新年の抱負や心機一転で目標を立てて何かを始めたのに、三日坊主で終わってしまったということはありませんか? せっかくやる気を出したのに、それを維持できないと「またできなかった」という挫折経験ばかりが積み上がってしまいますよね。
いつも三日坊主で終わってしまうのは、やる気を「出そう」とする考え方や、目標設定の仕方、環境などに原因があるのかもしれません。そこで、なぜやる気が続かないのかという理由や、やる気を継続するコツを、前編に引き続きメンタルトレーナーの久瑠あさ美さんに教えていただきました。
前編を読んでいない方はこちらから
質問に答えて自分の考えグセや行動パターンを表す「メンタルタイプ」をチェックして、自分に合ったやる気の出し方のヒントを知ることができます。
目次
<話を聞いた人>
久瑠あさ美(くる・あさみ)さん
メンタルトレーナー・作家・ ブランドプロデューサー。「ff Mental Room」(フォルテッシモ メンタルルーム)代表。心理カウンセラーとして勤務後、プロスポーツ選手のメンタルトレーナーとして活躍する他、各界アーティスト、企業経営者、ビジネスパーソンから絶大な信頼を寄せられている。
「心を創るマインド塾」を主宰する傍ら、社会において【人・モノ・コト】の潜在的な価値を引き出すマインド空間を、総合的にプロデュースする『マインドデザインプログラム』を研究開発。時代に即したメンタルトレーニングにより実績が認められ、雑誌、TV、ラジオなどメディアにも多数出演。 著書に『一流の勝負力』『人生が劇的に変わるマインドの法則 復刻版 』などがある。
フォルテッシモ・メンタルルーム ffmental.net
Twitter:@kuruasami
Facebook : Asami Kuru久瑠あさ美
Instagram : kuruasami.official
やる気を継続させるには「潜在意識」をうまく使うこと
休暇明けに「さぁ、新しい気持ちで仕事をするぞ」「毎日ジョギングする!」「志望大学に現役合格を目指して、勉強を頑張るぞ」などと、新たな目標を設定する人も多いでしょう。その時点では「できる」と思っているのに、なかなか継続できず、目標を達成できないまま終わってしまうのはなぜでしょうか?
前編では、そもそもやる気は「出す」ものではなく、ゴールやビジョンが定まっていれば自然と湧き出てしまうものであるとお伝えしました。そこでポイントになったのが「潜在意識」へのアプローチ。
「“変わりたいのに変われない”人の多くが、自分の中に眠る力=潜在意識を上手に使うことができていない状態です。潜在意識にアプローチできるようになれば、『継続しよう』と無理に頑張らなくても自然と体が動くようになるんです」
では、そんな自分の中に眠る力をフル活用し、やる気のある状態をキープするにはどうしたらいいのでしょうか?
「マインドの法則」
そこで久瑠さんが教えてくれたのが、その人が潜在的に持っている心の力を引き出し、人生に変革をもたらすためのメソッド「マインドの法則」。その真髄となる3つのプロセスをお伝えします!
- want(原動力)=「〜したい」という熱意や意志
会社や社会のルールの中で動かされている他者要請(=have to)の状態を、自己発信の「want」へと結びつけることで、自分の内側からエネルギーを生み出せるようになり、やる気を継続させる力になります。
- イマジネーション(創造性)=未来はこう在りたいという鮮明なビジョン
「5W1H(だれが、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように)」を想像し、未来の鮮明なビジョンを描いていくと、「こう在りたい自分」を具体的に創り出すことができます。するとワクワクする目標を設定でき、やる気が持続します。
- マインド・ビューポイント(心の視点)=自分を俯瞰して見られる視点
他者要請(=have to)の状態を「want」へと結びつけるのに重要な役割を果たします。心の視座を高次元に引き上げることで、自分を取り巻く環境が俯瞰で見られるようになるため、次に自分がやるべきことも自ずと見えてくるはずです。
この3つのプロセスのうちどれか1つが動き始めると、歯車のように相互に作用して連動し、本来の潜在的な心の力を発揮できるようになります。
心の視点を高くすることがカギ
マインドの法則の3つのプロセス中で、やる気を継続できるようになるために特に重要なのが「マインド・ビューポイント」です。これは、簡単に言えば「自分の周囲を俯瞰して見られる心の視点」のこと。ビジネスシーンであれば、チーム、部署、会社、クライアント……という風に、心の視点が高くなればなるほど、広範囲を俯瞰して見られるようになります。
「心の視点を高めて視野が広がると、自分がいま何を求められているか、その期待に応えるにはどうすればいいかを、感情や情動に振り回されることなく達観的に判断できるようになります。そうすると、次にやるべきことがおのずと見えてきて、“やる気を出そう”と思わなくても自然と動けるようになるでしょう」
