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地域創生、小売・飲食業界、スポーツ業界、サステナビリティ経営。テクノロジーの力でさまざまな課題にどう取り組むか。SoftBank World 2023 講演レポート②

地域創生、小売・飲食業界、スポーツ業界、サステナビリティ経営。テクノロジーの力でさまざまな課題にどう取り組むか。SoftBank World 2023 講演レポート②

10月3日(火)~6日(金)に開催された「SoftBank World 2023」。会場開催とオンライン開催のハイブリッド形式で行われたこのイベントでは、100を超えるさまざまな講演が行われました。一部の講演をご紹介します。

基調講演「データ活用が日本復活の鍵。生成AIとの連携で効果を最大に」

会場開催2日目の基調講演では、ソフトバンク株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 COO の今井康之が登壇。超高齢化による人口減少や労働力不足など、日本経済が低迷している現在、企業のデータ活用により復活のチャンスを模索するというテーマで講演しました。

2023年の旅行消費額は5.9兆円と、2019年に比べてV字回復、また製造業の設備投資額が2010年以降最大といった事例を挙げ、「社会課題は多く残るが、日本復活の明るい兆しも見えている」と指摘。その鍵はデータ活用であるとし、今年台頭した生成AIとの連携により最大の効果が得られると説明します。

基調講演「データ活用が日本復活の鍵。生成AIとの連携で効果を最大に」

一方、生成AIの課題も出てくる中、「皆さん、こんなものかと思って、生成AIを使うのをやめていませんか?」と問いかけました。「今回の講演を通じてさまざまなユースケースを持ち帰ってもらいたい」と、ソフトバンク社内や取引先、海外の事例を紹介。業務改革のほか、サービスや顧客体験への活用など、未来の姿を示しながら、「生成AIを使うか使わないか、今が選択のときです。自社データと生成AIを活用し、競争力を強化していくことを、ぜひ一緒に取り組んでいきたい」と語りました。

続いて、積極的なデータ活用を行っている企業として全日本空輸株式会社、住友生命保険相互会社、本田技研工業株式会社から、最前線のデータ活用事例に関する講演が行われました。

ビジネスブログ 「Future Stride」

詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。

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スペシャルセッション「地域創生」~100年に一度の変革期。産官学連携で挑む長崎の未来

2022年には西九州新幹線が開業するなど、街が変わりつつある長崎県。一方、多数の離島がある、人口流出が多いなど、さまざまな社会課題を抱えています。長崎県知事の大石賢吾氏と長崎市長の鈴木史朗氏は、「この時期を100年に1度の変革期とし、社会課題を解決しつつ魅力ある街づくりを進めていくためには産官学が連携して進めていくことが必要」と述べました。

スペシャルセッション「地域創生」~100年に1度の変革期。産官学連携で挑む長崎の未来

また、株式会社ジャパネットホールディングス 代表取締役社長 兼 CEOの髙田旭人氏は、2024年秋ごろの開業に向けて進行中の長崎スタジアムシティについて紹介。「長崎の課題解決に関するさまざまなアイデアが盛り込まれたプロジェクトを成功させることで、企業による日本の地域活性化に弾みをつけたい」と熱い思いを語りました。

国立大学法人 長崎大学 学長の永安武氏は、2024年に開設予定の修士大学院が長崎スタジアムシティのオフィス棟に入居することに言及。「遠隔医療や医療MaaSをはじめとした実証を進めるに当たり、学問の面からも魅力的なフィールドになる」と期待を寄せました。

ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一は、髙田氏の思いに賛同しプロジェクトに参画した経緯を振り返り、「通信会社として他では体感できないインフラを作ることでエンターテインメントやスポーツが変わることにより、九州全体を盛り上げていけるのでは」と意気込みを語りました。

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スペシャルセッション「小売・飲食業界のDX戦略」~体験とデジタルの融合による顧客体験の追求

小売・飲食業界の代表的企業として登壇した株式会社カインズ 執行役員/CDO/CIO/デジタル戦略本部長/イノベーション推進本部長の池照直樹氏、株式会社スノーピーク 取締役 専務執行役員 DX戦略本部統括の村瀬亮氏、スターバックスコーヒージャパン株式会社 チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサーの濵野努氏は、各社で進めているDX化事例を紹介。

スペシャルセッション「小売・飲食業界のDX戦略」~体験とデジタルの融合による顧客体験の追求

池照氏は、テクノロジーが進化する中で何もしないのが一番問題だとし、IT小売業宣言を実施した経緯を説明。「巻き込み型で進めていくことで効率化やクオリティの高いアプリ開発を実現し、今後は次世代店舗構想を進めていく」としました。

村瀬氏は、新潟県三条市にある約15万坪の敷地と本社を紹介しながら、キャンプの聖地と呼ばれるこの場所でスタッフやユーザーとのリアルなつながりを作っていくために、デジタルでコミュニケーションを加速化していくと、その活用視点を語りました。

濵野氏は来店した顧客へ提供するスターバックス体験をデジタルで最大化する、と自社のデジタル化方針を紹介。機能にうるおいをプラスするという、スターバックスらしさのあるデジタルサービスの提供事例を共有しました。

ソフトバンク株式会社 専務執行役員の桜井勇人は、3社の取り組みを受け、小売・飲食業界におけるデジタル化のポイントは、スタッフの働きやすさや、お客さまへ提供する価値の追求にあるとまとめました。

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スペシャルセッション「サステナビリティ・ESG経営」~ソフトバンクのグループ企業が考えるサステナビリティ経営

ソフトバンクがグループで積極的に取り組むサステナビリティ経営。グループの中でも積極的に取り組んでいる企業の代表として、株式会社ZOZO ブランド営業本部、EC推進本部 執行役員のクリスティン・エドマン氏と、アスクル株式会社 コーポレート本部 コーポレートコミュニケーション統括部長の小和田有花氏が参加し、自社の具体的な取り組みを紹介。ソフトバンク株式会社 CSR本部 本部長の池田昌人と共に、社会の持続性と企業の成長の両立について対談を行いました。

スペシャルセッション「サステナビリティ・ESG経営」~ソフトバンクグループ企業が考えるサステナビリティ経営

事業所向け・個人向け小売業を展開するアスクルの小和田氏は、「共創」をキーワードにエシカルeコマースの実現に向けて取り組んでいる事例のうち、「1box for 2trees」と「資源循環プラットフォーム」について説明。コピー用紙やクリアフォルダーなど、アスクルの代表的な商品を軸にサステナビリティを実現している事例を紹介しました。

ファッション関連のサービスを多数提供しているZOZOのエドマン氏は、リユースやリサイクルをファッションアイテムの購入選択肢の1つとして展開している点や、返品や廃棄を減らすテクノロジーの開発や仕組み化、社内外での理解促進活動に力を入れている事例を挙げました。

池田は、ESGの取り組みを本格化してからDow Jones Sustainability Indices(DJSI)に選定されるに至った3年間のポイントを振り返り、「サステナブルな視点で事業を見直すことで大きなビジネスチャンスがあるのではないか」と総括しました。

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スペシャルセッション「スポーツテック」~テクノロジーで変わるスポーツの未来

スポーツ業界の課題やデジタル活用の展望について、業界を代表するキーパーソンとして、公益財団法人日本バスケットボール協会 会長の三屋裕子氏と一般社団法人日本女子プロゴルフ協会 会長の小林浩美氏が、ソフトバンク株式会社 法人マーケティング本部 本部長の上野邦彦と対談。各スポーツの普及や選手の育成など、「する」「観る」「支える」の観点から現状の共有と今後の展望についてディスカッションしました。

スペシャルセッション「スポーツテック」~テクノロジーで変わるスポーツの未来

プロスポーツを世界中でリアルタイムに観戦できるようになった現在、多くの人に見てもらうきっかけとしてSNSの果たす役割について言及。その他、競技データの蓄積やプロのプレーの共有機能などにより、トレーニングにおいて即時性や正確性が上がり、個人の力の向上や環境格差の解消など、テクノロジーによって新たなフェーズに入ってきていると指摘し、今後もスポーツ業界の振興のために引き続き挑戦していくとしました。

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SoftBank World 2023 開催レポート

(掲載日:2023年10月25日)
文:ソフトバンクニュース編集部

SoftBank World 2023 公式サイト

SoftBank World 2023 公式サイト

SoftBank World 2023の講演は、一部を除き、公式サイトからオンデマンド視聴可能です(2023年11月10日まで)。

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