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気象予測や人の流れからAIが来店客数を予測。食品産業DX推進の鍵「サキミル」

気象予測や人の流れからAIが来店客数を予測。食品産業DX推進の鍵「サキミル」

まだ食べられるものを捨ててしまう食品ロス(フードロス)や少子高齢化による労働力不足が社会問題となっています。AIを活用し、来店客数の予測をもとに仕入れを行うことで、小売店や飲食店の食品ロス削減や効率的な人員配置を実現する取り組みが始まりました。予測には、気象予測と人流統計データが活用されているそうです。

ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)と一般財団法人 日本気象協会(以下、日本気象協会)が共同開発したAI需要予測サービスについてご紹介します。

経験や勘に基づいた作業をデジタル化。食品業界の生産性向上へ

サステナブル(持続可能)な社会の実現を目指し、あらゆる業界でSDGs達成への取り組みが進む中、食品業界は他の業界に比べてIT関連への投資が進まず、属人的でアナログなオペレーションに頼っているため生産性が低いことが課題とされています。経験や勘に基づいた客数・需要予測が外れた場合、実際に売れる数量に対して仕入れが多くなり、食品ロスの原因となります。また、電話やFAXによる発注や紙での勤務シフトの管理も作業ミスの要因とされています。

経験や勘に基づいた作業をデジタル化。食品業界の生産性向上へ

こうした課題を解消するために、ソフトバンクと日本気象協会が共同で、AI需要予測サービス「サキミル」を開発。

経験や勘に基づいた作業をデジタル化。食品業界の生産性向上へ

ソフトバンクの携帯電話基地局から得られる数千万台の端末の位置情報を基にした性別、年代などのデータ※1を用いて店舗周辺の人流を予測。予測した人流データと、日本気象協会が持つ気温・日射量・風速・降水・降雪・湿度・天気などの気象データ、導入企業が保有する店舗ごとの売り上げや来店客数などの各種データを基に、ソフトバンクと日本気象協会が共同で開発した独自のAIアルゴリズムにより、高精度な分析・予測サービス※2を実現しています。

  • ※1
    人流統計データは、個人が特定できないように匿名化し、統計的に処理されたものです。ソフトバンクの人流統計データ「全国うごき統計」を活用。「滞在人口調査」の統計データをしています。
  • ※2
    統計的に処理されたデータを活用して提供するサービスであり、個人が特定できるデータは利用しません。

予測精度は93%! 来店者数の予測が欠品や廃棄の削減を実現

中部地方を中心にスーパーやドラッグストアなどを展開する株式会社バローホールディングス(以下、バローホールディングス)のグループ企業で「サキミル」の実証を実施。来店客数予測精度 約93%という結果が得られ、精度の向上が日配品や生鮮品の欠品・廃棄の削減に貢献しました。

予測精度は93%!来店者数・商品需要の予測が欠品や廃棄の削減を実現

予測精度は93%!来店者数・商品需要の予測が欠品や廃棄の削減を実現

バローホールディングスは、今後、全1,200店舗を対象に順次「サキミル」を導入し、来店客数予測を在庫発注業務に役立てる予定です。

予測精度は93%!来店者数・商品需要の予測が欠品や廃棄の削減を実現

「サキミル」では、2022年1月から店舗への来店客数予測機能の提供を開始し、今後、商品の需要予測機能や在庫発注や勤務シフト作成などの機能も追加される予定です。一般的に、精度を高めるために細かくカスタマイズするとコスト高くなる傾向にある類似サービスより、「サキミル」は低価格・高精度でサービスを提供。小売り・飲食業界の課題解決をさまざまな側面から支援してDX推進を支援していきます。

AI需要予測サービス
「サキミル」を詳しくみる

(掲載日:2021年2月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部