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リモートでも試してみたい。動きもかわいい(?)、カンタン手話フレーズ10選

リモートでも試してみたい。動きもかわいい(?)、カンタン手話フレーズ10選

オンライン会議をする際、
「音声機能が上手くいかず、音が出ない」
「声にエコーやハウリングがかかってしまう」
「議論が白熱して、発言のタイミングがわからない」
ような、“音の困りごと”はありませんか?

それ、視覚言語ともいわれる手話を活用することで、少しは解消されるかもしれません。

ソフトバンクは、AI手話通訳アプリ「SureTalk(シュアトーク)」を新しくリリース。その中でも、リモートワーク時にも役立つカンタンな手話フレーズを紹介していきます。

SureTalk

AIに手話を学習させることで、手話と音声の双方でコミュニケーションがとれるウェブツール

実践してくれた人

竹田結衣さん

ソフトバンク株式会社 SureTalk課
竹田 結衣(たけだ・ゆい)

筑波大学附属聴覚特別支援学校で手話言語を習得し、2016年にソフトバンクに入社。庶務やアカウント登録管理業務を行った後、SureTalk課に異動して、手話動画DB管理・メルマガ配信などを行う。

竹田「コロナ禍の今はマスク着用が当たり前になっています。聴覚障がいの方の多くは口の動きを頼りにコミュニケーションをしているため、マスクを着用している相手との会話が全く分からず、表情から気持ちを読み取ることが難しくなりました。

『マスクを取って』とお願いすると、周囲の人に非常識な行動だと思われてしまうかもと気にしてしまったり、病院やレストランなどで自分の名前を呼ばれてもマスクをしているため気付かなかったり… 落ち込むなど色々なことがありました。相手との接触回避や感染リスクを下げ、視覚的にわかりやすいコミュニケーション手段「手話」に少しでも興味を持ってもらえるとうれしいです」

試しに、固定電話→ガラケー→スマホの手話に挑戦してみてください!

手話フレーズの目次

【基本編】まずは押さえておきたい、シチュエーション別 手話フレーズ5選

幅広いシーンに使える基本編とリモートワーク中のオンライン会議で便利なリモート編に分けてご紹介。まずは、聴覚障がいの方がよく使う手話表現をベースに、健聴者にとって簡単で有用な手話を5個ずつ教えてもらいました。

基本編

① お疲れさま

竹田「顔出し会議の終了間際や飲み会の挨拶時に『お疲れさまです』という話し手の返答に対して、頭を下げて静かにコミュニケーションを取るのが多いと思います。ここでこの手話を使うと、よりインパクトのある表現ができます!」

② ありがとう

竹田「多くの方が知っている表現だと思います。お店などに行くと店員さんが急に表現してくることがあり『今手話を使ってくれた!』とうれしい気持ちになります。手だけですぐに気持ちを伝えられるなんて魔法みたいですね」

③ 大丈夫

竹田「右手で左から右へ動かしているので、眼球運動につながるかもしれません。この表現をするとき、手の動きや顔の表情の強弱を入れると、どの程度の大丈夫なのかという気持ちの表現が簡単にできちゃいます。失恋してショックな表情で大丈夫と使ったら、大丈夫じゃないだろ! とつっこまれます」

④ わかった

竹田「騒がしい場所で声が届いたかどうか相手にすぐに意思伝達ができます。また何らかのハプニングが起きて電車の中のようなガラス越しで会話することになってもこの動きが簡単な表現をいくつか覚えておいて損はないです」

⑤ わからない

竹田「これも『④ わかった』と同様で、騒がしい場所で声が届いたかどうかの場面などに使えます。カジュアルな会話の中でも使えたりオンライン会議の顔出しの時に相手の話を理解したかどうかのときにも使えるので、便利な表現ですよ」

(おまけ)イヌとネコ

竹田「この動き、目で見てわかりやすくないですか? 手話はイメージで表現している動きもあり、ジェスチャーをするときなどに使えます。学生時代、手話をよく知っているメンバーで伝言ゲームに参加したらスタッフから「手話以外の動きでお願いします」と言われたときがありました……」

実は身近なところで手話が流行る場合も

昨年映画化された某アニメや、某ドラマで話題になったダンスを手話ニュースで表現してTwitterで話題になるなど、実は身近なところに手話はあるんです。

【リモート編】オンライン会議で声が出せないときに便利な手話フレーズ5選

続いては、リモートワーク中のオンライン会議で便利なリモート編。「会議をさえぎってまで言うことでもないなあ」「どう感じているか伝えたいなあ」と思ったときに使いやすいですよ!

① トイレ

竹田「会議中に『どうしよう、おなかが痛くなってきた…トイレに行きたい』となることがありますよね。この手話は全員に一瞬で伝わるため、話し手から『どうぞどうぞ』と言ってくれるかもしれません」

② 聞こえる

竹田「話し手の『音が聞こえますか?』に対して、マイクオフの全員が手話で表現すると一目瞭然でわかります。これは2つの動きの組み合わせていて、『聞く』と『大丈夫』になっています。基本編③で『大丈夫』が出ましたね」

③ 聞こえない

竹田「『② 聞こえる』と同様で、話し手の『音が聞こえますか?』に対して、手話で表現すると本当に一目瞭然でわかります。耳のすぐ横で手の平を上下にひらひらさせた動きなので、手話をよく知らない人でも伝わる気がします」

