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「SoftBank World 2023」の裏側で見えた、AI活用やサステナビリティを意識した新たなイベントのかたち

AIやSDGsを取り入れた未来のイベントのかたち。「SoftBank World 2023」の裏側で見えた新たな取り組み

4年ぶりの会場開催となり大盛況に終わった、ソフトバンク最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2023」。会場だけでなくオンラインでも実施され、多くの人が参加しました。そんなイベントの裏側では、受付まわりや会場設備などにAIを活用したり、サステナビリティを意識したりなど、これまでにない新しい取り組みにチャレンジしたそうです。過去のイベントから変わったポイントを探るべく、イベント会場に行ってきました。

人の手ではなく画像生成AIが作り出すキービジュアル

ポイント① 人の手ではなく画像生成AIが作り出すキービジュアル

イベントのイメージを伝えるのに欠かせない「キービジュアル」。今回初めて画像生成AIを使い制作されたものが採用されました。キービジュアルのイメージは、ソフトバンクの創業者・孫正義が初めて集積回路の写真を見たときに、感動のあまり「未来都市に見えた」というエピソードをもとに、集積回路の画像がベースになっています。ベースとなる画像に加えて、今回のイベントのキャッチコピーにある「テクノロジーの新潮流」から連想されるイメージをChatGPTに聞きながらコンセプトを設計、プロンプト内容をチューニングしながら何度も繰り返して画像を生成したそうです。

画像生成AIで生み出された、今年のキービジュアル

画像生成AIで生み出された、今年のキービジュアル

AIで人を追尾する「スマートAIカメラ」

ポイント② AIで人を追尾する「スマートAIカメラ」

今回試験的に導入したという「AIスマートカメラ」は、メインステージとなる特別講演会内スクリーンへの投影とオンライン配信で登壇者を撮影するために設置。追尾したい人物をAIスマートカメラが読み込んだ画像から選択をすることで、その人物の動きに合わせてカメラも一緒に動き撮影ができ、操作パネルから人物の寄りや引き画像も切り替えることができるとのこと。今回はトライアルとして、有人カメラと組み合わせてAIスマートカメラで撮影した映像がライブ配信で使われましたが、今後はSoftBank World以外でも、さまざまなイベントで活用していきたいと期待されています。

司会進行を務めた合成音声によるバーチャル司会

ポイント③ 司会進行を務めた合成音声によるバーチャル司会

イベントには必ず、会をスムーズに進行するための司会者がいますよね。今年のSoftBank Worldは音声合成によるバーチャル司会者「はじめ」と「えりこ」が登場し、講演開始前と開始後のアナウンスを行いました。人間が話しているかと思うくらいに自然な音声合成による司会は、LINEヤフー株式会社の合成音声システムを使い、300~400ものパターンのセリフを作成されたそうです。今後は、そこにAIを活用することで、AIが台本の作成から合成音声を作り出すことができるようになると期待されています。

ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み

ポイント④ ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み

イベント運営・設営において今回注力したというのが、「テクノロジー実装」と「サステナビリティ」。イベント会場のいたるところでサステナブルな取り組みが行われていました。

まずは、会場入り口の受付エリア。ここでは、来場者に配られる入場パスにサステナブルな取り組みがいくつか見られました。環境に配慮して作られた入場パスは、台紙はESGに配慮した紙、ネックストラップ部分は再生プラスチックで作られており、イベント後はこの入場パスを捨てずに分別して再利用されます。

ポイント④ ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み

来場者は事前登録をしてQRコードを発行すると受付が完了するのですが、ここにも一工夫が。スマホのカメラにQRコードを読み込ませると、すぐに隣にあるプリンタからQRコードがシールの状態でプリントされます。このシールには台紙がないためそのまま入場パスに貼り付けられ、ゴミの排出削減につながっています。このプリンタを導入したことで、来場者自身で受付をすることが可能になり、運営スタッフの削減につながったほか、わずか5秒ほどで受付が完了するため、スムーズな入場と待機列の解消にもつながったと言います。

ポイント④ ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み
ポイント④ ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み

その他にも、従来は会場マップやタイムスケジュールを紙で配布し、誘導案内を紙のパネルで掲出していたものが、SoftBank Worldのマイページでスマホから全てを確認することができたり、デジタルサイネージやモニターを使用して会場案内することでペーパーレス化にも取り組んでいました。

ポイント④ ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み
ポイント④ ゴミの排出を最小限に抑えるサステナブルな取り組み

さらに、今年のSoftBank Worldからイベント開催により発生したCO2排出量を計算できるようになったと言います。ソフトバンクが取り組む「ネットゼロ」の達成に向け、来年以降のSoftBank Worldでは排出したCO2の量に対してカーボンオフセットできる取り組みも視野に入れていくそうです。今年のイベントでは、来場者からのアンケート回答数に応じて日本国内で植樹を行うという取り組みが発表され、植樹は鳥取県日南町で後日行われる予定とのこと。

AIの活用やサステナビリティを取り入れた、これまでにない新しいかたちで行われたSoftBank World 2023。今後のさらなるデジタル技術の進化によって、完全デジタル化されたイベント開催の実現もそう遠くはないかもしれないですね。

SoftBank World 2023 開催レポート

(掲載日:2023年10月26日)
文:ソフトバンクニュース編集部

SoftBank World 2023 公式サイト

SoftBank World 2023 公式サイト

SoftBank World 2023の講演は、一部を除き、公式サイトからオンデマンド視聴可能です(2023年11月10日まで)。

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