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「テクノロジーから生まれる新しい感情を発明していきたい」サカナクション 山口 一郎 - Artist Push! Push! #25

ソフトバンクニュースのアーティスト紹介企画「Artist Push! Push!」。今回は、♬ SoftBank music project 第6弾で、ソフトバンク 新テレビCM「速度制限マン篇」の書き下ろし楽曲「忘れられないの」を手がけ、CMにも出演された「サカナクション」の山口一郎(やまぐち・いちろう)さんにインタビューしてきました。

「忘れられないの」に込めた思いや上京時のエピソード、曲作りのヒントを得る方法などを聞いています。

サカナクション

サカナクション

2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビュー。日本の文学性を巧みに内包させる歌詞やフォーキーなメロディ、ロックバンドフォーマットからクラブミュージックアプローチまでこなす変容性。様々な表現方法を持つ5人組のバンド。全国ツアーは常にチケットソールドアウト、出演するほとんどの大型野外フェスではヘッドライナーで登場するなど、現在の音楽シーンを代表するロックバンドである。

 

サカナクション 山口一郎さんのSNS

サカナクションのSNS

「上京」や「新生活」が自分の中でどのような感覚なのか

「サカナクション」というバンド名の由来はなんですか?

山口:「サカナ」と「アクション」を組み合わせて「サカナクション」という名前にしました。普段から、混ざり合わないものが混ざり合ったときに生まれるものを大切にしているので、日本語と英語を組み合わせて美しい響きや良いリズムになる言葉がないかな、と言葉遊びみたいに考えている中で生まれたものです。

楽曲「忘れられないの」に込めた思いや伝えたいメッセージは?

山口:CMのテーマが、「上京」や「男女が離れて暮らしていく新生活」だったので、自分の中に似たような感覚があるかどうか、それを楽曲にどう落とし込むかを考えながら作り上げました。

ソフトバンクとコラボした印象を教えてください。

山口:プランナーさんや監督さんと映像の内容から一緒に考えて作り上げられたので、そういったケースは珍しいし、非常にやりやすかったです。いいものを作りたいという強い気持ちが伝わってきたのでいい会社なんだな、と思いました。

ソフトバンクを強引に魚に例えると何ですか?

山口:えー(笑)。まあ、大きい魚だと思います。サメって感じではなくて、淡水魚だなと。なので、ものすごく大きくなり、縁起物でもある「草魚(ソウギョ)」ですかね。

東京はローカルの集合体ということを知った

北海道出身ということですが、上京のきっかけや印象的なエピソードは?

山口:デビューが遅くて26歳だったのと、就職していた女性メンバーが2人いたので、彼女たちに仕事を辞めてもらい東京に行って音楽で一旗あげよう、と言うのは勇気が必要でした。結果、東京に行くことになったのですが、絶対に失敗できないな、と。どうすればこの街で勝てるのか、音楽で人に受け入れられるのか、を研究しなければいけない、と5人全員で語り合ったことが印象に残っています。

東京のイメージはどのように変わりましたか?

山口:もともと、美しくて難しいものを好きな人たちが集まる街だと思っていたのですが、実際はミーハーな人たちが多いと思いました。あとは、東京出身の人が少なくて、おしゃれな人を見つけて話しかけてみると東北出身だったとか。東京はローカルの集合体ということを知りましたね。

サカナクション|SoftBank TVCM 「速度制限マン」篇(30秒)

3月23日に放送が開始されたソフトバンクのテレビCM。「サカナクション」がこのCMのために書き下ろした新曲「忘れられないの」に乗せて、広瀬すずさん、吉沢亮さん、嶋田久作さん、山口一郎さんが繰り広げる、「上京」をテーマにしたノスタルジックな雰囲気ながらもユニークな展開の映像が印象的です。

テクノロジーの進化で起きる感情から新しい言葉が生まれる

サカナクション 山口一郎

どのようなシチュエーションから曲作りのヒントを得ていますか?

山口:日常の中で「あ、音楽の参考になるな」といったインスピレーションを得る瞬間を特に意識しているわけではないのですが、自分の心の中に大きな湯船のようなものがあって、そこにいろいろな感情が溜まっていくんですよ。それがすりきりいっぱいまで溜まったあと、とある拍子にガバっとこぼれ落ちる瞬間があり、音楽に形をかえるんです。

あとは、最近見たとある動画で、テクノロジーが新しい感情を作っていくんじゃないかと思いましたね。体は普通の機械なのに四足歩行でまるで生き物みたいに動いていて、その性能を確かめるために研究者がそのロボットを思いっきり蹴飛ばしたんですよ。

そこで、ロボットが倒れないように踏ん張っているシーンを見たときに「すごい」と「かわいそう」という2つの感情が同時に起きたんです。それって、テクノロジーの進化がないと起きない感情で、新しい言葉が生まれる瞬間でもあるので、新しい感情を発明したいと思いましたね。

スマホでよく見る動画はありますか?

山口:釣りの動画が多いですね。釣りが趣味なので、血抜きのやり方や鮮度を保つためのさばき方、新しいルアーの水の中の動き方など。いいと思ったら、そのルアーを買って、夜に公園で動画を見ながら、キャスト(ルアーを投げること)の練習をしています。

今後チャレンジしてみたいことはありますか?

山口:ドラマの主題歌ではなく、BGM。ドラマの全体の世界観をバンドで作れると面白いことができるんじゃないかなと思います。

あとは、家電の音を作りたいですね。家電は機能とデザインのバランスが大事だと思いますが、機能よりもデザインを重視する人がたくさんいるじゃないですか。僕たちはそのデザインの音の部分で関わってみたいですね。例えば、冷蔵庫を開けっ放しにしたときの音やちょっとしたスイッチの音とか。そういったことにミュージシャンが関われると、企業との違った結びつきが生まれるんじゃないかと思います。

最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

僕は80年生まれなので、80年代のTVCMを見返すと、現代とは違うぶっ飛んだデザインのCMが多いと感じます。今回、僕たちが関わったCMもどこか80年代を感じるようなデザインになっているかと。古きものと現代のものとを見比べて、自分の中の「好きだ」という感覚を広げていくためのきっかけになればいいなと思います。

ありがとうございました!

ソフトバンクは、さまざまなアーティストとコラボレーションし、オリジナル楽曲を展開しています。

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(掲載日:2019年3月25日、更新日:2019年5月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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