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通信がクラウドゲーミングを変えていく。究極の低遅延にこだわる「GAME SQUARE」開発者インタビュー

通信がクラウドゲーミングを変えていく。究極の低遅延にこだわる「GAME SQUARE」開発者インタビュー

6月10日に正式サービスが開始された「GeForce NOW Powered by SoftBank」。米国のNVIDIA Corporation(以下、NVIDIA)が提供するクラウドゲーミングサービスの日本版で、5G時代のエンタメ配信サービス「5G LAB」の「GAME SQUARE」で提供されています。

なぜ、ソフトバンクがクラウドゲーミングサービスを開始したのか。そして、これからゲームと5Gがどのような融合を見せるのか。開発担当者に話を聞いてきました。

話を聞いたソフトバンクの担当者

矢吹 歩

テクノロジーユニット 先端技術開発本部 先端技術推進部
矢吹 歩

テクノロジーユニット 先端技術開発本部 先端技術推進部
矢吹 歩

5Gと相性抜群。約2年前にクラウドゲーミングサービスの検討を開始

GeForce NOW

今日はよろしくお願いします。まずは「GeForce NOW Powered by SoftBank」の特長から教えてください。

一番の特長は、高負荷なデータ処理が必要なゲームを、パソコン、タブレット、スマホなどいろいろな端末で手軽に楽しめる点ですね。ゲームのデータ処理はサーバー(クラウド)で行うため、端末はクラウドと通信できればスペックは問われないんです。

そもそも、なぜクラウドゲーミングを始めようと思ったんですか?

以前からクラウドゲーミングのサービスはありましたが、どれも遅延が致命的でした。しかし、5Gと組み合わせることで遅延を短くできますし、通信事業者のネットワーク上にサーバーを置くと我々の技術で遅延をコントロールできます。5G時代のサービスとして期待できると思い、約2年前から検討を開始しました。

クラウドゲーミングは、5Gと相性が良いということですね。

はい。5Gは、高速・大容量かつ低遅延の通信が特長なので、まさにゲーム向きなんです。2018年後半に日本の市場調査などを行い、そこから約1年かけて設備などを構築。2019年末からベータ版サービスを開始して、今年6月10日に「5G LAB」の「GAME SQUARE」で正式サービスを開始しました。

具体的にどのようなことをされたんですか?

NVIDIAが米国や欧州などで提供している「GeForce NOW」を日本語版としてプレイできるようにサーバーなどの設備を構築しました。あとは細かいチューニング作業ですね。例えば、パソコンでプレイするときのキーボード配列が米国仕様だったので、NVIDIAに伝えて日本仕様にしてもらうといった調整を行いました。

「GeForce NOW Powered by SoftBank」の設備イメージ

「GeForce NOW Powered by SoftBank」の設備イメージ。高性能GPUなどで構成されており、搭載されている枚数の多さとその圧倒的な処理能力から、ソフトバンク担当者たちの間では「バケモノGPU」と呼ばれていたそう

開発で苦労したことや工夫したことはありますか?

正直なところ、ソフトバンクで苦労した点はそれほどありません。NVIDIAが開発した、仮想化されたGPUなどで構成される「GeForce NOW」のサーバーの性能が非常に優れているので、日本でもそれを忠実に再現しました。

  • GPU:Graphics Processing Unitの略で、3Dグラフィックスのゲームなど、リアルタイムで画像処理を行うためのプロセッサ。1999年、NVIDIAが世界ではじめて開発した。近年ではその高度な並列演算性能がAI(ディープラーニング)や科学シミュレーションにも活用されている。

サーバーの性能と言われてもいまいち分からないのですが…

一言で言うと、どんなゲームでもサクサク動くんですよ。そもそもゲームは、種類によってデータ処理量が違います。単純なゲームのデータ処理量は少なく、最新の大作ゲームでは非常に多くなり、それに比例して求められるGPUの性能も変わってくるんです。

「GeForce NOW Powered by SoftBank」のGPUは仮想化されていて、ユーザーごとに必要なGPUを割り当てられるので、ユーザーがプレイするゲームに最適な性能を提供することができます。ちょっとマニアックな話で、通常なら仮想化すると若干遅延しますが、遅延を全く感じずにゲームをプレイできるのはすごいですね。

「GeForce NOW」のすごさは分かりましたが、ソフトバンクが提供するサービスとしての特長はないんですか?

もちろんありますよ。“通信”です。

遅延を減らす! ユーザー体験を重視したネットワーク設計

遅延を減らす! ユーザー体験を重視したネットワーク設計

通信というと5Gについてですか?

