新型コロナウイルス感染拡大防止のため、テレワークを導入する企業が増えています。ソフトバンクの社員も在宅勤務中です（5月7日時点）。
人と直接顔を合わせずに働くテレワーク。通勤時間が削減でき、集中して効率的に働けるという声がある一方で、「作業に没頭しすぎて、孤独感が押し寄せる」「同僚との何気ない会話ができない」「上司への相談事がしにくい」など、人と話す機会が減ってしまって不安という声も……。
離れ離れで働くという状況下でどんなことを意識するとよいのか。ソフトバンクにあるウェルネスセンターで、トータルヘルスサポートを担当しているカウンセラーにポイントを聞いてみました。
ウェルネスセンターのカウンセラー 小泉 美貴さん。写真は自宅で撮影してもらいました
慣れないテレワーク、コミュニケーションで苦労する人が続出
長期間のテレワーク（在宅）には、一般的にどのような課題があるのでしょうか？
「通勤時間の削減」や「仕事に集中できる時間が創出しやすい」といったメリットがある一方で、コミュニケーションの課題を感じている人は多いようですね。
東京都在住でテレワークをしている会社員を対象とした調査によると、45.9％の方が対面よりコミュニケーションが難しいと感じているそうです※。在宅中の心のコンディションを整える上でも、コミュニケーションの課題を解決していくことはとても重要だと思います。
- ※
2020年3月6日にペーパーロジック株式会社が発表した「『リモートワーク・テレワーク』に関するアンケート調査」より
コミュニケーションの課題について、具体的な内容を教えていただけますか？
はい。代表的な課題をいくつかご紹介します。
- メールによるミスコミュニケーションで誤解が生じてしまう
- オンライン会議などで疎外感・孤独感を感じてしまう
- 1つのタスクを完了させても達成感や貢献感が得られにくい
- 雑談もなく仕事のことしか話をしないため、なんとなく人間関係が薄く感じてしまう
- 相手の仕事の状況が見えないので仕事の相談をしにくい
編集部もテレワーク中なので、思い当たるものもあります……。実際に社員からこうした相談は寄せられているのでしょうか？
はい、実際にカウンセリングに申し込まれる方もいます。肌感覚ではありますが、特にメールの文章で悩んでいる方は少なくないと感じています。
個人で、チームで、心身を健康に保つ工夫をしよう
個人としてテレワークで意識した方がよいことはありますか？
先ほど話題に挙げたメールのコミュニケーションでは「感情的になったまま文章を作成しないこと」が大切。また、メールで伝わりにくい内容や相手に負担の大きいお願いをする場合などは「メールの後に電話やオンライン会議を通じてフォローすること」も効果的です。
仕事の達成感や貢献感に関するコミュニケーションでは、まず相手に対して「仕事に対する感謝の言葉を投げ掛ける」ようにしましょう。人は感謝の言葉を受け取ることで承認欲求が満たされると、今度は自分が感謝の言葉を伝えたいという心理が働きます。感謝の言葉が循環しやすくなるのですね。
チームや周りの人とできることもありますか？
オンライン会議でファシリテーター役になる人は「必ず参加者一人一人に発言の機会を与えるように工夫」してみてください。人数の多い場合でも、チャット機能を使えば、一度に多くの考えを共有することができますよね。ひと工夫で、メンバーは疎外感を感じることが少なくなります。
ときには「近況を共有することを目的としたオンライン会議」を開催すると、お互いのことを知り、関係構築したり、仕事の相談をしやすい環境づくりに役立つ場合もあります。
在宅勤務の体調管理全般でアドバイスがあればお願いします。
心のコンディションは体のコンディションとつながっています。基本的なことですが、「睡眠」「食事」「運動（体操含む）」が三本柱です。また、日光浴は心身の調子を整えるのに有効です。1日15分程度、今でしたらソーシャルディスタンスを意識しつつ、外に出て日を浴びることも心掛けてください。
会社や仕事以外のことでも悩みを抱える方は、信頼できる友人やカウンセラーなどに相談することでも、気持ちを落ち着かせ、悩みの解決につながるかもしれません。
ありがとうございました。
（掲載日：2020年5月7日）
文：ソフトバンクニュース編集部
