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全セグメントで増収、通期業績予想の達成へ好スタート。生成AI領域の取り組みを加速 ーソフトバンク株式会社 2024年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

2023年8月4日、ソフトバンク株式会社の2024年3月期 第1四半期決算説明会が開催され、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一が連結業績と生成AIの取り組みなどについて説明しました。

なお、中期経営計画の開始に伴い、今期よりセグメントの名称を変更しました。セグメント区分等に変更はありません。

セグメントの名称変更

目次

通期業績予想に対して計画通りに進捗

2024年3月期 第1四半期の売上⾼は、前年同期比5%増の1兆4,297億円で、全セグメントで増収。営業利益は前年同期比2%増の2,463億円となりました。

通期業績予想に対して計画通りに進捗 通期業績予想に対して計画通りに進捗

また、純利益は前年同期比で15%増の1,467億円となりました。2023年度の通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高24%、営業利益32%、純利益35%と、計画通り進捗していると説明した他、2025年度を最終年度とする中期経営計画の達成に向けて、順調に進捗していると述べました。

通期業績予想に対して計画通りに進捗 通期業績予想に対して計画通りに進捗

各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は実力値では大幅に改善

コンシューマ事業は、売上高が前年同期比0.2%増収、営業利益4%減益となり、「料金値下げの影響による長いトンネルの出口が見えてきた」として、通期増益に向けて順調に進捗しているとコメント。コンシューマ事業の通期営業利益の予想に対する第1四半期の進捗率は31%となった他、スマートフォンおよび主要回線の純増数は昨年に引き続き好調で、スマートフォンの累計契約数は前年同期末比6%増と説明しました。

各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は大幅に改善

エンタープライズ事業は、売上高が前年同期比で4%増収、営業利益は8%増益となりました。要因はソリューション等の売上が17%増となるなど引き続き順調であったことによるものです。同売上における継続収入は18%増加と好調に推移し「今後は生成AIのソリューションも貢献してくる」と期待を述べました。

各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は大幅に改善

メディア・EC事業は、売上高が前年同期比2%増、営業利益は一過性の事業譲渡益を計上したこともあり前年同期比31%増であったと説明しました。

各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は大幅に改善

ファイナンス事業は、PayPay株式会社の子会社化による影響などで、売上が前年同期比で約2.8倍の増収。営業利益は減益となりましたが、2023年3月期の期初からPayPay株式会社を子会社化していたと仮定した場合、2023年3月期 第1四半期の営業損失52億円から大幅に改善したと述べました。

各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は大幅に改善 各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は大幅に改善

PayPay株式会社の連結売上高は480億円で前年同期比41%の増収、連結EBITDAは17億円となり、単独四半期で連結EBITDAの初の黒字化を達成したとコメントしました。

各セグメント順調に推移。ファイナンス事業は大幅に改善

決済代行サービスを展開するSBペイメントサービス株式会社は、第1四半期の決済取扱高(GMV)は1.9兆円と前年同期比21%増で、特にグループ外の決済を含む非通信の領域がけん引し、同領域は前年同期比で29%増加と着実に成長を続け、営業利益は前年同期比で15%増となりました。

資産運⽤サービスを提供するPayPay証券株式会社は、PayPayポイント運用サービスの累計運用者数が1,100万人を突破し、他のポイント運用サービス取扱業者と比較しても、業界で最大規模かつ最速で急成長していると述べました。

ESG指数の「DJSI World」の構成銘柄に初選定

業績の報告に続いて宮川は、「DJSI World(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」の構成銘柄に初選定されたことを紹介。DJSIは、企業を経済・環境・社会の三つの側面から分析し、持続可能性に優れた企業が構成銘柄として選定されるもので、通信業界では国内で唯一選定され「大変名誉なことだと思っている」と述べました。

ESG指数の「DJSI World」の構成銘柄に初選定

ESG指数の「DJSI World」の構成銘柄に初選定

生成AIに係る取り組みを加速

宮川は成長分野への投資として「今後生成AIは桁違いに重要になるテクノロジー」だとし、日本語のデータセットで生成AIを開発することによって、日本の商習慣や文化に合ったビジネス展開が可能になるとその意義を強調。

生成AIソリューションの開発に注力

国産の生成AIの開発に、ソフトバンクが持つ国内最大規模の計算基盤、豊富な技術者、圧倒的な顧客接点の3つの優位性を生かしていくと力を込めました。

生成AIソリューションの開発に注力

また、生成AI領域のトップランナーである日本マイクロソフト株式会社との戦略的提携に触れ、生成AIをビジネスに活用したい企業や自治体に対してセキュアなデータ利用環境を提供していくことを表明。

生成AIソリューションの開発に注力

さらに、ソフトバンクとしては、自社開発のみならず複数の生成AIを活用し、最適なものを選択して提供する「マルチ生成AI体制」で生成AIに取り組む方針を示し、「日本の企業の生産性を高めることに、全力を挙げて、全社挙げて取り組んでいきたい」と意欲を示しました。

2024年3月期 第1四半期 決算説明会

(掲載日:2023年8月3日、最終更新日:2023年8月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部