いえ、最初にもう少し大きな枠組みから説明させてください。クラウドゲーミングは、パソコンでもスマホでも遊べる点が特長だとお話ししました。パソコンからはインターネットを通ってサーバーにアクセスしますが、Wi-Fiに接続していないスマホからは、まずモバイルネットワークにつながり、そこからインターネットを通ってアクセスすることになります。

スマホからだと1アクション多いので遅延が発生するのですが、「GeForce NOW Powered by SoftBank」はそれを低減するネットワーク構成になっているんです。

どれくらいの遅延を低減できたんですか?

大体40ms(ミリ秒)なので0.04秒ですね。

どうやって遅延を減らしたんですか?

ソフトバンクのモバイルネットワークにつながっているスマホやタブレットからアクセスするとき、インターネットを通らなくてもよい構成にしました。少し専門的な言い方をすると「インターネットエクスチェンジを介する必要がない」ということですね。

他の通信キャリアのモバイルネットワークからアクセスすることも可能なのですが、ソフトバンクのモバイルネットワークからアクセスすると、特に遅延が少なくて快適にプレイできると思います。

  • インターネット上で、さまざまな事業者のネットワークを相互接続する施設・設備のこと

遅延を減らす! ユーザー体験を重視したネットワーク設計

それにしても0.04秒って一瞬ですよね。ゲームに影響はあるんですか?

ありますね。0.04秒でも動画のフレームが流れる、つまり映像は動いてしまいますから。格闘ゲームやバトルロイヤルゲームなどでは、勝敗に影響する可能性もあります。最高のゲーム体験をしていただくためには、遅延を極力なくさなければならないんです。

ユーザーの皆さんは、ちょっとした差に気付くものなんですか?

正式サービス開始後、遅延を感じないことについて「ゲームの未来を感じた」とSNSでコメントしてくれた方もいました。自分たちがこだわったところに気付いてくれるのはうれしいですよね。

よくそんなコメントを見つけましたね(笑)。

ユーザーの皆さんの反応が気になったので、こっそり「GeForce Now」でエゴサーチをしていて見つけました(笑)。

高速・大容量かつ低遅延の5Gが生み出す最高のゲーム体験

高速・大容量かつ低遅延の5Gが生み出す最高のゲーム体験

これから5Gが本格的に普及していきますが、クラウドゲーミングにどんな影響を与えそうですか。

クラウドゲーミングは大量のデータ通信が発生するので、大容量通信が可能な5Gとのシナジーは大きいでしょう。また、5Gが本格的に普及するとさらなる低遅延も見込めます。

どうして5Gでさらなる低遅延が?

5Gは4Gから通信規格が変わっていて無線部分の通信、つまり近くにある基地局との通信時間が短くなるんですよ。ここでまず遅延を減らすことができるんです。

また、現在は「GeForce NOW Powered by SoftBank」のサーバーをインターネットエクスチェンジの手前に設置しています。しかし、5Gが本格的に普及してサービスの需要が高まれば、地域ネットワーク拠点である「リージョナル」にサーバーを設置することができる。端末とサーバーが近いので、遅延の低減につながります。5Gはネットワーク構成が非常に柔軟になるんです。

さらなる低遅延を実現する5Gのネットワーク構成

さらなる低遅延を実現する5Gのネットワーク構成

その2つでどれくらい遅延が無くなるんですか?

20ms(0.02秒)くらいですね。数字にするとわずかですが、これだけ遅延をコントロールできるのは通信事業者だけだと思います。繰り返しになりますが、ソフトバンクがクラウドゲーミングサービスに参入した理由もまさにこの点にあって、ユーザーの皆さんに最高のゲーム体験を提供できるからなんですよ。

高速・大容量かつ低遅延の5Gが生み出す最高のゲーム体験

クラウドゲーミングは、やはり通信が鍵なんですね。他に「GeForce NOW Powered by SoftBank」に期待してほしい点はありますか?

一番は進化のスピードですね。物理的な端末ではなくクラウドベースなので、ユーザーは保存容量もパソコンのスペックも気にする必要がありません。ソフトウェアのアップデートすら勝手に行われますし、伸びしろが無限大なんですよね。

ユーザーの皆さんが意識しなくても勝手に進化していくので期待していてください。ゲーム数もかなり豊富ですし、ゲーム好きの方はぜひ一度使ってみてほしいですね。

ありがとうございました。

(掲載日:2020年8月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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