やる気を継続させるにはワクワクする目標を設定しよう
やる気を継続するためにもう1つ重要なのが、未来の目標にフォーカスすること。「そのことを思い描くだけでワクワクできるような目標を設定することが大切です」と、久瑠さんは言います。
どのようなことにワクワクするかは、メンタルタイプによって異なります。メンタルタイプ別におすすめの目標設定の仕方についてご紹介しましょう。
Aタイプ(王様タイプ)
Aタイプの人は、明日できるようなことや、誰でも達成できるような目標にはワクワクしません。
いまの自分には逆立ちしてもこなせないような高い目標を掲げることで、やる気が継続し、成功に近づきやすくなります。
Bタイプ(ストイックタイプ)
Bタイプの人は、自ら掲げた目標設定そのものにワクワクするのが特徴です。ただし、目標を設定したら一直線に走りがち。それによって、成果につながらない方向に突き進んでしまうことが多くあります。
目標の「別ルート」を設定しておくことで視野が広がり、成果を得やすくなるはずです。
Cタイプ(受け身タイプ)
Cタイプの人は、人から喜ばれたり、「ありがとう」と言われたりすることで、自分の居場所を見出し安心感を得られます。
目標を設定するときは、それを達成したときの周りの人の反応まで鮮明にイメージするとワクワクでき、やる気が継続しやすくなるでしょう。
Dタイプ(ストレスフリータイプ)
Dタイプの人は、仲間との連帯感や結束感が強まると、ワクワクも高まっていきます。
やる気を継続させるためには、目標をチームで成し遂げるイメージを強く持ちましょう。あらかじめ相互に助け合える雰囲気をつくり出すことで、気兼ねなく休める環境が生まれ、心も安定し、やる気の継続につながります。
メンタルタイプ別 スマホを使ったやる気継続術
やる気を継続させるために、スマホを「自分の先回りをして動いてくれる秘書」のように役立てることもおすすめだと久瑠さんは言います。
「誰もが日々の慌ただしさの中で、目の前の業務やその日の課題をこなすことで精一杯になりがちです。そこで、スマホを活用し、目の前の業務や課題に集中しつつも、年間のビジョンや、この先数カ月の予定も同時に把握していく別の視点を持つことができれば、自分の業務を俯瞰して見るトレーニングにもなります。
先回りして準備を進めていくことや、同時並行でタスクをこなすことで仕事は効率化でき、何より気持ちに余裕が生まれます。今やスマホは生活に欠かせない身近なツール。だからこそ、SNSやアプリをただ楽しむだけではもったいない。日々のモチベーションアップにつなげていきたいですね」
では、4つのメンタルタイプ別にその活用法を見ていきましょう!
Aタイプ(王様タイプ)
Aタイプの人は、SNSやブログなどで、レビューや意見を発信するのがおすすめ。
SNSのフォロワーやブログの閲覧数など、他者からの評価が目に見えることでモチベーションがアップします。仕事に対する向き合い方や、取り組んでいるプロジェクトの成功体験などを発信し、やる気を自己発電していきましょう。
Bタイプ(ストイックタイプ)
Bタイプの人は、目的達成までのロードマップを精密に描き、その通り忠実にこなすことを美学としています。そのためには、スマホをトレーニングツールとして使うのがおすすめです。
正確な情報を重要視するタイプなので、タスク管理アプリやリマインダーアプリを活用して、目標の達成率や、次にこなすべきタスクを確認すると、極力ミスを減らすことができるでしょう。
Cタイプ(受け身タイプ)
Cタイプの人は、自己評価が低く、できなかったことに自信を失いやすい傾向にあります。そのため、自分の感情を記録することで心を落ち着かせることのできる日記アプリや鍵つきのSNSなどがおすすめです。
「できていた過去の自分」を定期的に振り返ることで心の安定が生まれ、やる気の継続につながります。
Dタイプ(ストレスフリータイプ)
Dタイプの人は、人との相互関係を重視し、人と気軽につながったり情報を共有し合ったりしたいと考えます。そんな方には、人や情報に簡単にアクセスできるアプリがおすすめです。
写真投稿型SNSやニュースアプリなどを活用して興味・関心の幅を広げることで、人脈を得たり情報を人と共有したりできるため、やる気を継続しやすくなるはずです。
予定を確認するのに便利なBALMUDA Phoneのカレンダー予定表アプリ
ピンチ操作で1日表示から1年表示まで、表示範囲をシームレスに伸縮することができる、BALMUDA Phone専用のスケジューラアプリ。1日から週間までは天気や気温も画面に表示されるため、予定を確認する際の参考になります。Googleカレンダーなど、外部スケジュールのデータベースに同期も可能です。
やる気を継続できる環境をつくろう
久瑠さんいわく、「自室や仕事場など、日頃自分を取り巻く環境が、潜在意識にとても大きな影響を与えている」のだそう。そこで最後に、やる気を継続しやすい環境づくりについてお伝えします!
