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通期業績予想を上方修正。中長期的な成長に向けた取り組みを強化 ーソフトバンク株式会社 2024年3月期 第3四半期 決算説明会レポート

2月7日、ソフトバンク株式会社の2024年3月期 第3四半期 決算説明会が開催されました。代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一は2023年度の通期業績予想の上方修正を発表。次世代社会インフラの構築や、ソフトバンクが掲げる「Beyond Japan」など、中長期的な成長に向けた取り組みを説明しました。

冒頭、1月1日に発生した令和6年能登半島地震で被災された皆さまにお見舞いを述べた宮川は、現在の通信ネットワークの復旧状況について説明しました。今回の地震の影響で、多くの基地局が被害を受けたものの、現在作業員が立ち入りできない侵入困難箇所を除く全てのエリアで応急復旧が完了。電力などのインフラが復旧次第、電力会社および光回線提供会社と連携し、一日も早い本復旧に努めると説明しました。また通信ネットワークの他に、グループ企業を含むさまざまな支援活動についても述べました。

復旧エリアマップ(4G LTE)

通期業績予想を上方修正し、順調に進捗

2024年3月期 第3四半期連結累計期間の売上高は、4兆5,116億円で前年同期比4%増と、4事業において増収。営業利益は7,319億円で、全セグメントとも年間計画通り順調に進捗。親会社の所有者に帰属する純利益は4,067億円となりました。また、2023年5月に発表した2024年3月期 通期業績予想について「売上高、営業利益、純利益を上方修正する」と述べました。

売上高 セグメント別

2023年度 第3四半期 連結業績

通期業績予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高75%、営業利益94%、純利益97%と、順調であると報告しました。

2023年度 通期業績予想

各セグメント順調に推移。通信料の値下げに対する影響から反転し増収へ

コンシューマ事業は、前年同期比で減収減益でしたが、第3四半期にモバイル売上高が増収に転じ、同売上高について「1年前倒しで、通期での増収を見込んでいる」と述べました。

モバイル売上高

加えて、スマートフォンおよび主要回線の純増数は昨年に引き続き好調で、スマートフォン累計契約数は前年同期比5%増であると説明。

エンタープライズ事業の売上高は前年同期比で5%増収、営業利益は15%増益。ソリューション等の売上高は15%増収で引き続き順調。同売上のうち7割超を占める継続収入は前年同期比18%増収と好調に推移し、エンタープライズ事業の継続的な成長が見込まれていることを報告しました。

エンタープライズ事業 売上高

メディア・EC事業は、売上高が前年同期比3%増、営業利益はコスト最適化やメディア事業の業績回復などが貢献し、前年同期比29%増であったと説明しました。

ファイナンス事業は、PayPay株式会社の子会社化による影響などで、売上高が前年同期比95%増収。2023年3月期の期初からPayPay株式会社を子会社化していたと仮定した場合、2023年3月期 第3四半期累計の営業損失118億円から35億と大幅に改善。PayPay株式会社の2024年3月期 第3四半期累計の連結売上高は1,552億円、連結EBITDAは74億円となり、3四半期連続で連結EBITDA黒字を達成しました。

ファイナンス事業 売上高

「PayPay」アプリと連携した資産運⽤サービスを提供するPayPay証券株式会社は、ポイント運用サービスの累計運用者数が前年比で66%増の1,360万人を超えたと報告しました。

PayPay証券 ポイント運用 累計運用者数

中長期的な成長にグローバルな視点で取り組む

続けて宮川は、次世代社会インフラ構築の進捗について、全国に分散したデータセンター間の通信トラフィックを省電力かつ効率的に運ぶ光電子結合ネットワーク(All optical network)のコア領域における展開を、2023年10月に完了したと説明。

次世代社会インフラを支えるネットワーク

日本語国産LLM(大規模言語モデル)の構築については、2024年度中にマルチモーダル対応の3,900億パラメーターの構築、将来的には計算基盤をさらに拡張して1兆パラメーターを目指すと説明しました。

宮川潤一

また、ソフトバンクが掲げる「Beyond Japan」については、2023年12月に発表したコネクテッドカー向けのグローバルIoTプラットフォームを提供するCubic Telecom Ltd.へ約750億円を出資して株式の51%を取得し子会社化を予定していることを報告。「次世代交通インフラのプラットフォーマーとして国外に展開する際に、世界共通であるプラットフォームを持つCubic Telecom Ltd.は重要なパーツになる」と考えを述べました。

グローバルの潮流

最後に、世界の代表的なESG指数である「DJSI World Index」の構成銘柄に2年連続で選定され、国内では最高のスコアを獲得。また、通信業界では国内で唯一の選定であったことを説明。その他、株式会社 日本経済新聞社主催の「第5回日経SDGs経営大賞」において、初の大賞を受賞したことを挙げ、今後もサステナビリティの取り組みを強化し、事業を通じて社会貢献していく姿勢を示しました。

2024年3月期 第3四半期 決算説明会

(掲載日:2024年2月6日、最終更新日:2024年2月8日)
文:ソフトバンクニュース編集部