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Armは第2の成長期へ。半導体業界史上最大の上場を目指す-ソフトバンクグループ株式会社 2022年3月期 第3四半期 決算説明会レポート

2022年2月8日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)の2022年3月期 第3四半期決算説明会が開催され、代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義が、第3四半期の業績と、Arm Limited(以下「Arm」)の売却契約解消とArmが2022年度中の株式上場を目指すことなどについて説明を行いました。

  • 決算説明会の動画全編(プレゼンテーション・ 質疑応答)はこちらからご覧いただけます。

当初のプランに立ち返り、Armは2022年度中の上場を目指す

孫正義プレゼン1

SBGは、2016年に買収したArmについて、2020年9月にその全株式をNVIDIA Corporation(以下「NVIDIA」)へ売却することを発表していました。しかし、今回の決算説明会で孫は「Arm売却中止についてNVIDIAと合意に至った」と述べ、当初想定していたプランに立ち返り、Armの2022年度中の株式上場を目指すことについて説明しました。

孫は「Armが戻ってまいりました。戻ってきたというよりも、第2のArm成長期がいよいよ始まるということです」と話し、Armの第2の成長期に向けてこれまで取り組んできたエンジニア数を増やすための先行投資と、エンジニアの増員に伴う新たなチップ、CPUの設計と開発が予定通りに進んでいる状況を明かしました。

エンジニア増員

第2の成長期

また、今までのスマホ革命を牽引してきたArmアーキテクチャのチップが持つ優位性として「演算処理能力」と独自進化を遂げてきた「低電力消費」を挙げ、今後は電気自動車(EV)やクラウド、メタバース、IoTの事業者が「Armアーキテクチャに切り替える意思決定を発表している」と話し、Armが今後さらなる成長を見込めるだろうと期待を込めました。

Arm優位性

終盤には、Armの新たな成長戦略を加速させるための新経営体制から、CEOのRene HaasとCTOのInder Singhがオンラインで登場し、成長戦略を説明した上で、半導体業界市場最大級の上場を目指せるような準備をしていきたいと語りました。

これを受けて孫は、「『AI革命の資本家になる』という理念の下、第2のソフトバンクの成長に向けて、この鍵になる会社がArmになると思っている。Armがわれわれに戻ってきた。しかもこれから黄金期を迎えるということで、成長を非常に楽しみにしている」と述べました。

新経営体制

冬の嵐は終わらないが、成長の種はまき続けている

孫正義プレゼン2

連結業績については「各国の、特に成長企業の株価は今、“冬の嵐”の中にいます」と話し、経営の最重要指標とし、自ら一日4回チェックしているという時価純資産(NAV)が減少した直近四半期の状況について説明した一方、トータルでの大きなトレンドではさまざまな社会情勢を経ながら「でこぼこしますが、大きな流れでいくと右肩上がりに上がっていると信じている」と話しました。

また、経営の安定性を測るLTV(純負債/保有株式)も、平常時は25%未満、株式市場暴落などの異常時でも35%を上限とする財務規律に対し、平常時の目安のラインを守って運用していることを確認しました。

NAV

LTV

また、明るい兆しとして、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の投資数が堅調に増えており、投資企業のIPO件数が増加していることを紹介。2022年3月期の9カ月間にSVF 2が投資した約4.4兆円の財源のうち、3.8兆円はSVF投資先などの保有株式を用いて自らの資金で回転するエコシステムが回り始めていることを示し、「嵐の真っ只中にいまだにあるという状況ですが、春は必ず来る。新たな種は続々と植え続けているし、新たな芽も冬の嵐の中で芽吹き始めてきている。その芽は着実に出始めている」と今後の見通しを述べました。

投資先

IPO

関連プレスリリース

資料 プレゼンテーション資料(PDF形式:7.67MB/67ぺージ)

 

将来予想に関する記述

本記事に含まれまたは参照されるSBGの2022年3月期 第3四半期決算説明会(以下「決算説明会」)に関する記述は、歴史的な事実に関する記述または評価を除き、米国連邦証券関連法令に定義される「将来予想に関する記述(forward-looking statement)」です。かかる将来予想に関する記述は、SBGおよびその子会社並びに関連会社(以下「当社グループ」)の事業および業界についての現在の期待、推定および予想、経営陣の考え、並びに当社グループによる一定の前提に基づいており、これらはいずれも変化し得るものです。将来予想に関する記述は、「期待される・見込まれる(anticipate)」、「期待する(expect)」、「意図する(intend)」、「計画する(plan)」、「予測する(predict)」、「~と考えている(believe)」、「試みる(seek)」、「目標(goal)」、「可能性が高い(likely)」、「ないとは言えない(might)」、「計画する(project)」、「目指す(target)」、「推定する(estimate)」、「かもしれない(may)」、「(今後)する(つもりである)・なる(will)」、「するべき・なるべき(should)」、「~であろう(would)」、「~ということもあり得る(could)」、「可能性・見込みがある(potential)」、「引き続き~する(continue)」、「継続して(ongoing)」といった表現およびこれらの類似表現、派生表現または否定形が使われることによって特定される場合がよくあります。決算説明会の一定の記載は将来予想に関する記述であり、予想とは大きく異なる結果を招来し得るリスクおよび不確実性を有しています。これらの将来予想に関する記述は現在の予測に基づいていますが、将来の結果を約束するものではありません。様々な要因により将来の実際の事象は、決算説明会における将来予想に関する記述とは大きく異なることがあります。これらの将来予想に関する記述は将来の事象または業績の保証ではなく、決算説明会時点における記述に過ぎません。

(掲載日:2022年2月8日、更新日:2022年2月9日)
文:ソフトバンクニュース編集部