「マインド空間」を味方につける
電話の横にメモ帳を置いていたり、仕事に疲れ顔を上げた位置に家族の写真を飾っていたり、私たちは、無意識的に自分にとってより良い空間を創ろうとしているのではないでしょうか。
「そうした空間は、自分の心の居場所『マインド空間』であり、潜在意識ととてもつながりの深いものです。模様替えという大げさなことではなく、部屋の温度を変えたり、音楽を流したり、メモ帳の位置1つ変えるだけでも、自ずと潜在意識に働きかけることができます。つまり、『マインド空間』を味方につけることで、やる気が継続する環境もつくり出すことができるのです」
自分が集中しやすい空間を把握する
静かな壁際が落ち着く、人の声がする場所が落ち着く……など、集中しやすい空間は人によって異なるでしょう。特に、会社以外の場所で仕事をしたり、学校や自宅以外で勉強をしたりする場合は、カフェやファミリーレストランなど、自分が集中しやすい空間を把握しておくことも、作業がしやすくやる気を継続させるために有効です。
「必ずしもきれいに整頓されていることが、『理想』とも限りません。名だたる研究者や小説家の中にも、机の上が終始散らかっていることで有名な方はたくさんいます。重要なのは、自分にとっての心地よさ、集中しやすさ。そして集中力を削ぐことのない自らのマインドが自由になれる空間を創ることです」
今日からできる! 常に目に入るところに時計を置く
今日からでも実践できる、快適なマインド空間を創るトレーニングの1つとして久瑠さんがおすすめするのは、「常に目に入るところに時計を設置する」ということ。なぜなら、やる気を継続させるためには、時間の扱い方を根本から変えてしまうことが必要だからです。
そうするには、時計の針が刻む「時計の時間」と「心の時間」とに分け同時に感じていく時間術のメソッドを活用して、常にそれぞれの「時間」を自分の意識下に置くことがコツになります。いつも「時間がない」と焦っているのは、時間が自分の意識の外側にある状態。時間を気にするほどに思考は中断され、やる気が途絶えてしまうのです。
「『いつまでに〜しなくちゃ』という他者要請(=have to)から脱するには、自らの視界の中に時計を置いて、自分の潜在意識に時間の流れを取り込んでしまうこと。常に『時間はある』ことを確認できる状態にしておけばいいのです。すると、『今日はここまでできそう』『あとこのくらいで終わりそう』と、焦りに振り回されることなく、時間の管理やスケジュールの調整ができるようになります」
自転車に一度乗れると、なぜそれまで乗れなかったかわからなくなりますよね。久瑠さんによれば、「マインドの法則」も同じ。歯車が一度動き始めると、やる気がどんどん湧いて、なぜいままでやる気が湧かなかったのか不思議になるそうです。
まずは心の視点を高く引き上げるために、自分のメンタルタイプに合わせたワクワクする目標を設定しましょう。そして、三日坊主にならないために、自分の潜在意識に働きかけられるトレーニングを始めてみましょう。今回ご紹介した、マインド空間を創り出すメソッドを取り入れて、「気づいたらやる気が引き出されている!」といったマインドをあなたも手に入れてください。
(掲載日:2022年1月6日)
イラスト : たつみ なつこ
文・編集:エクスライト
やる気を持続させる第一歩をスマホから!
iPhone、Google Pixel、Androidなどの豊富なラインナップの中から、自分の好みや用途に合わせてお好きな機種を選ぶことができます。サクサク動く最新スマホでタスク管理アプリやSNSを活用して、やる気を継続しましょう!