最近、「経済圏」という言葉をよく聞くようになりましたよね。通信キャリアを中心に、複数のサービスで消費行動や経済活動を完結させる「経済圏」が、注目されています。しかし、経済圏が具体的にどのようなものかをしっかり説明できる人は少ないのではないでしょうか。この記事では、マネーコンサルタントの頼藤太希さんに、経済圏とは何か、利用するメリット、自分に合った経済圏の選び方についてうかがいました。
目次
教えてくれた人
株式会社Money&You代表取締役、マネーコンサルタント
頼藤太希(よりふじ・たいき)さん
中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。日テレ「カズレーザーと学ぶ。」などテレビ出演多数。『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)
最近よく耳にするようになった「〇〇経済圏」って?
近年、主に通信キャリアを中心に「〇〇経済圏」という言葉が頻繁に使われるようになりましたが、「経済圏」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。まずはその概要と主なサービスについて頼藤さんに解説していただきます。
頼藤さん 「消費や投資といった経済活動を特定の会社のサービスで完結させることによって、ポイント還元がより受けられるようにするシステムのことを『経済圏』と表現しています」
経済圏にはどのようなサービスがある?
頼藤さん 「経済圏の主なサービスとして、まずは日々の買い物です。ECサイトでの買い物や、コンビニやスーパーなどで買い物をするときのキャッシュレス決済など、それぞれの経済圏が提供しているサービスがあります。さらに、携帯電話やインターネットの通信費や電気代などの固定費の支払い、その他にも旅行などでポイント還元を受けられるケースもあります。ユーザーである消費者がポイント還元を受けられるような仕組みやサービスを展開しているのが、経済圏の最大の特徴です」
各社の経済圏のサービスはそれぞれ異なりますが、主なサービスとして下記が挙げられます。
- ショッピングサイト
- クレジットカード
- スマホ決済
- 携帯電話
- インターネット
- 電気・ガス
- 銀行・証券
- 旅行
- グルメ
- フリマサービス
- 電子書籍
- ふるさと納税
経済圏を活用するメリットは?
頼藤さんによると、経済圏を意識してサービスを利用することで得られる一番のメリットは、より多くのポイント還元を受けられることだと言います。
頼藤さん 「普段からよく使うサービスを一つの経済圏にまとめるメリットは、やはりポイント還元を多く受け取れることです。経済圏のサービスを多く活用することで、より還元率が高くなったり、消費行動が集中して貯めやすくなったりします。普段の買い物でより多くのポイントを貯めたいという人は、経済圏を意識した決済方法を選ぶと良いでしょう。例えば、ソフトバンクユーザーの人は、決済方法をPayPayにまとめて支払いするなど、経済圏をまとめるのがおススメです。
さまざまな支払いを一つの経済圏にまとめるのは少し手間がかかりますが、一度設定してしまえばその後は自然にポイントが貯まっていきます。還元率は急に変わることもあるので、おトクなタイミングで早く始めておくのがおススメです」
基本的に、経済圏のサービスを一つにまとめた方がおトクですが、スマホ決済の手段としてPayPayを持っておくのが良いと頼藤さんは言います。
頼藤さん 「PayPayはよくキャンペーンをやっていますが、友人と食事などに行ったときの支払いも簡単に行えます。すぐに残高を送ることができるので、例えば、誰かがまとめて払った後に、PayPayを使って割り勘分を相手にその場で支払うことができます。経済圏は集約した方が良いのはもちろんですが、使い勝手の良い機能がある場合などは別途持っておくのもおススメです」
PayPayのグループ支払いで残高を送る
PayPayを使えば、複数人数での会計でもグループ支払いを作成することで、スムーズに精算をすることができます。
支払いを請求したいメンバーのグループを作成して、請求金額を入力するとメンバーに通知が届き、メンバーは通知画面から支払いをすることができます。
自分に合った経済圏を見つけるコツは?
