最前線で働くソフトバンク社員に密着し、現場で活躍する姿を紹介する本シリーズ。ソフトバンクでは、社員を「資本」として捉え、社員の成長が組織の進化につながるという考えのもと、人材戦略を推進しています。第2回は、石川県の事業所で働く技術職の入社3年目社員の1日に密着。現在の担当業務や地域拠点で働く魅力、やりがいなどについてインタビューします。
ソフトバンク株式会社 テクノロジーユニット統括 エリア建設本部 北陸ネットワーク技術部 エリア技術課
奥野 拓矢(おくの・たくや)
2021年新卒入社。入社3年目。京都府出身。趣味はスノボ、キャンプ、釣り。
電波をつなぐための一連の流れを管理するポジションとして活躍
奥野 2021年に新卒で入社して北陸地方に配属され、現在はエリア建設本部 北陸ネットワーク技術部 エリア技術課に所属して、携帯電話などが通信するための電波を届ける基地局の建設に関連する業務を行っています。私はインテグレーションという工程を担当しており、基地局が電波を発射する前に必要となる、無線機やアンテナなどの設置が終わった後の無線機への設定作業を実施しています。この設定作業が終わって初めて、基地局は電波を発射します。この設定作業をインテグレーションといいます。今回は私の1日の業務を紹介しながら、地域で働く楽しさや魅力についてお話します。
ある1日のスケジュール
8:00 出社後、移動
奥野 普段は9時ごろに出社して仕事を始めています。この日は福井県で作業があったので、早めに出社して同期と一緒に福井県まで向かいました。
10:00 安全パトロール
奥野 安全パトロールとは、電波を発射するための工事をしっかりと安全に行えているか確認する作業のことです。この日のパトロールは、北陸新幹線の福井・敦賀間の延伸に合わせて、安定した通信を提供するための電波増強工事です。作業現場に適した安全対策が実施されているか、危険な行動がないか、第三者に危険を及ぼすことがないか、などを確認します。今回の現場では、フェンス外の高所作業のため、適切に墜落制止用の器具が使用されているか、滑落防止のために危険なエリアを意味するロープで作業エリアが明示されているか、使用器具の落下防止対策が実施されているかなどを確認しました。
11:00 電波測定
奥野 電波を発射している基地局の電波が、問題なく使えるかを測定します。
11:30 移動
奥野 車で移動する機会も多いので、運転にもすっかり慣れてきました。
13:30 お昼
奥野 今日は作業や移動があったので、少し遅めのお昼ご飯です。せっかく車で移動しているので、オフィスから少し離れた海鮮丼が有名な店で食べました。石川県は何を食べても本当においしいんです。オフィスの近くにあるコンビニで済ませてしまうときもありますが、部署の人たちと色んな店に行っています。
14:30 デスクワーク
奥野 安全パトロールや緊急時以外はオフィスでの作業が多いです。インテグレーションの予約から作業まで、私が担当している一連の作業はパソコン上で完結します。伝送不備や施工不良が起きると現地に行って対応することもあります。
16:00 オペレーション作業
奥野 この部屋では、基地局の状態の確認や、基地局に対して操作を行うオペレーション作業を行います。今日行った基地局とは別の場所でインテグレーションの予約をして電波発射した局が、問題なく電波発射できているかの最終確認をしています。今日は問題なく電波発射ができたのですが、問題があってうまく電波発射できていない場合もあり、簡単に原因を特定できるといいのですが、ごくまれに特定が困難なときは苦労します。
お客さまから実際に届く声がモチベーションに。インフラを支える事業者としての志
新卒から現在まで石川県でエンジニアとして従事されてきたのですか?
奥野 はい。初期配属の部署の技術推進課では、2年間保全業務として、電波発射した基地局のサービス提供を維持する業務を担当していました。その後、エリア技術課に異動し、基地局の建設業務をしています。それからは電波をつなぐための局データというものを投入するインテグレーションの予約をしたり、進捗(しんちょく)を管理しています。大きなイベント時には移動基地局の設営、災害が起きた際には災害対応も行います。
業務に取り組む上で、心がけていることや大事にしていることを教えてください。
奥野 大事にしていることは “お客さま目線” になるということです。一見、インテグレーションの業務には直接関係なさそうに感じるかもしれませんが、インフラ事業の使用者はお客さまです。影響が大きいところは早めに電波を発射する、障害が起きれば早めに直すよう心がけています。
印象に残っていることやうれしかったことはありますか?
