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認知症による徘徊をスマホで即時発見へ-地方創生の取り組み(岩手県紫波町・宮城県東松島市・愛媛県久万高原町)

認知症による徘徊をスマホで即時発見へ-地方創生の取り組み(岩手県紫波町・宮城県東松島市・愛媛県久万高原町)

超高齢社会の日本において認知症高齢者の見守りは重要な課題であり、ICT(情報通信技術)を活用した積極的な取り組みが行われています。ソフトバンクは厚生労働省が取り組んでいる認知症高齢者の見守り事業に協力し、全国キャラバン・メイト連絡協議会と連携してスマートフォンを使った見守り支援サービス「オレンジセーフティネット」を提供しています。オレンジセーフティネットを積極的に活用し、行方不明者の早期発見と安全確保の取り組みを行っている岩手県紫波町・宮城県東松島市・愛媛県久万高原町の3自治体の事例を紹介します。

  • 記事中に掲載している写真は各自治体で実施している実証実験の様子です。

オレンジセーフティネットとは?

認知症による徘徊をスマホで即時発見へ-地方創生の取り組み(岩手県紫波町・宮城県東松島市・愛媛県久万高原町)

スマートフォンを活用し認知症高齢者の徘徊を全国横断的に見守るアプリです。

徘徊の心配があるご家族の情報を登録すると、捜索が必要になったときに協力者であるオレンジ協力隊に情報が配信され、自治体圏域を超えた捜査協力依頼が可能となります。

捜索の状況は、アプリ画面でリアルタイムで確認することができます。

サービスの流れ

  • 1. 情報登録とアプリダウンロード
  • 2. 全国のオレンジ協力隊へ協力の呼びかけ
  • 3. 協力を申し出た隊員へ情報提供
  • 4. 捜索開始

オレンジセーフティネット

3自治体の課題と導入効果

① 毎年転入者が増加する岩手県紫波町

たまたま見つかる場合や居そうな場所を勘で探していたことが多かったという紫波町(しわちょう)では、年々転入者が増え、勘で探すことが困難な状況になっていました。将来を見据え、2019年7月頃からオレンジセーフティネットを導入しています。

課題

  • 認知症の高齢者にGPSを持たせることが難しい
  • 今まではFAXで連絡していたため、捜索開始まで時間がかかっていた
  • 20名体制で捜索を行う際、情報伝達手段が乏しかった

▼オレンジセーフティネットを導入▼

効果

  • 全員に同時刻に情報が届くので、どこに誰が居るのかがすぐに分かる
  • 行方不明者を見つけたときの連絡がすぐに伝わる

② 震災により生活環境が変化した宮城県東松島市

東日本大震災によってこれまでのコミュニティーが再編され、東松島市では多くの高齢者が不慣れな環境で暮らしています。生活環境が大きく変化した高齢者の見守りをサポートするため2018年9月から導入に向けた実証実験を計3回実施し、2020年6月からオレンジセーフティネットを導入しました。業務用端末を持っている事業所から参加を募り、取り組みを徐々に広めています。

認知症による徘徊をスマホで即時発見へ-地方創生の取り組み(岩手県紫波町・宮城県東松島市・愛媛県久万高原町)

課題

  • 現在の連絡方法がFAXのため、迅速な捜索につながっていない
  • 行方不明者の写真や捜索関係者の位置情報がリアルタイムで共有できない

▼オレンジセーフティネットを導入▼

効果

  • スマートフォンを使うことでリアルタイムな捜索が可能になった
  • 必要な情報が地図や写真で確認ができ、効率のよい捜索ができる
  • オレンジセーフティネットのアプリが他事業所とのネットワークとなり、連携が取りやすくなった

③ 高齢化率が高い愛媛県久万高原町

高齢化率が約48%と高い久万高原町(くまこうげんちょう)。なじみの関係がある強みを生かし、認知症になっても顔見知り同士が見守りあう中で安心して町を散歩できる仕組みを作るために、オレンジセーフティネットを2019年6月から導入しました。
実際の捜索活動ではスムーズな情報共有ができ、10~15分で行方不明者の発見につながったそうです。

認知症による徘徊をスマホで即時発見へ-地方創生の取り組み(岩手県紫波町・宮城県東松島市・愛媛県久万高原町)

課題

  • 「てくてくシート」という記入用紙で運用しているため、捜索後の紙破棄など個人情報管理に課題があった
  • 支援が必要な高齢者が多い一方で、手助けする担い手側も高齢な方が多い

▼オレンジセーフティネットを導入▼

効果

  • アプリで個人情報を消去できるため、個人情報管理が簡単になった
  • スマートフォンを利用することで、どこからでも捜索依頼ができ、スピード感を持って動くことができる
  • アプリを見たオレンジ協力隊が自発的に捜索を実施できる
  • 捜索者同士での情報共有が可能になった

(掲載日:2020年6月30日)
文:ソフトバンクニュース 編集部

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