ソフトバンクは富士山の登山期間に合わせ、山頂や登山道での電波対策を毎年実施しています。テクノロジーの進化と技術陣の経験の蓄積により、年々、スマホが使えるエリアが広がっています。
5Gにも対応! 普段と同じ使い方が富士山でも!
どの季節でも富士山は美しくも雄大な姿を見せてくれます。そんな人々を魅了してやまない富士山に、眺めるだけでなく登りたいという人は数多く、新型コロナ感染症の拡大以前は毎年20万人以上が山頂を目指しました。一般の人でも安全に登山ができるよう、登山期間は毎年7月上旬から9月中旬くらいまでと定められていて、特に梅雨明けからお盆くらいにかけてがベストシーズンとされています。
この登山期間に合わせ、ソフトバンクは携帯電話やスマートフォンが、富士山頂や登山道でも使えるよう電波対策の取り組みを実施しています。当初は登山者の入山状況の把握など小規模なデータ収集から始まりましたが、その後5GやLTEも対応し、山頂や主要な登山ルートであれば、街にいるのとほぼ変わらない通信品質でスマホを使うことができます。
技術的な工夫と経験の蓄積でより良い電波状況に!
2022年の電波対策として、山頂では2つの山小屋へ基地局の設置。また、夏期期間研究教育活動をする旧富士山測候所では、実証実験として基地局を設置し、この3カ所の基地局で、皆さんのスマホが使えるようになっています。
山小屋の基地局の設置では、限られた電力をどう使うかという課題があります。電気は山小屋の発電機から供給されているため、非常に貴重なものです。従来のLTEに5Gの電波も加わると、その分消費する電力が増えてしまいます。そこで、基地局設備を見直し、5Gの無線機が加わっても、これまでの電力量の範囲に収まるように工夫しています。
入念な準備とスピーディーな作業で基地局を設置
富士山山頂の電波対策には、エリア設計を行う「無線担当」、ふもとの基地局から富士山頂に回線をつなぐ「伝送担当」、そして基地局の工事を行う「建設担当」がいます。それらが密に連携を取り合いながら計画を進めます。山頂に基地局を設置した後、「建設担当」は正しく設置されているかを検査し、「無線担当」はお鉢周り(山頂の火口)を一周し、計画通りに5GとLTEのエリアが確立されているかを調査します。何度も登り下りができる場所ではないため、事前に入念な準備を整える必要があります。
いずれの作業も当日は細心かつ手早い作業が求められます。天候の影響も大きく、対応に当たるスタッフは、緊張の日々を送ることになります。
立山黒部アルペンルートの「立山室堂」でも5G電波対策を実施!
ソフトバンクは、富士山のほかに立山黒部アルペンルートにある「立山室堂」でも、5Gをはじめとした電波対策を実施しています。立山黒部アルペンルートは長野県と富山県を結ぶ世界でも有数の山岳観光ルートで、途中には黒部ダムなど多くの観光スポットがあります。車や交通機関での移動や、ハイキングから本格的な登山まで楽しむことができますが、特に雪深い富山県の山中で登山ルートの拠点となる「立山室堂」で1年間を通じてスマホが利用できるための電波対策を実施しています。
富士山も立山も、5GやLTEなどの電波対策をしっかり行っているため、素敵な写真や動画もすぐにアップできます。また、けがや病気の人が発生した際の緊急連絡も、スマホから行えます。ただし、正規の登山ルートを外れると電波が届かなくなったり、正規の登山ルートであっても、アンテナの影となる地形では圏外となってしまう場所もあります。歩きながらのスマホも、滑落の危険性が高まりますので絶対にやめましょう。
スマホがつながるからと過信することなく、登山は街中と違うということをしっかり理解し、ルールやマナーを守って安全に配慮しながら楽しんでください!
(掲載日:2022年8月9日)
文:ソフトバンクニュース編集部