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【長周期地震動】~1分で分かるキーワード #81

【長周期地震動】~1分で分かるキーワード #81

大きな地震で生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのこと

大規模地震発生時に高層ビルで発生しやすい長く大きな揺れ

地震が起きるとさまざまな周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。地震動には、ガタガタと小刻みに揺れる短い周期の揺れや、船に乗っているような大きくゆっくりとした長い周期の揺れがあり、周期の長い揺れを「長周期地震動」と言います。「長周期地震動」の特徴として、震源が浅く大きな地震ほど発生しやすく、高層階の建物ほど揺れやすい特性があります。これは、建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)があり、地震の周期と建物の固有周期が一致すると「共振」し、建物が長時間にわたり大きく揺れます。他にも、短い周期の揺れに比べ遠くまで伝わりやすく、震源地から遠く離れた場所でも大きく揺れる場合があります。

高層ビル内における、地震発生時の人の行動の困難さの程度や、家具などの転倒被害の程度の大きさを表した指標を「長周期地震動階級」と言い、4つの区分に分けられます。

階級1
  • 室内にいるほとんどの人が揺れを感じる
  • ブラインドなど吊り下げるものが大きく揺れる
階級2
  • 大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる、物につかまらないと歩行が難しいなど行動に支障を感じる
  • キャスター付きの家具などがわずかに動く。棚にある物が落ちることがある
階級3
  • 立っていることが困難になる
  • キャスター付きの家具などが大きく動く、固定していない家具などが移動することがあり、不安定なものは倒れることがある
階級4
  • 立っていることができず、動くことができない
  • キャスター付きの家具など大きく動き、転倒するものがある。固定していない家具などの大半が移動し、倒れるものもある

気象庁では、2023年2月から新たに長周期地震動の階級が3以上を予想した地域に緊急地震速報を発表しています。ソフトバンクなど携帯電話事業者は、気象庁が配信する「緊急地震速報」や「津波警報」、地方公共団体が配信する「災害・避難情報」などを対象エリアにいるお客さまに配信するサービス「緊急速報メール」を提供しています。

長周期地震動の関連情報

(掲載日:2023年3月22日)
文:ソフトバンクニュース編集部