ここ数年で「メタバース」に関するサービスが次々と生まれ、身近な存在になりつつあります。日本でもさまざまな企業がビジネスに参入し、さらなるメタバースの拡大に向けて業界の動きも加速しています。2022年7月27日と28日に、日本のメタバース事業をけん引する企業や団体、公官庁が一堂に会し、メディアや関係者向けの展示およびカンファレンスが行われました。
さまざまな事業機会の創出が期待されるメタバース。日本のコンテンツ力を武器に皆で成長を
カンファレンスのオープニングで、Meta日本法人 Facebook Japan 代表取締役 味澤将宏氏は、昨年社名を変更したことに触れ、メタバースの関心度の高まりに言及。特に日本には高度なデジタルコンテンツがあり、クリエイターのサポートが重要になるとし、メタバース内でのビジネスをサポートする仕組みを構築していくなど、Meta社の今後の方針を紹介しました。また、今年を「メタバース元年」と表現し、まだ始まったばかりの分野で、企業・クリエイター・団体・関係省庁が「共創」するきっかけにしたいと、このEXPO開催の思いを語りました。
現在はエンターテインメントやゲーム分野が主ですが、教育・医療・福祉分野や働き方への展開が見込まれることから、今回のEXPOにはそうした分野での活用にチャレンジする企業の参加も見られました。
10年以上前からXRテクノロジーに注目していたソフトバンク。数多くの取り組みから得た課題は「継続性とコンテンツ」
カンファレンスに登壇したソフトバンク株式会社 サービス企画本部 コンテンツ推進統括部 メタバース・NFT部長の加藤欽一は、2010年にソフトバンクが新30年ビジョンを発表した頃から、XRがキーテクノロジーの1つになると注目していたと振り返りました。その後VR元年といわれる2016年にVRの専門部署を立ち上げ、数年かけてメタバースのサービス提供を始めることができたと説明。今後、メタバースのビジネスを拡大していくためには、広く捉えられているメタバースの概念について関係者間で意識合わせしていく必要性を感じたとし、「メタバースを一言で表すとしたら何でしょうか?」と会場に問いかけました。
また、既にいくつものサービスやコンテンツを提供してきた経験から見えてきた課題として、「継続した集客」と「キラーコンテンツの開発」があると強調。黎明期の現在にターゲットとすべきユーザーを見極めた結果、現在注力している2つのサービスについて、概要と狙いを紹介しました。「メタバースを作るというのは、世界をもう1つ作るということ」と捉えると選択肢は無限にあり、今後も仮説を立てながらチャレンジしていくと意欲を見せました。
エキシビション会場では、17の企業が出展していました。ソフトバンクのブースでは、カンファレンスで紹介された2つのサービスを展示。「バーチャルPayPayドーム」内で提供されている「準リアルタイム投球体験」を、VRゴーグルを着けて体験できるエリアや、ZEPETO内にオープンしたソフトバンクショップを実際にのぞけるエリアが設けられていました。
ブースに展示されていたサービスの詳細はこちら
会場では他にも、ファッションや都市再現、宇宙空間体験、人材派遣など、新しい分野のサービスが体験でき、充実した展示会でした。2022年10月に開催される「CEATEC 2022」内でも、今回と同様の展示が一般向けに公開される予定です。
(掲載日:2022年8月2日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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