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動画の「倍速視聴」にはちゃんと理由があるんです。Z世代の若者から学ぶ、全世代のためのスマホ活用術

「エアドロ(AirDrop)で写真共有」「耳に当てずに電話」「動画の倍速視聴」…。「Z世代」と呼ばれる若者のスマホ活用術は、上の世代からすると“目からうろこ”のことも多いようです。スマホの便利な機能やアプリの活用術を若者目線でひもとけば、より快適なスマホとの付き合い方が見えてくるかもしれません。

そこで今回は、Z世代に特化したリサーチに取り組むSHIBUYA109 lab.の長田麻衣所長に、若者の間で注目されているスマホの機能や活用方法を紹介いただきました。それらが浸透した背景や、Z世代のコミュニケーションの在り方にも迫ります。

Z世代について知りたい方はこちらもご参考に。簡単に解説します
Z世代について知りたい方はこちらもご参考に。1分で解説します

1990年代半ばから2010年頃に生まれた「Z世代」。彼らのコミュニケーション、関心などについてまとめました。サクッと読みたい方にお勧めです。

【Z世代】~1分で分かるキーワード #15

長田 麻衣(おさだ・まい)さん

SHIBUYA109 lab. 所長
長田 麻衣(おさだ・まい)さん

大学卒業後、総合マーケティング会社にて化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発やブランディング、PRサポートを経て、SHIBUYA109のマーケティング担当に。2018年5月、Z世代に特化したマーケティングチーム「SHIBUYA109 lab.」を設立。所長として、毎月200人のaround 20(15歳~24 歳の男女)と接する。

目次

消費も出会いもコミュニケーションも。切っても切れない若者とスマホの関係

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Z世代は、どんなシーンでスマホを活用しているのでしょうか。

長田さん

「情報収集からコミュニケーション、コンテンツ視聴、買い物、出会い、写真撮影まで、日常のあらゆるシーンでスマホを活用していますね。中でも、SNSの使用は増加傾向にあります。SHIBUYA109 lab.が実施した『Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査』では、回答者の約80%がTwitter、Instagramを使用しているといった結果に。動画配信サービスの使用率が95%を超えた点も目を引きました」

出典:SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」2021年12月

出典:SHIBUYA109 lab.「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」2021年12月

コロナ禍で対面コミュニケーションの機会が減る中、Z世代にとって、SNSはどんな存在にシフトしていきましたか。

長田さん

「コロナ禍の初期は『SNSが友達や社会との唯一のつながり』といった感覚があったようです。Zoomをつなげたまま一緒に勉強をする『オンライン自習室』や、トレンドのモノ・空間を自宅で再現してシェアする遊びも流行しました」

若者間で流行した「韓国インテリア風」な部屋

若者間で流行した「韓国インテリア風」な部屋

Twitter、Instagram、TikTok以外に、Z世代がよく使うアプリはありますか?

長田さん

「最近は友人同士で位置情報を共有するアプリを求めていますね。コロナ禍以降、浅く広くつながるより、信頼できる友達とコミュニケーションを深めていくことがより大事にされ始めたからです。既に『BeReal』というアプリが流行り始めていますが、小さなコミュニティーの中で、空気感を共有し合って楽しむものが、これから増えそうな気がしています」

  • 「1日1枚だけ」写真を他者に共有できるアプリ。共有できるタイミングはアプリによってランダムに設定され、アプリによる通知が来たら「2分以内に」写真を撮って共有しなければならない。その名の通り「自分のリアル」を他者に共有することになる。

オリジナリティを重視する、Z世代ならではのスマホ活用法

デジタルネイティブが日常的に活用するスマホの便利機能は?

Z世代が注目するスマホの機種や、便利な機能について教えてください。

長田さん

「最近人気を集めているのは、ガラケーのような折り畳み型のスマホですね。2000年代に流行していたように、表面をラインストーンなどで『デコる』人が増えています。ホーム画面のカスタマイズをする人も多いですね。YouTubeや Google のアイコンを、好きな写真や画像に変えて楽しむんです。

カスタマイズされたスマホホーム画面例

カスタマイズされたスマホホーム画面例

カスタマイズされたスマホホーム画面例

写真撮影の方法としては、あえてフィルターをかけず、ノーマルカメラでフラッシュをたいて撮影するなど、アナログ感の出る撮り方が流行っていますね。人物を切り抜いたり、背景を差し替えたりする編集も、若者にとってはもはや当たり前です。

