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多くの店がひしめく街中で火災が発生…。あなたが取るべき行動は? -防災行動ガイド

多くの店がひしめく街中で火災が発生…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

通りがかった繁華街の雑居ビルから黒い煙が…。周囲には同じような建物や飲食店が建ち並び、たくさんの人が行き交っています。もしあなたが同じような状況にいい気もし、一体どうすればいいのでしょうか?

正しい知識とすぐにできる小さな行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。

今回は、街中で火災に遭遇したときの正しい対処法をご紹介。

この災害テーマのポイント

多くの店がひしめく街中で火災が発生…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

  1. 飲食店での火災が増加している近年、外出先で火災に遭遇する可能性大
  2. 火災を発見したら大声で周囲に知らせ、率先して119番通報
  3. 避難時は煙に注意。外出先の非常口や誘導灯をチェックする習慣を

多くの店がひしめく街中で火災が発生…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

この災害テーマのポイント

  1. 飲食店での火災が増加している近年、外出先で火災に遭遇する可能性大
  2. 火災を発見したら大声で周囲に知らせ、率先して119番通報
  3. 避難時は煙に注意。外出先の非常口や誘導灯をチェックする習慣を

目次

リスク:近年、飲食店の火災が増加。「木密地域」では大延焼するリスクが…

消防庁の調べによると、2019年の国内の総出火件数は37,538件。1日あたり約103件の計算で、なんと14分ごとに火災が発生したことになります。中でも建物火災は2万件超と最も多く、死者も多数出ています。建物火災は住宅のほか、飲食店や百貨店、旅館・ホテル、劇場、カラオケボックスなどで発生。特に飲食店の火災は、全体の火災件数が減少する中で増加傾向にあり、外出先で思わぬ火災に遭遇することも十分想定できます。

こんな場所の火災に要注意!

  • 木密地域
    古くからの商店街など、木造の建物が密集している「木密(もくみつ)地域」は、特に危険な場所。公園や広場などすき間となるスペースも少ないため延焼しやすく、大規模な市街地火災へと発展しやすいのが特徴。また道幅が狭く、入り組んでいるため、避難や消火・救出活動が困難になるリスクも。木密地域は2012年時点で全国に197地区あるとされ、東京では山手線外周部を中心に広範囲に分布。また、都に指定されていなくても古い木造家屋が密集する地域は多くあり、首都直下地震の発生が予想される中、東京最大の弱点といわれています。
  • 高層ビル
    多くの人が在館している高層ビルで火災が起こると、安全装置が作動してエレベーターが停止。階段は地上に降りようとする人たちでごった返す危険があります。(高層ビルでの火災の危険性
  • 人混みのある場所
    集団の中では「正常性バイアス」が働くため、火災報知器が鳴ったとしても「きっと大丈夫だろう」「機械の故障だろう」などと都合の良い解釈をして逃げ遅れてしまう恐れがあります。そのほか「パニック」に陥り、将棋倒しになるリスクも。
  • 管理の行き届いていない建物、老朽化した建物
    自動火災報知設備の電源をオフにしていたり、壊れている建物や、防災扉の前に荷物が積んであり避難通路が確保されていない建物では、大きな火災につながる危険があります。
巨大地震後のさらなる恐怖! 「火災旋風」とは?

巨大地震発生の直後などに大規模な市街地火災が起こると、火柱のように炎が渦を巻く「火災旋風」が発生し、甚大な被害をもたらすことがあります。1923年の関東大震災では、100個以上の火災旋風が発生し、当時の陸軍の工場跡地に避難していた約38,000人が死亡。また、2011年の東日本大震災でも火災旋風が目撃されるなど、将来の首都直下地震でも大きな火災疾風が起こると予測されています。(地震後の電気復旧時における「通電火災」のリスク

街中で火災に遭遇! 通報と避難の対処法まとめ

対処法①:まずは大声で知らせて119番通報を。人混みの中、避難するときは「お・か・し・も・ち」を厳守

多くの店がひしめく街中で火災が発生…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

すべての火災に共通する対処ステップ

  1. 大声で「火事だ!」と叫び、率先して119番通報を
    大きな声が出せない場合は火災報知器や非常ベルを押したり、近くの物を叩いて大きな音を立てたり、火災の発生を周知しましょう。その後、自ら119番通報するか、周囲の人に助けを求めます。人が多い場所では、自分以外の傍観者がいる場合に、率先して行動を起こさなくなる集団心理「傍観者効果」が働き、「見て見ぬふり」をしてしまうことがあるものです。自ら率先して119番通報する意識を持ちましょう。
  2. 火元が小さい場合は、すぐに初期消火を
    消火は、出火から3分が勝負といわれています。初期消火が可能な目安は、炎が自分の身長、または天井に達するまでです。すぐに避難できるよう避難路を確保した上で、できるだけ複数人で消火にあたります。決して無理はしないように注意してください。(消火器の使い方
  3. 「お・か・し・も・ち」で避難を
    安全な場所へと避難しましょう。もし周囲にたくさんの人がいたら、以下5つのポイントを守るのがコツ。
    • お・・・押さない
    • か・・・駆けない
    • し・・・喋らない
    • も・・・戻らない
    • ち・・・(火元に)近づかない