奥野 今年度は、5Gの拡大に向けての取り組みに注力していました。昨年度は、総務省に提出する電波発射数を達成したスピードが、全国の拠点の中で2位でした。今年度はNo.1を取るために対策をして、早い段階で達成し、1位になることができました。電波発射を成功させなければいけないというインテグレーション担当の責任は大きく、プレッシャーもありましたが、達成することができてよかったです。
奥野 また、うれしかったことと言えば、この夏に行ったイベント対策での出来事です。例えば、花火大会やフェスの会場になるような場所は、普段人が多く集まる場所ではないため、大勢の方が訪れることで既存の基地局だけでは電波が弱くなってしまうんです。夏に行われたフェスでは移動無線車を設営して対策をしました。イベントの主催者から、「移動無線車を出してくれたのは通信会社の中でソフトバンクだけだった、ありがとう」と声をかけてもらったときはうれしかったですね。こうした現場の声を聞けるのも、地域で働く良さなのではないかと思います。
実際、地域配属になったときの気持ちはどうでしたか?
奥野 ぶっちゃけ「まじか…!」と思いました(笑) 総合職で全国に配属される可能性はあり、配属の希望はどこでも良いと面接で伝えていたので覚悟はしていたんですけど。でもそう思ったのは最初だけで、その気持ちよりも「どんなとこなんやろう」という好奇心の方が大きかったです。実際、先ほどのようにお客さまの声を聞けて現場を知れるというのはうれしく、達成感があるので、この配属でよかったと思います。
他にも、地域配属でしか経験できないと思うことや魅力はありますか?
奥野 石川の拠点はメンバーが少ないので、手を挙げれば挑戦できる環境です。他の業務の人とコミュニケーションしながら知識をつけられ、広い視野で仕事ができます。出社する人が多く、オフィスで同僚とコミュニケーションを取りながら働けるというのも楽しいですね。けっこう仕事もプライベートも充実していると思います。
業務外の時間は、どのように過ごされているんですか?
奥野 石川に来てからスノボを始めてどハマりしました! 私が住んでいる場所から、車で40分ほどでゲレンデまで行けるんです。最初は、同じ課とか隣の課の人たちと行って、滑り方を教えてもらっていました。福利厚生をうまく活用するとけっこうおトクに行けるんです。また、釣りも始めました。
石川の生活で魅力に思うことはなんでしょうか?
奥野 ご飯が何を食べてもおいしいところですね! こちらで初めてお刺身を食べたときは感動しました。ふらっと入った居酒屋でもクオリティが高く、ついお酒が進んでしまいます。お昼ご飯も、安全パトロールの後に外食をしたり、オフィスで働いているときもテイクアウトして食べたり、楽しんでいます。
最後に、キャリアにおける今後の目標を教えてください。
奥野 現在の本部でステップアップしていきたいです。ただ、働く場所に関しては九州や北海道など規模が大きい地域、そして行ったことがないところに行ってみたいですね。配属前の私は、「東京がよかったな」と思っていたのですが、地域もいいなと思えました。知見を広めるという意味でもこれからもさまざまな経験を積みたいです。
ありがとうございました!
「いち早く電波を使えるようにしたい」という思いで復旧に取り組む
前段のインタビューの後に令和6年能登半島地震が発生。そのときの様子や復旧活動について追加インタビューしました。
震災が起きた際、何をしていましたか?
奥野 1月1日は地元の京都にいました。その後すぐに石川に戻り、復旧対応に合流しました。石川にいた社員は1月1日は避難して安全の確保、2日から復旧対応を行っていました。2日以降は北陸エリアの社員だけでなく、全国の社員で復旧対応に取り組んでいます。
実際にどのような作業をしているのですか?
奥野 私は主に、現地で復旧作業を行う保全会社や施工会社の統制を行っています。復旧作業に向かう場所や、状況に応じた次の対応などを社内のシステムや電話などで伝えています。先日は、実際に現地に行って、可搬型衛星アンテナを設置しました。
現地に入るのは大変だったのではないでしょうか?
奥野 現在は道路啓開が進んでおり、一部の基地局を除いて入局することができていますが、地震が発災してしばらくの間は道路の地割れ、倒木、土砂崩れなどで基地局までたどり着けない場合が多くありました。日々、入局できるかを確認し、入局可能な場合は早急に応急復旧できるように努めていました。
ひたすら、「いち早く電波を使えるようにしたい」と思いながら作業にあたっています。電波がつながらなければ、何も情報が得られず、安否確認さえもできません。通信ネットワークの完全復旧に向けて引き続き取り組んでいきます。
(掲載日:2024年3月5日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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