また、これは iPhone 限定の動画撮影テクニックですが、録画ボタンを押したまま上にゆっくりスワイプすると、なんとそのままズームすることができます。撮影+ズームが片手で完結するのは便利ですよ。『リアルを切り取るのが得意』な若者だからこそ、気づくことのできた機能かもしれません」

  • OSバージョンによって異なります。

写真や動画の編集スタイルは、どこで情報収集しているのでしょうか。

長田さん

「TikTokやYouTube、Instagramで解説動画を探して、新しいノウハウをインプットしています。最新の写真フィルターもよくチェックしていて、『盛れるフィルター◯選』といった投稿を参考にしたり、インフルエンサーの子に『どこのフィルターを使っていますか』と質問したりして情報収集しているようですね」

ハッシュタグは隠すのが主流。「シンプルなほうがかわいい」という価値観

ハッシュタグは隠すのが主流。「シンプルなほうがかわいい」という価値観

最近は、Instagramなどで、あえてハッシュタグをつけない投稿もよく見ますね。

長田さん

「そうですね。『テキストはシンプルなほうがかわいい』といった価値観が主流になってきていて、あえてハッシュタグをつけない人も多いです。検索してほしいときは、キャプションにはつけず、その投稿のコメント欄タグを入れ込む、『隠しハッシュタグ』をする人もいますね。

とはいえ、ハッシュタグが廃れたわけではなく、トレンドワードはよく検索されています。最近、Instagramでは『#海外ガール』というハッシュタグが熱いそうです。今までは、韓国や中国などアジアのカルチャーが人気でしたが、最近はボディポジティブなアメリカの女の子たちのカルチャーに注目が集まり始めているんです。スタイルを気にせず、ビビッドな服や目立つ服を着る彼女たちのマインドに憧れて、それを自身のファッションスタイルとして取り入れたいといった話もよく聞きますね。

もうひとつ面白いのが、昭和のアイドルが再注目されていること。その時代のアイドルは個性がはっきりしていて、自分たちの好きなことを好きなだけやっているというエネルギーに魅力を感じる子も多いみたいです」

目指すのは「コミュニティーの調和」。若者に学ぶ、心地良い関係の築き方

「コスパ」だけでなく「タイパ」も重視したい。若者がスマホに求めるもの

Z世代の多くが「タイパ(タイムパフォーマンス)」を意識していると聞きますが、その理由を教えてください。

長田さん

「動画を早送りで見る『倍速視聴』をすることで、他のことに時間を回せる。好きなことに取り組む時間を捻出するために、余分な時間をカットしていくという、メリハリをつけるための考え方なんですよ。全ての時間を節約したい、と生き急いでいるわけではないんです。

自分にとって大事なものを取捨選択していくスキルがないと、情報に飲み込まれる。そういう風に、常に追われている感覚が彼らにはあるようなんです。好きなものが多いほど、収集する情報も人とのつながりも多くなる。そうなると、効率化せざるを得ませんよね」

「効率化」と聞くと少し冷たい印象を受けますが、そういうわけでもないんですね。

長田さん

「『タイパ重視』と言われると、冷たい感じがしますよね(笑)ただ、好きなことに熱量を注ぐために必死なだけなんです。むしろ、X世代やY世代よりも好きなことへの熱量は高いように思います」

タイパ以外に、Z世代が重視していることはありますか?

長田さん

「コミュニティー内の調和ですね。『他人と違う個性を出したい』と言う人でも、よくよく聞いてみると、コミュニティーの中で尖りすぎるのはNGだと思っている。調和を乱さないくらいのちょうどいい個性が、彼らにとっての“正解”なんです。

そこが、Z世代の良いところでも悪いところでもあります。自分の半径数メートルを大事にしたいという気持ちが強いので、目立つことは避けてしまう。自分から新しいことができないし、一歩踏み出すのにも躊躇してしまうんですね」

Z世代のように、「好きな時間」をしっかり確保するなら? 広告が出てこないYouTube Premiumがぴったり

Z世代のように、「好きな時間」をしっかり確保するなら?広告が出てこないYouTube Premiumがぴったり

情報収集やアイドルの動画視聴に大活躍の動画プラットフォーム「YouTube」。Z世代のように効率的に「好きな時間」を捻出したいなら、広告なし、バックグラウンド再生などの時短機能が満載の「YouTube Premium」への加入がおススメ。

ソフトバンクでは、料金プラン「メリハリ無制限」に加入されているお客さまに、「YouTube Premium」を6カ月間無料で、さらに7カ月目以降は25%オフの料金で利用できるYouTube Premium バリュー特典を提供しています。

