山千草