経済圏といってもいくつか種類があり、また企業ごとに特徴が異なっていたりするので、どのようにまとめていけばいいのか迷ってしまいますよね。自分に合った経済圏を見つけるコツについて、詳しく見ていきましょう。
① 普段よく使うポイントと相性が良いか
頼藤さん 「自分に合った経済圏という意味では、クレジットカード・電子マネー・スマホ決済・ポイントカードなど、普段使っているポイントとの相性が重要です。また、普段の買い物だけでなく、水道・光熱費や、銀行、証券などとの相性も考えてみましょう。複数のサービスを一つの経済圏にまとめるほどポイントを効率良く貯めることができますし、同じポイントを貯めることでポイントを使用するときにも使いやすくなります。
また、現在使っている携帯電話会社を起点に経済圏をまとめてみるのも良いでしょう。毎月の電気料金の支払いでポイント還元をしている通信キャリアもあります。格安モバイルを使っている場合は、自分が使いやすいポイントで考えてみましょう」
② 自分の生活圏で利用できる店舗がどのくらいあるか
頼藤さん 「自分の生活圏で利用できる店舗が多い方が、ポイントも使いやすいですよね。例えば、ECサイトではおトクに買い物ができてポイントがたまっても、住んでいる地域や勤務先などの生活圏でそのポイントを使える店舗がないと、あまり効率的とは言えません。普段からよく利用している店舗で、どんなポイントが使えるのかを一度整理してみると良いでしょう。また、経済圏を提供している企業の中でも、例えば、ガソリンを入れるときに指定のクレジットカードを使うとポイント還元率が上がったり、旅行サービスを指定のクレジットカードで申し込むとポイント還元率が上がったりと、特徴が異なる場合もあります。自分のライフスタイルと合っているか、また利用頻度が高いものを選ぶのが良いですね」
③ 還元率の高さやおトクなキャンペーンを実施しているか
頼藤さん 「キャッシュレス決済の大半は、ポイント還元率が0.5~1%というのが基本です。ただし、キャンペーン期間になるとポイント還元率が高くなったり、割引が適用されたり、おトクなクーポンが配信されたりすることもあります。さまざまなキャンペーンを行っている経済圏やキャッシュレス決済を選ぶのもポイントです」
さらに知っておきたい! 経済圏上級者が知っておきたいおトクなテク
ここまで経済圏の初心者向けの基礎知識を紹介してきましたが、それなりに経済圏を活用している人にとっては上級者向けのテクも知りたいところ。頼藤さんに経済圏を使いこなすポイントを3つ挙げてもらいました。
- 通信費、電気代などの固定費は同じ経済圏にする
- 消費はできる限り同じ決済方法でまとめていく
- 買い物ではポイントの二重取り、三重取りを習慣化する
頼藤さん 「固定費は年間を通して見るとまとまった金額になるので、一つの経済圏で支払ってポイントを貯めるのがおトクです。また、スマホ決済やクレジットカード払いなど、支払いはなるべく同じ決済方法ににするとポイントも貯まりやすくなります。
さらに、意識しておきたいのがポイントの二重取りや三重取り。具体的な例としてはこのようなものが挙げられます。
- 電子マネーやスマホ決済の支払い方法にクレジットカードを指定
→『スマホ決済のポイント + クレジットカードのポイント』を二重取り。
- クレジットカードでの支払い時にポイントカードを提示
→『クレジットカードのポイント + ポイントカードのポイント』を二重取り。
- 電子マネーやスマホ決済の支払い方法にクレジットカードを指定し、さらにポイントカードを提示
→『スマホ決済のポイント + クレジットカードのポイント + ポイントカードのポイント』を三重取り。
これらを習慣化することで、ポイントが貯まるのが早くなりますよ」
PayPayでおトクにポイントを貯めるには?
ソフトバンクユーザーであれば、PayPay経済圏にまとめるとより多くのPayPayポイントを貯めることができるので、決済方法はできるだけPayPayにまとめておくのがおススメです。それ以外でPayPayポイントをさらに貯めるには、どのようなことを意識したら良いのでしょうか。おトクな貯め方について、頼藤さんに聞いてみました。
頼藤さん 「PayPayポイントのおトクな貯め方としてはこのあたりが挙げられます。
- PayPayステップの条件を達成する
- PayPayカード ゴールドでの支払い(年会費税込 11,000円)
- Yahoo!ショッピングの活用
- キャンペーン活用
- ふるさと納税をPayPayで支払う
現在のPayPayステップの条件では、PayPayの支払いとPayPayカードの支払いにおいて、1回200円以上の決済が1カ月で30回と、支払い合計額が10万円を超えると翌月のポイント還元率が+0.5%となります。PayPayをよく使うヘビーユーザーの方向けとも言えます。また、PayPayカード ゴールドを持つとポイント還元率がさらにアップするので加入するのがおススメです。ただし、年会費(税込11,000円)がかかります。
ECサイトで買い物をするときはYahoo!ショッピングを選ぶと、PayPayポイントが貯まりやすくなります。ポイント付与率が高い日を狙って買い物をするのも良いでしょう。また、PayPayやYahoo!ショッピングではふるさと納税ができるので、ポイント付与率が高いタイミングで活用するのもおススメです。
PayPay経済圏の基本データと主なサービスによるポイント還元率をまとめてみましたので、こちらも参考にしてみてください」
【PayPay経済圏の基本データ】
- 登録ユーザー数:6,000万人を突破
- PayPayが使える場所:国内のPayPay加盟店410万カ所
- PayPayカードが使える場所:国内外のVisa/Mastercard/JCBの加盟約1,000万カ所以上
- 付与率:PayPayでの支払いが基本付与率0.5%、PayPayクレジットやPayPayカード/PayPayカード ゴールドの利用で+0.5%、PayPay(クレジット/残高)またはPayPayカード/PayPayカード ゴールドでの支払いが1回200円以上を月30回&計10万円以上で翌月+0.5%、PayPayカード ゴールドでの支払いで+0.5%(詳細はこちら)。※1
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2023年10月時点
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Yahoo!ショッピング(ふるさと納税除く)・LOHACOでのご利用は1%の付与となります。ヤフオク!「ストア」出品の商品購入の決済については、0.5%分の付与方法・付与タイミングが異なる場合があります。
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頼藤さんが独自に作成したPayPayポイント還元率表。
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ソフトバンクスマホ/ケータイの通信料、SoftBank 光・SoftBank Air、ソフトバンクのでんきにおける支払いは、ご利用料金1,000円(税抜)ごとに各付与率を乗算したポイントを付与します。
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SoftBank 光・SoftBank Air、ソフトバンクのでんきは、スマホとの合算請求時のご利用料金が対象です。
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SoftBank 光/Airのみをご利用のお客さまは1.5%となり、PayPayポイントでの付与となります。PayPayポイントはご利用料金200円(税込)ごとに付与。
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ソフトバンクでんきのみをご利用のお客さまは1.5%となり、PayPayポイントでの付与となります。3%のうち1.5%はPayPayポイントでの付与となります。PayPayポイントはご利用料金200円(税込)ごとに付与。
PayPay経済圏の主なサービス
ショッピングサイト Yahoo!ショッピング
LOHACOクレジットカード PayPayカード、PayPayカード ゴールド スマホ決済 PayPay 携帯電話 SoftBank
Y!mobileネット回線 SoftBank光
SoftBank Airインフラ おうちでんき
ソフトバンクガス銀行 PayPay銀行 証券 PayPay証券 旅行 Yahoo!トラベル 飲食店ネット予約 PayPayグルメ フリマ PayPayフリマ 電子書籍 ebookjapan ふるさと納税 さとふる
ふるなび
ふるさとチョイス頼藤さん 「PayPay経済圏の特長は、ソフトバンクで契約している携帯電話の通信費(端末代、オプション料金、家族の通信料などを除く)に加えて、『ソフトバンク光』や『SoftBank Air』のインターネットや、電力サービス『ソフトバンクでんき』に申し込み、ソフトバンクで契約しているスマホと合算請求を設定した場合、毎月の料金の支払いで定期的にポイント還元が期待できるところです。また、通常の買い物でもPayPayポイントが貯まるので、生活に根ざした経済圏であると言えます。さらに、PayPayでは貯まったポイントの運用・投資も可能です。
先日、ソフトバンクの新料金プランでPayPayを使えば使うほどポイントが貯まる『ペイトク』も発表になりましたよね。こういったプランもうまく活用しながら賢くポイントを増やしていけると良いですね」
新料金プラン「ペイトク」でもっとおトクに
2023年10月3日から開始したソフトバンクの新料金プラン「ペイトク無制限(基本料 9,625円/月)」では、PayPay(残高/クレジット)で決済すると、買い物のたびに最大+5%のPayPayポイントが付与され、1カ月で最大4,000円相当のPayPayポイントが貯まります。さらに期間限定で、PayPay付与率が3倍の+15%になるキャンペーンも実施中です(最短2月20日(火)までの決済が対象※1)。
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本特典の適用には、PayPayアプリとのアカウント連携が必要です。
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通信料・医療機関・調剤薬局等の対象外サービスはこちら。
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【付与期間】請求締日 末日:2024年2月29日の決済まで。請求締日 10日:2024年3月10日の決済まで。請求締日 20日:2024年2月20日の決済まで。請求締日はMy SoftBank等で確認できます。
経済圏を意識してポイントをどんどん貯めていこう
普段の買い物や支払いでポイントを貯めている人も多いかと思います。ポイントを貯めるときは経済圏を意識して決済方法や支払い方法を選ぶと、ポイントを効率的に増やすことができ、さらにポイントを有効活用できます。携帯電話の通信キャリアや固定費など、普段よく使うお店などを整理し、自分に合った経済圏に集約していきましょう。
(掲載日:2023年10月31日、更新日:2024年7月4日)
文:川添祥子
編集:エクスライト - ※
ソフトバンクユーザーは魔法のようにPayPayポイントが貯まる!
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PayPayポイントは出金・譲渡不可。PayPay公式ストアでも利用可能です。
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PayPayポイントを受け取るには、PayPayアプリケーション内でのアカウント連携が必要です。