使い始めたらもう戻れない… YouTube Premium の“プレミアム”な内容をまとめてみた

レビューや口コミのチェックは当たり前。若者たちの「外さない」工夫

レビューや口コミのチェックは当たり前。若者たちの「外さない」工夫

Z世代は、買い物をするときも慎重なイメージがあります。

長田さん

「慎重ですし、いろいろ調べてから買うので、ショップスタッフより商品に詳しくなってしまうことが多々あるようです。レビューの検索を“体験”として捉える人も多いですね。そのくらい、日々当たり前にレビューや口コミを参考にしているようです」

いわゆる「量産型」というか、周りと同じような印象になってしまわないのでしょうか。

長田さん

「Z世代に感心するのは、そのバランスの取り方が絶妙にうまいところです。周りと同じようなファッションスタイルに、少し変わったアイテムを取り入れることで、自分らしさを出していく。コミュニティーの調和と、個性の表現を両方実現しているんですよね。バランスをとるためにも、SNSやレビューの検索が欠かせないようです」

スマホショルダーはZ世代のマストアイテム

スマホショルダーはZ世代のマストアイテム

外出の機会が増えた2021年頃あたりから頻繁に見かけるようになったスマホショルダー。革やパール、チェーンのついたものなど、デザインも豊富です。スマホを探す手間が省けて「タイパ」にもつながります♪

街でよく見かける「スマホショルダー」。使い心地を試してみた

日常の小さな体験が「消費」のきっかけに

Z世代が買い物をするときは、どのような基準でアイテムを選ぶのでしょうか。他の世代との違いはありますか?

長田さん

「コミュニティーの調和ともつながりますが、『世界観を重視する』のがZ世代の特徴です。SHIBUYA109のお客さまにヒアリングをしても『量産系の服を着てプリクラを撮りたいから買いに来ました』『ヌン活をするのできれいめな服を買いに来ました』など、行く場所に合わせて洋服を買いに来る人が多いです。誰かの誕生日や記念日など特別なタイミングではなく、日常的な小さい体験に合わせて消費をしている点が、他の世代との一番の違いだと思います」

  • Z世代の用語で「アフタヌーンティーに行くこと」

その世界観を共有することで、友だちと深くつながっていく?

長田さん

「そうですね。そういった傾向はSNSにも表れていて、特にInstagramでは顕著。好きな世界観が一緒かどうかを重視しています。

アカウントのホーム画面に飛ぶと、プロフィールの下に3×3=9個の写真が表示されますよね。そのスペースで、自分の好きな世界観や好きなものをアピールするんです。SNS上で友だちになるときは、アカウントのホーム画面を見て『この子とは仲良くなれそう』と判断しているようです」

こだわりが詰まったInstagram ホーム画面例

こだわりが詰まったInstagram ホーム画面例

こだわりが詰まったInstagram ホーム画面例

Z世代は、個人主義でサバサバしているイメージがありましたが、長田さんにお話を伺って、見方が変わりました。

長田さん

「Z世代も、誰かとつながりたいという欲求は当たり前にあります。ただし、誰彼構わずつながりたいといった感情ではないようです。自分の心地いいコミュニティーや、好きなモノでつながることが大事。つながる場所は、リアルでもSNSでもどちらでも構わない、といった点が、他の世代とは違うところでしょうか」

Z世代とスマホの関係から生活を豊かにするヒントが見えてくる

Z世代にとってのスマホは、水道や電気などのインフラと同じで、生まれたときから当たり前にあるもの。スマホを「便利に使う」「活用する」といった思惑はなく、日常に必要なツールとして自然に使用していることが分かりました。

「Z世代はスマホそのものよりも、スマホの先にある情報やコミュニケーションを大事にしています」と長田さん。時間効率の考え方や、他者とのコミュニケーションの在り方など、生活を豊かにするヒントを、若者のスマホの使い方から探ってみてはいかがでしょうか。

Z世代とSNSの関係性は?彼らのSNS活用術について、長田さんに聞きました

Z世代とSNSの関係性は?彼らのSNS活用術について、長田さんに聞きました

スマホ世代には、「ググる」「写メ」といった言葉が通じない、LINEがあまり使っていない、などのウワサがあることをご存知でしょうか?ソフトバンクニュースでは、スマホ世代のSNSとの関わりについても、長田さんに語っていただいています。

10代の恋はSNSから始まる!? 専門家に聞く、“ソーシャルネイティブ” の最新ネットライフスタイル

(掲載日:2022年12月8日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト