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守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

2020年8月11日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)が、2021年3月期 第1四半期 決算説明会を開催しました。代表取締役会長 兼 社長の孫正義が登壇し、株主価値が2.7兆円増加したことや、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが反転回復したこと、コロナ禍において守りを固めてまい進していく決意を語りました。

財務の安全性を最優先

孫は、「新型コロナウイルスと日々戦っている状況下、われわれ事業家もさまざまな問題と戦っています。歴史を振り返ると、戦に欠かせない大変重要なものに『防御』があります。投資をメインとするSBGにとっての防御は『現金』。2020年3月末に、この先1年で4兆5,000億円の資金を集める、と発表しましたが、今日現在、4兆3,000億円を資金化することができました。目標値に対する進捗は95パーセントになります。『防御』は順調に固めています」と語り始めました。

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

そして、「2008年のリーマンショック時の危機において、われわれは具体的な対策として、フリーキャッシュフロー1兆円の創出、純有利子負債1.9兆円の半減、という2つの目標を発表しました。懐疑的な声も多い中で、結果はフリーキャッシュフロー1.3兆円、純有利子負債75パーセント減、と、目標を大きく超える結果を出しました。有言実行、という姿勢で今回も、そしてこれからも臨みます」と、力強く言い切りました。

続いて、話を第1四半期の連結業績に移し、「売上高は14,501億円。当期純利益は12,557億円」と延べ、昨年同期比12パーセント増の当期純利益について「昨年度は一時益として、アリババの先渡売買契約決済益がありました。一時益ではないものとして、ソフトバンク株式会社、ソフトバンクビジョンファンドの事業があります。今回は、スプリントとTモバイルの合併承認になどに伴う一時益が計上されています」と詳細を説明しました。

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

ここで孫は「最も大切なのは、株主価値だと考えています」と話すと、保有する資産を活用した資金調達「アセットファイナンス(ノンリコース)」を実施していることを説明しました。

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

保有株式から純負債を差し引いたものが株主価値。2020年3月末と比較して、2.7兆円増となった

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

さらに孫は、「純負債を減らして、財務の安全性を高める。コロナ禍といった異常時においては、防御策を施す。つまり積極的に資金を積み上げ、純負債/保有株式率が11パーセントととなった」と安全に運営していることを説明しました。

「情報革命で人々を幸せに」のもと、これからもまい進する

SBGは、保有資産の価値を分かりやすくするため一株当たりの株主価値情報をこれまで日次で開示していましたが、今後は四半期ごとの開示とすることも公表。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資が進展し未上場株も増加していることに触れ「未上場株式の評価損益の洗い替えは四半期ごとのため、投資家の誤った判断につながる恐れを解消できるとも考えています」と理由を述べました。

次に、保有資産の状況として、「トップはアリババ。純利益は42パーセント増と、業績は着実に伸びている。2番目は増収増益を維持するソフトバンク株式会社。3番目はアーム」と話すと、「アームは、ベースチップ出荷数も右肩上がりで先行投資を回収しながら進めているが、IoTサービス事業を分社化し半導体IP事業に集中します。さらに上場前の倒しや売却を選択肢に入れて、ベストな方法を検討している」と紹介しました。

保有資産の最後にソフトバンク・ビジョン・ファンドに触れ、「86社に投資をし、6月末時点での累計投資成果は0.2兆円の投資利益となった」と説明。

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

さらに、余剰資金の運用とアセットの多様化を目的に、主に流動性の高い上場株などを運用対象とし、直接投資、デリバティブなどを運用手法とする、投資運用子会社の設立について発表しました。

守りを固め、株主価値の最大化を追求する -ソフトバンクグループ株式会社 2021年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

最後に孫は「第1四半期を終え、防御となる資金はしっかり集め純負債は1.6兆円の削減。ビジョンファンド事業の投資損益も、反転回復。株主価値は2.7兆円増。さらに株主価値の最大化を目指して、投資会社ソフトバンクグループは、守りを固めながら運用してまいります。われわれの経営理念ー情報革命で人々を幸せにーのもと、これからもソフトバンクグループはまい進します」と決意を述べ、決算説明会を締めくくりました。

資料

プレゼンテーション資料(PDF形式:10.4MB/82ページ)

(掲載日:2020年8月11日、更新日:2020年8月12日)
文:ソフトバンクニュース編集部