④ そうそう

竹田「賛成や同意をするときに手話1つで相手に意思伝達ができます。うなずきも意識して入れると、より気持ちが伝わります。手話は視覚言語なので、こうやって一つずつ学んでいくと今までにない視野がきっと広がると思います」

⑤ 拍手

竹田「この表現を見ても、普通の拍手でも『拍手』だと伝わるのではと思う人がいると思います。例えば、発表会を想像してみてください。聴覚障がいの方は前の人が拍手しているかどうかわかりません。手をあげてヒラヒラすると前の人が拍手しているとわかり、声が出せない場面でも特に大人数が使うと画面がより華やかになり話し手もいい気分になるのではないでしょうか」

手話に少しでも興味を持ったら試してみたい「SureTalk」

AIに手話を学習させることで、手話と音声の双方でコミュニケーションがとれるウェブツール。AIが端末のビデオ通話から身体動作を追跡して、手話の特徴を抽出し、手話を認識してテキストへと変換します。

実は基礎スキルも向上する!? 奥深い手話の世界と学ぶメリット

実は基礎スキルも向上する!? 奥深い手話の世界と学ぶメリット

実は、空間認識力や日本語力も伸びやすいとされている「手話」。「SureTalk」の監修も行った手話通訳士の萩埜(はぎの)さんに最近の手話事情や学ぶメリットを教えてもらいました。

萩埜友美さん

社会福祉法人 東京聴覚障害者福祉事業協会 東京手話通訳等派遣センター 職員で手話通訳士の萩埜 友美(はぎの・ともみ)さん

中学のときの障がい者体験がきっかけで手話通訳士を目指すように。病院や役所、警察、裁判所などの窓口で手話を通じて、聴覚障がいの方へのサポートを行う。

さまざまな場面で通訳のお仕事をされることが多いのですね。

萩埜「現在の制度では自治体ごとに手話通訳者が派遣できる範囲が決まっていて、医療や福祉の場面の派遣が優先されてしまい、趣味や娯楽、学習塾の合宿などは手話通訳の派遣を認められないことが多い。

また、企業さんによっては『手話通訳ってボランティアでしょ』と思い込まれているところも多く、ソフトバンクさんのように企業の責任で手話通訳の費用負担をしてくださるケースは実はまだ多くない。ダイバーシティの観点で、雇用している社員への情報保障に対して企業が責任をもっていただけるような風潮になればうれしいですね」

なるほど。ここ最近、テレビのニュースでも手話通訳士の方を見かけるようになりましたが何がきっかけなのでしょうか?

萩埜「ニュース番組などで話し手の脇のワイプに手話通訳がいますよね? 実は、東日本大震災がきっかけで、耳が聴こえない人にもきちんと情報を伝えるべきという要望が受け入れられました。そこから、平日の午前と午後に行っている官房長官記者会見に手話通訳が配置されるようになりました。特に、安倍首相が緊急事態宣言をした際、民放各局が一挙に手話通訳者を映しました。そこが、一般の方にも認知される大きなきっかけになったと思いますね」

そもそも、手話はどのように生まれたのでしょうか?

萩埜「いろいろな諸説があるため、確実なことは言えないのですが、日本の場合は明治11年、京都に聾(ろう)学校が設立され、ろう者のコミュニティができた。これまでは家族だけで通じる身振りに近い表現でコミュニケーションをとっていた方たちが、当事者の集団を形成していく中でコミュニケーション手段としての手話を作っていったと言われています。その後、各地でろう学校が立ち始め、同じような動きが起きた。その後、当事者組織である全日本ろうあ連盟が全国共通で通じる手話を考案し、全国に普及したという流れになりますね」

手話を学ぶと、言語力や空間認識力などの基礎スキルの向上にも効果的と小耳にはさみましたが本当でしょうか?

萩埜「はい、手話は言語なので、英語や中国語などを学ぶことと似ていますね。また、手話は視覚言語でもあるので、表情がとても重要なんです。例えば、“寒い”と伝えるとき、無表情だと寒さが伝わらないですよね? なので、手話を学んでいくと、表情筋が豊かになる効果も期待できるかもしれません」

今回、「SureTalk」の監修を担当してみて、このサービスについてどう感じましたか?

萩埜「利用者や内容によって向き・不向きはあると思いますが、耳が聴こえる人と聴こえない人の情報格差を埋める上でも、ダイバーシティの観点でも非常にいいと思いました。会話の内容をもらさずに聞きながら手話で翻訳するには、15分~30分くらいが限界と言われており、それ以上通訳を続けると通訳の質が下がります。また、通訳者の健康にも影響が及んでしまうため、長時間のご依頼の場合は複数の手話通訳者が派遣されます。AIを活用するメリットとしては、疲労を感じないし、単語の表現を間違えることはありません。長時間対応も可能ですよね」

AIの活用で円滑に会話ができる「SureTalk」
いつでもどこでも手話と音声で会話ができる「SureTalk」

「SureTalk」は、AIに手話を学習させることで、手話と音声の双方向で会話ができるコミュニケーションツールです。カメラ付き端末で読み取った身体の動作をAIが追跡して、手話の特徴を抽出し、認識した手話をテキストに変換します。 手話動画データを蓄積することで認識精度が高まります。「SureTalk」には、手話動画を登録する機能があります。手話に少しでも興味のある方は、ぜひ試してみてくださいね。

「SureTalk」
のWebサイト

開発者インタビューはこちらからご覧ください

(掲載日:2021年7月28日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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