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「大いなる成長」を目指して ソフトバンク・テクノロジー株式会社

2012年6月、ソフトバンク・テクノロジー株式会社(以下「ソフトバンク・テクノロジー」)の代表取締役社長 CEOに阿多 親市が就任しました。阿多は、「会社を大きく成長させる」という目標を掲げ、機器販売を中心としたビジネスモデルから自社開発サービスの提供を中心とする事業への転換を図り、買収や業務提携などを含め、積極的に事業を拡大させる経営のかじを切りました。現在「One! SBT」というスローガンを掲げ、ソフトバンク・テクノロジーはグループ一丸となって事業を推し進めています。今回は阿多に、経営戦略や目指す方向性についてインタビューしました。

阿多 親市

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最初の取り組みは「ヒトの増強」

2012年6月、ソフトバンク・テクノロジーの社長に就任した際の気持ちをお聞かせください。

阿多:社長に就任した直後の経営方針説明会で、株主の皆さまに今後のビジョンを説明し、「ソフトバンク・テクノロジーを大きく成長させていく」と宣言しました。ソフトバンク・テクノロジーの過去10年間を振り返ると、従業員数は約300~400名、売上は約250~300億円で推移していました。事業内容はイービジネスサービスが中心でしたが、それ以外の領域に進出するには体制が不十分でした。そのときに考えたのは、「どう生き残るか?」ではなく、「どう成長するか?」でした。そこで「大きく成長し、日本で有数のICTサービス企業になる」という決意をしたわけです。

社長に就任し、最初に取り組んだことは何ですか?

阿多:まず取り組んだことは、「社員を増やす」ということです。社長就任直後、マネージャー以上のメンバー全員と行ったディスカッションで感じたことは、今の状態のままでは、ソフトバンクグループの中で存在感を出すことはできず、成長もできないということでした。そこで、特に高い技術力を持つエンジニアを中心に積極的な採用を行い、社員を増強してきました。同時に、高度な情報技術の資格取得を促進し、エンジニアリソースの増強を図りました。今では、取得した上級の資格数も、4年前の約10倍に達しています。
こうして振り返ると、社長就任からの最初の1年間で取り組んだことは、「ヒトの増強」ということになるかもしれません。2年前は動員できるエンジニアが協力会社も含め150名程度でしたが、現在は約1,000名もの動員が可能となっています。

2014年度のテーマとして「One! SBT」を掲げていますが、この意味について教えてください。

「One! SBT」を具現化した新オフィス

阿多:社長就任当時、社内には20もの事業部門がありました。しばらく様子を見ていましたが、各事業部門の独立性が強く「組織の壁」のようなものを感じました。そこでこれではいけないと考え、事業部門制を廃止し、一気に集約して、機能別の組織に改めました。そして今年の年初に幹部を集め、「今年から『One! SBT』でいく」と発表しました。「事業部門の壁を取り払い、社員皆が一つになってNo.1の事業を作ろう」という思いを込めたのです。
今春、現在のオフィスに本社を移転したのですが、このオフィスの設計にも「One! SBT」の思いを込めています。「壁を一切作らず、役員も社員も、一つのフロアに集うフラットなオフィス空間」を実現し、ミーティングスペースを充実させて活発なコミュニケーションがしやすいよう工夫しました。このオフィス作りは外部からも評価され、2014年8月には、日本経済新聞社と一般社団法人ニューオフィス推進協会の共催による「第27回 日経ニューオフィス推進賞」を受賞しました。

「大いなる成長」に向けて

買収や業務提携により、ソフトバンク・テクノロジーを中心としたグループ企業が、2014年12月現在で7社に拡大しています。この拡大戦略について教えてください。

阿多:企業買収にあたり念頭に置いていることは、「オンリーワンの技術やコンテンツを持っている」ということです。ソフトバンクグループには、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念があります。それを踏まえた私たちソフトバンク・テクノロジーグループの理念は、「情報革命で人々を幸せに~技術の力で、未来をつくる~」です。従って企業買収においても、「この技術分野ではNo.1」という企業こそが、対象になると考えています。
もう一つ、「ソフトバンク・テクノロジーとのシナジー効果があるか?」ということも検討材料の重要なポイントです。ソフトバンク・テクノロジーはこれまで、優れた製品を他社から仕入れ、その導入を支援することをビジネスとしてきました。しかし今後の成長を考えたとき、私たち自身でサービスを作っていけるような、サービスプロバイダーになることも非常に重要です。そのためにも、グループシナジーをより期待できる買収先を選択する必要があると考えています。社長就任後の2年間でグループに加わった企業は、どの会社も皆、No.1やオンリーワンの技術・コンテンツを持つ会社です。

ソフトバンクグループの中で、ソフトバンク・テクノロジーグループはどういう役割を担っていくとお考えですか?

阿多:私たちはソフトバンクグループ通信事業の業務支援を通じて、最先端の情報技術とノウハウを蓄積してきました。そして、これらの技術力やノウハウを活用して作り上げたソリューションを、ヤフー株式会社やソフトバンクテレコム株式会社などと協同で提案し、官公庁や大手企業などで受注実績を残すことができました。引き続きグループ協業を推進し、シナジー最大化を目指してまいります。
ソフトバンクグループは2010年に発表した「新30年ビジョン」で、「30年後にグループ5,000社、時価総額200兆円」という目標を明らかにしています。それに貢献するためにも、私たちソフトバンク・テクノロジーグループは、「大いなる成長をして、日本で有数のICTサービス企業になる」という目標の達成を目指します。そして、お客さまに革新的で便利なサービスを提供し、社会に貢献していきたいと考えています。

阿多 親市(あた しんいち)

ソフトバンク・テクノロジー株式会社 代表取締役社長 CEO

略歴:1982年、アイワ株式会社入社。1987年、マイクロソフト株式会社入社。広報宣伝課長、常務取締役などを経て、2000年に同社 代表取締役社長に就任。
2003年、ソフトバンクBB株式会社入社、常務取締役に就任。ソフトバンクテレコム株式会社 取締役、ソフトバンクモバイル株式会社 専務執行役員などを経て、2012年にソフトバンク・テクノロジー株式会社 代表取締役社長 CEOに就任(現任)。

(掲載日:2015年1月9日)