ソフトバンクNOW 2015年

ソフトバンク・チーム・ジャパン、
第35回アメリカズカップ 予選シリーズ第1戦 ポーツマス大会に参戦

ヨット界最高峰、世界最古のスポーツトロフィーとされるアメリカズカップ(America's Cup)を目指して、2015年4月末に挑戦を発表したソフトバンク・チーム・ジャパン。2015年7月25〜26日にイギリス ポーツマスで開催された予選シリーズ第1戦の模様をお伝えします。

注目の公式レース初戦は5位

2017年に英領バミューダで行われる第35回アメリカズカップの予選シリーズ「ルイ・ヴィトン ACワールドシリーズ」の第1戦、ポーツマス大会(イギリス)には、アメリカ、イギリス、スウェーデン、フランス、ニュージーランド、そして日本の6チームが参戦しました。

アメリカズカップは、1対1の対戦形式を基本とするヨットレースですが、予選シリーズでは、全ての参加艇が一斉にスタートする「フリート(艇団)レース」で順位を競います。

各チームがオリンピックの金メダリストや、世界一周レースの記録保持者などのスター選手を擁する中、前回の2013年大会でニュージーランドチームを率いて活躍した実力者ディーン・バーカーを艇長として、2000年大会から15年ぶりにこの舞台に戻ってきた日本チーム、ソフトバンク・チーム・ジャパンにも大きな注目が集まっています。

初日のレースの様子
photo by Shigehiko Yamagishi

初日は晴天、風速3~6m/sのやや弱めの風。
2レースともに積極的なスタートを見せたソフトバンク・チーム・ジャパンは、レース序盤は2~3位の好位置につけましたが、中盤以降、クルーワーク(乗員の動作)が複雑になるやタッキング(方向転換)、マークブイ回航での失速が目立ち、最終的には第1レース4位、第2レース5位、総合5位(ポイント数は4位と同じ)で初日を終えました。

26日の朝、出航を待つ各チームのヨット
photo by Shigehiko Yamagishi

順位に与えられるポイントが倍となる2日目。巻き返しを図りたいソフトバンク・チーム・ジャパンでしたが、あいにくの荒天と大会の規定で定められた風速の上限を大きく超える強風のため、第3・第4レースは中止となり、初日の順位がそのまま最終順位になり、オリンピックの金メダリスト、ベン・エインズリー氏が率いる地元イギリスのチーム「ランドローバーBAR」が優勝しました。

ソフトバンク・チーム・ジャパンが最も伸びしろのあるチーム

ソフトバンク・チーム・ジャパンの予選スターティングメンバー。左から、ディーン・バーカー艇長、早福 和彦総監督、ジェレミー・ロマス、デレク・サワード、クリス・ドレーパー
photo by Shigehiko Yamagishi

全長13.45m、マスト高さ21.5m、水中翼とウイングセール、カーボン製の船体を持つレース艇「AC45」は、高速走行時には船体が水面から浮いた「フォリング」という状態で走行できる特殊なヨットです。日本とフランスを除く他チームが1年以上前からレースに向けての練習をしてきた中、エントリーの発表からわずか3カ月、日本チームのレース艇が進水したのは、6チームの中で最も遅い今大会開幕の10日前。レース本番前の練習は8回という状態での強行出場でした。

今回の予選シリーズでは、2レースとも序盤に良い順位を走る場面はあったものの、レース艇への習熟度やチームワークの完成度の面で、課題が散見されました。しかし、ソフトバンク・チーム・ジャパンのメンバーは、一定の手応えを感じているようです。

photo by Shigehiko Yamagishi

「私たちは最も新しいチームで、今後いろいろと取り組むべきことが多く大変ですが、一からのチームづくりは楽しくもあります」(ディーン・バーカー艇長)

「チーム設立から3カ月にして、この大会のスタートラインに立てたことに、とても感激しています。やはり準備不足でいろいろな点で問題が出ました。今後、何が問題だったかを分析して、一つ一つ解決していくしかありません。ただ、全チームの中で、われわれが最も伸びしろのあるチームであることは間違いありません」(早福 和彦総監督)

15年ぶりにアメリカズカップに挑戦する日本チームとして、大きな、記念すべき一歩を踏み出したソフトバンク・チーム・ジャパン。次に挑むのは、2015年8月27日から開幕する予選シリーズ第2戦「ルイ・ヴィトン ACワールドシリーズ」イエーテボリ大会(スウェーデン)です。

ソフトバンク・チーム・ジャパンの今後の活躍にぜひご期待ください。

レース艇は浮くヨット?

photo by Shigehiko Yamagishi

ヨットやセールボートと聞くと、真っ白な帆をあげて、優雅に大海原を行く姿を思い浮かべる人も多いと思いますが、アメリカズカップで使用されるレース艇は、そのイメージから大きく離れたものです。船体や部品の多くの部分はカーボン製で超軽量仕様。そして硬質フィルムで形作られた「ウイングセール」は、ちょうどジェット機の翼を縦にしたような形状をしています。また、水中に突き出た板状のダガーボードと舵(かじ)は「水中翼」と呼ばれ、スピードが増してくると船体は水面を離れ、ダガーボードと舵だけが接水した、言うなれば水面から浮いた状態で走行します。

予選シリーズでは、全長13.45m、マスト高さ21.5mの「AC45」が使われ、本番となるアメリカズカップでは、さらに大きな艇が使用される予定です。ちなみに、全長13.45mの「AC45」の船体重量は、一般的な乗用車よりも軽いわずか1,320kgです。軽量化に加えて、水面から船体が離れることで抵抗が大幅に減少し、巨大なマシンが、風の力だけで最高時速60km以上のスピードで走ることができます。

(掲載日:2015年8月14日)

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