自宅で夕食の支度中、突然机のコップがカタカタと鳴り出し、小さな揺れを感じた。リビングに置いてあったスマホから緊急地震速報の警戒音が聞こえてきた。もしかしてこれって大地震の予兆……?
もしあなたが同じような状況に置かれ、今まで経験したことのない大きな揺れに襲われたら、一体どうすればいいのでしょうか?正しい知識とすぐにできる小さな行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。
今回は、自宅で地震が起こったときに役立つ対策や準備の方法、サービスをご紹介。
この災害テーマのポイント
- 震度6以上の地震が発生すると、建物倒壊のリスクも
- 揺れを感じたら、頑丈で避難路の確保がしやすい「玄関」へ避難
- 普段から、玄関・玄関への経路には物を置かないように
この災害テーマのポイント
- 震度6以上の地震が発生すると、建物倒壊のリスクも
- 揺れを感じたら、頑丈で避難路の確保がしやすい「玄関」へ避難
- 普段から、玄関・玄関への経路には物を置かないように
目次
- リスク:転倒し、避難経路をふさぐ重い家具…。さらに建物倒壊の危険も
- 対処法:揺れを感じたら「玄関」へ避難。まずは自分の安全を確保しよう
- 事前の備え:すぐにできる大地震への備え。押さえておきたい3つのポイント
- 自宅で地震が発生したときに役立つサービス・ウェブサイト
リスク:転倒し、避難経路をふさぐ重い家具…。さらに建物倒壊の危険も
震度6以上の大地震が発生し、激しい揺れに襲われると、タンスや本棚、食器棚や冷蔵庫などの重い家具類まで転倒する可能性が。実際、近年発生した地震でけがをした人の約30~50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によって負傷。割れた窓や食器戸棚のガラスも、負傷原因の上位を占めています。さらに、倒れた家具類が避難経路をふさいでしまうケースも。(家具の下敷きになった時の対処法)
大きな地震では建物倒壊のリスクにも注意
現在の耐震基準を満たしていない1981年5月以前に建てられた木造住宅は、倒壊の可能性が非常に高いそうです。また、連続で大きな揺れに襲われた2016年の熊本地震では、耐震基準を満たしている6年前や9年前に建てられた家であっても、倒壊したものがありました。
(大規模地震のリスクについて)
対処法:揺れを感じたら「玄関」へ避難。まずは自分の安全を確保しよう
頑丈な構造で、避難路を確保できる「玄関」は、家の中で比較的安全な場所である「安全ゾーン」とされています。実際、過去に倒壊した家で、玄関だけが残っていたケースは多かったそうです。緊急地震速報が鳴ったり、小さな揺れを感じたりしたら、まずは玄関へ避難し、ドアを開けましょう。ただし、古い木造家屋の2階にいる場合は、慌てて1階に降りないようにしてください。
自宅で緊急地震速報が鳴ったときや、揺れが小さいうちに行う対処ステップ
- 玄関など転倒落下物の少ない「安全ゾーン」へすみやかに移動する
- 家の中に閉じ込められないように、ドアを開ける
- 手を離してもドアが閉まらないように、鍵を回したり、ドアガード※を立てたりしておく
- 頭を下げてしゃがみ、手で首筋を守る姿勢をとる
- ※
ドアの開閉の角度を制限するために、玄関やホテルの部屋の内扉などにつけられているロック機能
これまで常識とされてきたアクション「机の下で身を守る」「スグに火を消す」は、100%の正解とは限りません。例えば、机の下に隠れた場合、転倒落下物などによって身動きが取れなくなってしまったり、玄関ドアが変形し閉じ込められたりする可能性や、強い揺れの中で離れた場所のストーブを慌てて消そうとして、ヤケドを負う可能性もあります。
事前の備え:すぐにできる地震への備え。押さえておきたい3つのポイント
自宅での地震発生に備える、3つのポイント
- 安全ゾーンとなる玄関および玄関への経路には、物を置かない
- 家具・家電類は2カ所以上を複数の器具で固定する
- 窓ガラスだけでなく、家中のガラスに飛散防止フィルムを貼る
自分の家の倒壊の危険度について、自治体が行っている耐震診断などを使って事前に調べ、対策しておくこともオススメ。建物の条件などによっては、無料で診断を受けられたり、耐震改修費用を一部負担してくれたりする自治体もあります。
緊急地震速報が鳴ったり、小さな揺れを感じたりしたら、ただちに「安全ゾーン」へ。普段の習慣が、いざというときの命を守る
災害時や被災時などに大きなショックを受けると、人は正常な判断や行動ができなくなる「凍りつき症候群」に陥ることもあるそうです。そんな事態にならないためにも、普段から大地震が起こったときのことを想像し、小さな揺れでも安全ゾーンに避難する習慣をつけておきましょう。
(揺れに恐怖を感じた時の心得)
自宅で地震が発生したときに役立つサービス・ウェブサイト
① Yahoo!防災速報
災害が起こる前に、地震・豪雨・津波などの情報を知らせてくれるアプリ。アプリをダウンロードして設定すると、位置情報を利用した現在地と、あらかじめ設定しておいた3地域の情報を、プッシュ通知で受け取ることができます。
② 緊急速報メール
気象庁が配信する緊急地震速報や津波警報・気象などに関する特別警報および、国・地方公共団体が配信する災害・避難情報などを、回線混雑の影響を受けずにスマホに発信するサービス。
③ Yahoo!ショッピング
Yahoo!JAPANが運営する日本最大級のオンラインショッピングモール。日用品などはもちろん、家具の固定器具などの防災アイテムも幅広く取りそろえています。
監修者:防災システム研究所 所長 山村 武彦(やまむら・たけひこ)
1943年、東京都生まれ。1964年の新潟地震でのボランティア活動を契機に、同年、防災・危機管理のシンクタンク「防災システム研究所」を設立。以来50年以上にわたり、世界中で発生する災害の現地調査を実施するほか、テレビ解説や日本各地での講演などを通じ、防災意識の啓発に取り組む。著書に『災害に強いまちづくりは 互近助の力~隣人と仲良くする勇気~』(ぎょうせい)など多数。
(掲載日:2020年1月17日、更新日:2022年12月23日)
監修:山村武彦先生
文:内藤マスミ
編集:エクスライト
イラスト:高山千草