新しい生活様式が求められて約1年。身の安全を守るためにも外出自粛が求められています。ただ、人とのふれあいが減ってきたなあと感じる方もいるのではないでしょうか。
全国でドラッグストアを展開するウエルシア薬局では、地域協働コミュニティスペース「ウエルカフェ」を運営。シニアの方を対象にした、ソフトバンクによるスマホの基本的な使い方や楽しさを知ってもらうための「スマホ教室」が、神奈川県平塚市の「ウエルカフェ」で7月に開催されました。
地域協働コミュニティスペース「ウエルカフェ」
ウエルシア薬局の一角にある、地域住民とのコミュニケーションを活性化するためのスペース。また、管理栄養士による栄養サロンを始めとした、健康増進・介護予防・介護相談・買い物支援・見守り・子育て支援・地域清掃・防犯防災など、多種多様な活動を行っている。
海の香りがほのかに漂う、のどかな平塚駅からウエルシア薬局へ
編集部メンバーが降り立ったのは、神奈川県の湘南地域に位置する平塚駅。
その日は快晴で、心なしか海の心地よい香りがしてきました。
平塚とは
江戸時代に東海道五十三次の宿場町として栄え、明治年間の1887年(明治20年)に鉄道(現在のJR東海道線)が開通すると、平塚駅を中心に発展してきました。1932年(昭和7年)4月1日、横浜、川崎、横須賀に次いで、県内で四番目に市となり、商工都市としての第一歩を踏み出しました。
(引用元:平塚市のWebサイト)
今回、スマホ教室が行われた「ウエルシア平塚四之宮店」は、平塚駅から約5km。
タクシーを利用して、約15分で到着しました。
平塚四之宮店では、日用品や雑貨、食料品、ペット用品、調剤受付など、大型スーパー並みの商品がそろっています。
ウロウロと店内を物色していると「スマホ教室」の時間に。
シニアに大人気! 満員御礼のスマホ教室では、スマホの基本から自撮りのコツまで学べます
周辺に住むシニアの皆さんが続々と集まり始めました。
いつの間にかガヤガヤ。
この日行われた「スマホ教室」は合計で約120分。
ガラケーとスマホの違いやスマホの特長・種類などの基本を説明した後、電話やカメラ(ピントの合わせ方や自撮りのやり方、動画)、音声操作(天気確認やアラーム設定)などを体験しながら学ぶプログラムになっていました。
今回使用したのは「シンプルスマホ4」。大きいアイコンやメニューの見やすさで使いやすさを担保し、スマホデビューに最適なスマホを使用しました。
今回の講師は、ソフトバンクの緒形さん。「スマホ教室」の講師を約2年間(合計400回ほど)務めています。冒頭では、趣味の釣りの話に触れ、「タイが釣れました〜」と、アイスブレイクを行っていました。
印象的だったのは、タップ(画面を軽くたたくように、一瞬だけ画面に触れる操作のこと)のことを「ちょんと触る」と言ったり、ホームボタンを「お家のマーク」と表現したりしていたこと。
「できるだけ専門用語を使わず、色や形など、シニアの方々が聞きなじみのある言葉を使って説明するように心がけています。他にも、滑舌のいい大きな声でゆっくり短文ごとに区切ってしゃべったり、大きな身ぶり手ぶりで楽しい雰囲気を演出したりしていますね」
動作や話し方の例
- 表情は豊かで目力があるか
- 正面を向いているか(スクリーンに向かって話さない、手元を見たまま説明しない)
- 堅苦しくなくスムーズな所作であるか
- お客さま個別に視線を送れているか
- 元気で聞き取りやすい声か(大きさ、トーン)
- 親しみやすい話し方か(柔らかさ・明るさ=笑声)
- 適度なスピードか(ゆっくり、間を取りながら)
- 非言語や耳障りな言葉癖がないか(えー、あのー、思います、ご案内します、言葉尻等の言葉癖、語尾伸ばしなど)
- シニアに分かりやすい言葉遣い、言葉選びができているか(脱専門/脱カタカナ用語)
受講者同士で電話をかけ合うことで交流の機会も。
自撮りをするときは、斜め上45度から!
参加者「スマホは持っているのですが、ほぼ使い方がわからず、夫が代わりに操作をしてくれていました。この機会に学べてよかったと思います。私は足が悪いので出無精になりがちでしたが、『ウエルカフェ』の講座では知り合いも増え、外出のいい機会になるので毎回楽しみです」
「スマホを持っているけど使いこなせていない人」「スマホの購入を検討している人」など、さまざまな理由で受講する人がいるとのこと。
「講座に一番ついていけていない方に合わせて、都度調整を行いながら進行しています。その場にいる全員が一定のレベルに達することが重要なんです」
講師を行っていて、一番印象的なエピソードはありますか?
「一番うれしかったのは、講座を終えた直後に『わたし、スマホ買うわ! 』と、お客さまがその場で購入を決めてくれたこと。『スマホ教室』の目的が“スマホの楽しさを体験して感じてもらう”ことなので、それを心から実感してもらったことが講師冥利(みょうり)につきました」
「スマホ教室」は全国で体験できます
ウエルシア薬局の担当者にコロナ禍の薬局事情や「ウエルカフェ」を設置している理由を聞いてきました
話を聞いた、ウエルシア薬局で「ウエルカフェ」の運営を行う、地域包括推進部 星 晶博(ほし・あきひろ)さん
まずは、最近の薬局事情を教えていただきたいです。コロナ禍で売れた商品はありますか?
「まず、リモートワークの影響で化粧をする機会が減ったことで化粧品の売り上げは減りましたね。また、ペット需要でペット用品が売れたり、家飲みが流行ることで酒類が売れたりしています。一時期はビールやハイボールなどの缶が売れましたが、最近では家でも色んな割り方でお酒を楽しめるように、家飲みにも適したジンのニーズが高くなっています」
なぜ、「ウエルカフェ」で開催している「健康ライフ講座」のテーマは、「健康」「終活・お金」「暮らし」なのでしょうか?
「これまで『ウエルカフェ』では、サロンや健康教室に参加するシニアに対して、薬剤師や管理栄養士による薬、栄養、食事などの健康に関する情報提供を行ってきました。ただ、シニアの方が地域で健康で安全に安心して暮らす上で、健康情報以外にも有益な情報があると考え、このテーマを設定しました」
そんな中、スマホ教室を採用した理由を教えてください。
「社会福祉協議会や地域包括支援センターなどの協働パートナーからの開催要望やお客さまからのニーズが高かったため、シニア層へのデジタルデバイド解消に役立つと考え、企画しました」
各地域にあるウエルカフェはどのような役割を目指していますか?
「地域の行政関係機関や団体、そして住民、民間企業が『ウエルカフェ』を地域課題の解決をするための一つの活動の「場」 として利用することをきっかけに、相互に知り合い、つながりが生まれ、地域課題の解決に向けた協働ネットワークが形成されることです。
今後もさらに各地域の社会資源(自治体、社会福祉協議会、地域包括支援センター、NPO、 民間企業など)との協働を進め、本事業活動を通じて、誰もが住み慣れた地域で、健康で安心して暮らしていける、地域共生社会づくりの一助となるよう『ウエルカフェ』を地域で展開・推進していきたいですね」
(掲載日:2021年7月26日)
文、撮影:ソフトバンクニュース編集部
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