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※ Duet AI for Google Workspaceは、現在、Gemini Enterpriseに名称変更されています。
こんにちは。クラウドエンジニアの須藤です。
この記事では、Google Workspace のプレゼンテーションツールである Google スライドで Duet AI を触ってみた結果や、新卒で IT 経験が浅い私なりの感想について紹介していきたいと思います。
「Duet AI ってどんな機能なんだろう?」、「Google スライド で Duet AI を使うと、どんなことができるか気になる!」という方に向けて書きましたので、ぜひ参考にしてみてください。
Duet AI とは「Duet AI for Google Workspace」が正式名称で、Google 社が提供している Google Workspaceにおいて、生成 AI を用いることができる機能のことです。この Duet AI はGoogle ドキュメントやGmail、Google スプレッドシートなどをサポートしており、今回私が使ってみた 「オリジナルの画像を作成してくれる」機能は、「Google スライド」で利用できます。
例えばその機能を使って「乾杯」というテキストを打ち込むと、以下のような画像を生成してくれます。
今回は、この機能の使い方や完成した画像、画像を生成するうえで感じたこと、注意点などをまとめていきます。
実際にGoogle スライドの Duet AI を使用して画像が生成されるまでの一連の流れをご紹介します。Google スライドを開いたら、以下の画面の赤枠のアイコンが確認できます。ここから画像を生成してくれる Duet AI の機能を利用できます。
この赤枠のアイコンをクリックすると、画面右側に「Help me visualize」という画像生成することを手伝ってくれる機能が出現します。赤枠の箇所に作成したい画像の条件を打ち込むと画像を生成してくれます。
ここで注意が必要なことがあります。この Duet AI の機能は2023年8月の検証時点では日本語対応はしておらず、US-English で入力することになります(日本語対応の時期は未定)。
生成できる画像の種類は複数あります。以下の画面のようにPhotography(写真)、Background(背景)、Watercolor(水彩画)などを選択して画像を生成することができます。自分が作成したいもののイメージにあわせて使い分ければよいと思います。
とてもシンプルな単語でも作成してくれます。実際に滝(A waterfall)の画像を作るように要求してみると、生成してくれる画像に要求する条件にもよりますが、およそ20秒ほどで生成してくれました。
画像が生成されるとこのような画面になりました。ここから自分で好きな画像を選びます。
自分が選んだ画像がスライド上に反映されます。このように Duet AI を使用すれば、とても簡単に画像を作成してスライド上で利用できます。
また、画像を生成した際に自分の要求にあった画像がなければ、赤枠の「View more」をクリックすると別の画像を生成してくれます。
ここからはいろいろな画像を作ってみたのでご紹介します。
まずは自然や景色に関する画像生成を Duet AI にお願いしてみました。
左:A row of cherry blossom trees(桜並木)、真ん中:A sunset over the sea(海に沈む夕日)、右:A Night view from airplane windows(飛行機から見た夜景)という条件のもと画像を生成してもらったところこのようになりました。
十分、要求にあった画像が生成されていると思いました。ほかにもさまざまな自然や風景の画像を生成してもらったのですが、どれも要求通りの画像が生成されました。
ただ、違和感があったり、気になる点はいくつかありました。例えば桜並木の画像でいうと道のところにしか桜の花びらがありません。さすがに不自然な感覚を覚えました(左から2列目、上から3番目)。
しかし、全体としては自然や風景に関する画像はクオリティが高いように思えました。
続いては、動物に関する画像生成を Duet AI にお願いしてみました。
条件としては、シンプルにすべて Animals (動物)と打ち込みましたが、画像の種類を変更しました。左:Vector art (ベクターアート)、真ん中:Background (背景)、右:Photography (写真) で画像生成しました。
画像の種類を変更すると、Duet AI はその要求にあった画像を生成してくれます。しかし単に「動物」という条件だけでは、いろんな動物が出てきてしまうので、用途にあったものを生成するには、もう少し細かい指定をしないといけないなと感じました。実際、私は生成された画像の動物が何だか分かりません(笑)。
A cat playing with a ball (ボールで遊ぶ猫)と条件を指定すると、このように思い通りの画像を生成することができました。
最後に仕事に関する画像生成を Duet AI にお願いしてみました。
左:Working at a office(オフィスで働く)、真ん中:Remote work(リモートワーク)、右:A person who has a tablet (タブレットを所有している人) という条件のもと画像を生成したところ、このようになりました。
私としては、「人がいる画像があまり生成されないな」と感じました。これらの画像を生成する前に人の情報がある条件を Duet AI に提示しましたが、「For now, we’re showing limited results for people. Try something else.」(現在、人に関しての結果は制限されております)という文字が出てきて生成してくれなかったり、生成してくれても画像の量が極端に少なかったりしました。
オフィスや自宅で人が働いている画像が私は欲しかったのですが、それは残念ながら、まだ Duet AI の画像生成では難しいかな?というような印象を受けました。
人がいる画像が生成されないということをお伝えしましたが、実は人間に関する条件を指定したときも生成されないことや生成されづらいことが分かりました。現段階の Duet AI の機能では人間に関する画像生成は制限されていることが分かります。またステレオタイプが反映されるような条件や差別用語として捉えられそうな条件を指定すると Duet AI は画像を生成しません。
個人的にはこれが一番 AI による画像生成で注意すべき点であると考えています。
現在、世の中には 「AI が生成した物による著作権侵害が成立するか」、「AI が生成した物に著作権は発生するか」などさまざまな問題点があります。それらの法的な整備も十分ではなく、まだまだ議論の余地がある段階であるといえます。
実際に、この Duet AI でも世界的に有名なアニメや漫画のキャラクターに似た画像が生成されることが多くありました。これらの画像を使用する際には注意が必要であると考えられます。また、人の画像に関しては肖像権による問題もあるので画像が生成されない、生成されづらいのだと個人的には思います。
今回は Google 社が提供しているGoogle Workspace において利用できる「Duet AI for Google Workspace」という生成 AI 機能を用いて、画像を作成してみた感想や注意点をご紹介しました。
短い時間で自分の要求にあった画像を生成してくれる利便性がある一方で、人物や実在するキャラクターに類似した画像生成による著作権や肖像権の問題があります。これらに該当してしまいそうな生成された画像の取り扱いに関しては注意が必要です。
この記事が「Duet AI の概要や具体的な仕様や機能を知りたい方」、「Google スライドで Duet AI を使うとどのような画像が生成できるか知りたい」という方々の参考になれば幸いです。
ほかにも Duet AI について検証してみた記事もあるので、一緒に確認してみてください。
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