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G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合のデジタル技術展にソフトバンクが出展

G7広島サミット2023に先立ち、G7加盟国・招待国・国際機関の関係閣僚が、デジタル・技術における国際課題について議論するG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合が、2023年4月29日と30日に群馬県高崎市で開催されました。

会場となったGメッセ 群馬では、国内企業による通信、ロボット、映像など最先端のデジタル技術を体感できる展示会「デジタル技術展」が4月28日から3日間開催され、ソフトバンクも出展企業として、展示を行いました。

約70の企業の展示ブースが立ち並ぶ会場内では、G7各国の閣僚による視察も行われ高い関心が寄せられたほか、一般客も来場し、最新のテクノロジーを楽しむ様子が見られました。

海外閣僚による視察

目次

人やモノが空間を超える社会の実現へ。3Dホログラムなど最先端のデジタル技術をソフトバンクブースで体験

ソフトバンクブースでは、通信と先端技術を掛け合わせ新たな価値を創出するソリューションが展示されていました。

災害復旧など危険な現場で活躍する建機遠隔操縦

操作レバーの付いた椅子とモニターが設置され、一見ゲームのように見えるこの設備は、離れた作業現場にあるショベルカーやブルドーザーといった建機の遠隔操縦を体験できるというもの。

高速・低遅延の5G通信によって現場の建機をリアルタイムに操作でき、モニターで現場の操縦席からの視点や周囲の映像を確認しながら操作レバーを動かすと、その振動や傾きがブース内の操縦席にも伝わり、実際に現場で操作しているような手応えをリアルに感じられます。株式会社カナモトとソフトバンクの共同開発によるこの遠隔操縦システムは、猛暑、低温下など屋外での厳しい労働環境の改善や、自然災害時の復旧作業といった危険な現場での活用が期待されています。

超広帯域無線通信(UWB)を活用して屋内の人やモノの動きを高精度に測位

屋外では衛星測位が一般的ですが、屋内では衛星測位が難しいため別の測位技術が必要です。

その屋内での測位技術として展示されていたのが、UWB(Ultra Wide Band、超広帯域無線通信)を活用した屋内高精度測位です。テーブルに並ぶ何かの部品のようなこの装置は、屋内の人やモノなどの高精度な測位を行うためのタグとアンカーと呼ばれる受信機です。電波干渉や反射した電波による影響が少ないUWBという電波を使って、屋内の人や設備などに取り付けられたタグから、柱や壁などに数十m間隔で設置したアンカーに電波を発射。アンカーが電波を受信した僅かな時間差から、自社で開発した測位システムで演算を行うことで高精度な位置を割り出すことができ、その誤差はなんとわずか最小10cm程度とのこと。

この技術によって、工場内の人や運搬車などの位置を可視化できるため、作業の工程や物流を把握し、位置情報の滞留を分析することで、工程やレイアウトなどの効率化に役立つほか、倉庫などで利用される運搬用の自動走行ロボットへの活用など、物流の課題解決や安全管理、生産性向上へつながる技術として注目されています。

展示やディスプレーの常識を変えるARソリューション

高度20kmの成層圏から地上に向けて通信サービスを提供する空飛ぶ通信基地局「HAPS」の模型や設備が展示されたこのスペースでは、AR(拡張現実)を使った新たな展示体験のデモが行われていました。

タブレットをHAPSの無人航空機「Sunglider(サングライダー)」の模型にかざすと、画面には実物大の機体の3D模型や、地球の周りを飛ぶHAPS軌道のアニメーション、説明動画といったデジタルコンテンツがARで表示されます。

展示物を増やすことなく模型や説明動画などで楽しみながら分かりやすい展示を行うことが可能なこのAR技術は、博物館の展示や商業施設の案内などの用途で関心が寄せられています。

まるで本人が目の前にいるような立体感。等身大の立体映像を体感できる3Dホログラムディスプレイ「Proto EPIC」

映画などで未来の象徴的な技術として登場するホログラムですが、いよいよ現実の世界でも登場し始めています。ホワイトバックの前に立ち、4Kカメラで撮影すると、映像データが高速処理され、横にあるBOXの中の透明スクリーンにリアルな等身大ホログラムが出現。スピーカーを通して会話もできました。

まるで箱の中に実際の人間がいるような存在感ですが、厳密には4Kで撮影した精細な2Dの映像に影を重ねて投影することで立体感を加えたもので、これまで機材や設備など手間のかかっていた立体映像を手軽に撮影・ホログラム投影できる技術として注目されています。欧米では、すでに遠隔地にいるスピーカーを投影してイベントや講演会を行うなど活用が進んでおり、今後日本でも活用が見込まれます。

今回展示に使われたホログラムデバイスのProto EPICは、米国のProto, Inc. が開発したもので、Proto, Inc. は、ホロポーテーションを実現する人物を組み込めるホログラムデバイスとプラットフォームについて特許を取得しています。

  • ホロポーテーション: ホログラムとテレポーテーション(転送)を合わせた造語

位置情報の新たな規格「空間ID」を使ったロボット用地図

ロボット系の展示ブースが集まる一角にも、ソフトバンクのブースを発見。ここでは、ソフトバンク竹芝本社で実施された空間IDを活用したロボット配送の実証の様子が展示されていました。

空間IDとは、地上から上空に至るまで地球上の空間を「ボクセル」と言われる同じ大きさの立方体で分割し、それぞれに識別子(ID)を割り当てることで、人や自走ロボットなどが3次元空間の任意の位置を識別・特定できるようにするための規格のことです。

ソフトバンクは、ダイナミックマッププラットフォーム株式会社などがデジタル庁から受託した「デジタルツイン構築に関する調査研究」の一環で、2023年2月にロボットの配送地点や建物内の情報などの空間情報を空間IDにひも付けて、自律走行ロボット用の地図データを作成。さらに株式会社ビーブリッジが提供するARナビゲーションアプリに共有して、ARマップとして表示する実験を実施しました。空間IDを使って屋外・屋内の隔たりなく位置情報を共通化し、ロボットやアプリ間で共有することで、今後普及していく配送・運搬ロボットの移動をスムーズに行うために必要な地図の作成などの効率化が見込まれています。

関連リリース

空間IDを活用した、配送ロボットとARナビゲーションのデータ共有に関する実証実験を実施(2023年4月25日 ソフトバンク株式会社)

閣僚もソフトバンクブースを訪問

ソフトバンクブースには、河野太郎 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣、松本剛明総務大臣をはじめ、G7の会合に参加した国内外の閣僚も来訪しました。ブースでは、3Dホログラムや建機の遠隔操縦などを体験し、説明員の話に熱心に耳を傾けていました。

河野太郎 デジタル大臣内閣府特命担当大臣

松本剛明 総務大臣

西村康稔 経済産業大臣

(掲載日:2023年5月16日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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