Duet AI for Google Workspace とは?特長や導入方法を分かりやすく解説

2023年9月1日掲載

Duet AI for Google Workspace とは?特長や導入方法を分かりやすく解説

※ Duet AI for Google Workspaceは、現在、Gemini Enterpriseに名称変更されています。

「生成AIという言葉を聞かない日がない」「生成AIを使わない日はない」というくらい、生成AIはあっという間に日常に浸透してきました。

そんな中、遂にGoogleからも Duet AI for Google Workspace というGoogle Workspace ユーザ向けのアドオンサービスが発表されました。

今回は先行テスタープログラム(Google Workspace Labs)に参加し、実際にDuet AIを試す機会を得たので、皆様にその概要をご紹介します。

まずは概要編となりますが、今後はさまざまな機能について詳しくご紹介していく予定です。

  • 今回ご紹介する内容は先行テスタープログラム環境でのテスト結果に基づいています。したがって、情報は2023年9月1日時点のものであり、リリース時の仕様と異なる場合があることをご了承ください。本記事では、執筆時現在における先行テスタープログラム (Google Workspace Labs) で提供されている機能を中心にご紹介します。また、執筆時点では日本語は未対応のため英語環境で検証しています。

目次

1.Duet AI for Google Workspace とは?

Duet AI for Google Workspace とは、Google 社が提供する生成AIの追加機能です。本機能を追加すると、Google Workspace のGmail、ドキュメント、スライド、スプレッドシート、Meet などのすべてのアプリに生成AI機能が搭載され、使い方の支援が受けられます。

Duet AI for Google Workspace とは

2.Duet AI for Google Workspaceで何ができるのか?

2023年8月28日現在、以下の機能が利用可能です。機能名については日本語の正式名称が未発表のため原文ままでの記載としています。

#機能名適用対象どんなことができるのか?

1

Help me write in Google Docs

Googleドキュメント

  • ゼロから新しい文章の作成。たとえば、Google ドキュメントにお礼状やユーザー向けマニュアルの下書きを依頼できます。

  • 既存の文章を書き換え。良い言い回しが思いつかない時などに表現の言い換え案や、よりフォーマルにしたり、より簡潔にしたり、より詳細にしたりといった体裁を適切な表現に修正することが可能です。

2

Help me write in Gmail

Gmail

  • 新しいメールの下書き作成、ユーザーが作成した文章の書き換え。

  • 過去のやり取りから返信文を自動生成。

3

Help me visualize

Googleスライド

  • プロンプトに入力された内容をもとに、画像や抽象絵画を作成できます。

4

Help me organize in Google Sheets

Google スプレッドシート

  • 依頼に基づいて新しいテーブルとレコードの例を生成します。例えばTo-Doリストやタスク トラッカーのドラフト作成を依頼できます。

5

AI generated backgrounds for Google Meet 

Google Meet

  • プロンプトに入力された内容をもとに、Meetの背景画像を作成できます。

6

Studio look

Google Meet

  • Google Meet のビデオ品質を向上させます。

  • クラウド側での処理を行うためデバイスのパフォーマンスに影響を与えません。

  • 今後さまざまな機能が追加されていくことが予想され、これら機能が全てではありません。
  • 現在展開中の機能も含まれるため全ての機能が利用可能というわけではありません。

3.導入方法

Duet AI for Google Workspace を利用するためには、条件があります。

  1. ビジネス用のGoogle Workspace アカウントが必要
  2. 以下のいずれかの Google Workspace エディションを使用していること
    Business Standard、Business Plus
    Frontline Starter、Frontline Standard
    Enterprise Essentials、Enterprise Essentials Plus
    Enterprise Standard、Enterprise Plus 

Business Starter または Enterprise Starter のお客さまは、Duet AI for Google Workspace が追加できないのでご注意ください。
料金についても確定しましたので、詳しくはDuet AI for Google Workspace のサービスページをご確認ください。

また、現時点で Duet AI は、英語でのみ利用可能となります。(ブラウザの言語設定を英語(English-US ロケール)に変更する必要があります。)

4.利用方法

管理者の場合

Google Workspace ライセンスと同様にユーザへ個別にライセンスを付与することができるようですが、テスト時点では、管理者がユーザにDuet AI を適用させるための公式手順は公開されていませんでした。詳しくはGoogle Workspace 管理者 ヘルプを確認ください。

https://support.google.com/a/answer/13864836

ユーザの場合

現時点では、ブラウザの言語設定を英語(US-English)に変更する必要があります。(必要な対応はこれだけです)

言語の設定変更の方法は以下をご参照ください。

https://support.google.com/accounts/answer/32047

Duet AI for Google Workspace 言語設定1

正しく設定されると Help me write の入力画面が表示されDuet AIが利用可能となります。

Duet AI for Google Workspace 言語設定2

5.現時点の注意事項と気づき

現時点で判明している注意事項と実際にDuet AI を操作してみた所感は以下となります。

注意事項

  • 現状日本語には対応しておらず、US-Englishのみ。日本語対応の時期は未定です。
  • Duet AI に限った話ではないですが、生成AI固有の特性であるハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)は発生します。利用者側で出力結果の確認は必要です。
  • デスクトップ対応を優先して開発が進められており、現状では一部モバイルアプリでは利用できない機能があります。

気づき

  • プロンプト入力後の応答は数秒〜数十秒で帰ってきます。遅いとは特に感じませんでした。
  • 文章の要約などは文字数が多ければ多いほど長くなりますが、長文の要約でも比較的すぐ返ってきました。
  • 応答の精度を向上させるためプロンプトエンジニアリングは必要なこともあります。しかし複雑なプロンプトが必要など、高度な入力は求められていない印象を持ちました。カタコト英語や単語の羅列でも相応の回答が返ってくるので、ユーザに優しい簡単さとレスポンスの良さはGoogle らしいと思いました。

使い方で悩むということはなく非常にシンプルです。一番苦労したのは英語でした(笑)

6. まとめ

今回の記事ではDuet AI for Google Workspace の概要についてお伝えしました。評価期間中にも次々と機能追加がされており、すごいスピードで進化しています。リリース後の進化も非常に楽しみです。

各機能のブログも紹介していますので合わせてご覧ください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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