知っておきたい、119番通報のステップ

通報する際は次の4つを念頭におき、質問にはっきりと答えましょう。

  1. 火災か救急か:「火事です」または「救急です」とはっきりと伝える
  2. 正確な出火場所:出火場所の住所を伝える際は正確に。目印となる建物なども知らせる
    • 目印になる建物…近くのコンビニエンスストア、ガソリンスタンド、学校、病院、公園など。高速道路では、道路端の看板数字に記載されているキロポストを見て伝える
    • 住所がわからないとき…近くの交差点やバス停の名前を伝える、電信柱の「電柱管理番号」や自動販売機の「住所表示ステッカー」を見て伝える
  3. 火災の状況:「○階建てのビルの△階あたりから炎が見えます」など、どこがどのような状態になっているかを伝える
  4. 通報者の氏名と電話番号など、身元を伝える
スマホからの緊急通報は…

スマホは、ロックをかけたままでも、「110(警察)」「119(消防)」「118(海上保安本部)」に発信することができます。(緊急SOSの設定

対処法②:避難時は煙に注意。外出先では、非常口や誘導灯をあらかじめチェックしておこう

多くの店がひしめく街中で火災が発生…。災害時の対策と事前の備え -防災行動ガイド

場所別の避難のポイント

  • 木密地域
    • 狭い通路や行き止まりが多いので、あらかじめ複数の避難経路を把握しておく
    • できるかぎり風下を避け、公園や学校などの指定緊急避難場所へ避難
    • 近くに避難場所がない場合は、大きな通りの反対側や鉄筋コンクリートのビル群など、頑丈な建物のある場所へ
  • 高層ビル
    • エレベーターやエスカレーターは使用せず、速やかに最寄りの非常階段から避難
    • 煙を吸い込まないように、マスクやハンカチなどで鼻と口を覆い、姿勢を低くして移動
  • 地下街
    • 将棋倒しなど事故につながるため、一つの出口に集中しない
    • 閉まりかけた防火戸やシャッターの下を絶対にくぐらない
    • 煙を吸い込まないように、マスクやハンカチなどで鼻や口を覆い、姿勢を低くして地上へ避難
    • 複数の避難出口や非常用出口、誘導灯を事前に確認しておく
  • 商業施設や飲食店
    • 従業員や避難誘導係の指示に従う
    • 誘導係がいないときは、誘導灯の表示を頼りに避難
    • 「正常性バイアス」や「パニック」による逃げ遅れに注意
    • ショッピングバックなど避難の妨げになる荷物はその場に置き、財布やスマホなど貴重品だけを持って素早く避難
  • 宿泊先のホテルや旅館
    • 非常口や避難経路、誘導灯を事前に確認。部屋に入ったら、窓から避難できるかどうかも確認しておく

街中火災への事前の備えとして、煙から身を守れるようにハンカチやタオルを常に携帯するのがオススメ。避難するときは水で濡らしてから口元へあてると、より効果的です。また煙を避けるには、大きめの透明ビニール袋を空気で膨らませて頭からかぶるのも有効。バックの中に用意しておけば、いざというときに安心です。

  • 窒息の危険性もあるため、使用方法に注意

街中で火災が発生したときに役立つサービス・ウェブサイト

① 総務省消防庁「建物の防火安全情報表示制度」

総務省消防庁「建物の防火安全情報表示制度」

ホテルや旅館などの宿泊施設が、防火安全の基準を満たしているかどうかを審査する「適マーク制度」の紹介ページ。宿泊先を選ぶ際に、適マークの交付の有無を確認しておくと安心です。

② 東京消防庁「電子学習室」

防火・防災・救急など、消防について動画やクイズを使って学ぶことができるページ。もしもに備えて、防災に関する知識を深めましょう。

③ Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピング

Yahoo!JAPANが運営する日本最大級のオンラインショッピングモール。日用品などはもちろん、防煙フードなどの防災アイテムも幅広く取りそろえています。

監修者:防災講師・防災コンサルタント 高橋 洋(たかはし・ひろし)

高橋洋先生

1953年、新潟県長岡市生まれ。1976年、練馬区に就職し、図書館、文化財、建築、福祉、防災、都市整備等に従事。1997年より防災課係長として、地域防災計画、大規模訓練、協定等に携わる。現在は、防災講師・コンサルタントとして、自治体等で講演、ワークショップ指導などを行う傍ら、復興ボランティアの一員として、福島県南相馬市小高区等で活動。防災関係著書・論文、防災関係パンフレット類監修多数。

(掲載日:2020年8月6日)
監修:高橋洋先生
文:内藤マスミ
編集:エクスライト
イラスト:高山千草