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始動から1年。南相馬の復興支援プロジェクトから新事業がスタート。若者起業支援「Next Action➔Social Academia Project」の今

始動から1年。南相馬の復興支援プロジェクトから新事業がスタート。若者起業支援「Next Action➔Social Academia Project」の今

 

福島県南相馬市小高区で、震災から10年を機に発足した起業支援プロジェクト「Next Action➔ Social Academia Project」の始動から1年。参加者がこれまでの活動を報告する場として、1周年記念イベントが3月6日に南相馬市の「小高パイオニアヴィレッジ」で行われました。

この1年間にスタートした事業を始め、記念イベントではこれまでの活動実績や今後への抱負などが発表されました。社会課題の解決に向けてさまざまなチャレンジに挑んできた参加者の一年はどんなものだったのでしょうか。

起業のプロと1対1面談、顧客インタビュー。チャレンジ盛りだくさんの1年

東日本大震災や原発事故の影響を受け、一度は人口ゼロとなった地域、福島県南相馬市小高区。「Next Action➔ Social Academia Project(NA→SAプロジェクト)」は、「小高パイオニアヴィレッジ」を運営する一般社団法人パイオニズムが主体となり、10代で震災を経験した若者がチャレンジする社会課題の解決に向けた事業を支援するプロジェクトです。事業創出を通じて社会に挑戦の連鎖を生み出し、2030年までに100人のチャレンジャーが100の事業を創出することを目指します。

プロジェクト発足後、145名の参加者が1年以内に起業を目指す「アポロ」、将来の起業を考えている「ロケット」、福島や社会のために行動を起こしたい人向けの「ブースター」の3クラスに分かれ、それぞれのゴールに向けて取り組んできました。毎月11日の月命日に開催された「NA→SA会議」では、外部講師を招いた講義や参加者の交流を深めるワークショップなどが行われ、参加者の成長を促す場となりました。

他にも、起業のプロとの月2回の一対一の面談や起業に向けた講義、顧客インタビュー、現地ツアー、自己内省のワークショップなど、参加者は各クラスのレベルや目的に応じたサポートを受けてきました。今回の1周年記念イベントは、これまでの活動や成長を振り返るとともに、切磋琢磨し合う仲間や一年間お世話になったサポーターたちにその姿を披露する機会でもあります。

起業のプロと一対一面談、顧客インタビュー。チャレンジ盛りだくさんの1年

3つのチャレンジが事業化! コミュニティカフェやゲストハウスなど、アイデアの実現へ

この一年間の取り組みを通して、一年以内に起業を目指す「アポロ」クラスの参加者4名の内、3名が既に事業をスタートし、1名は起業準備に向けて小高市に移住するなど、事業が着々と前進しています。「ロケット」クラスからは、事業創出に向けた準備や地域でのプロジェクト推進、参加者によるワークショップの実施など、各クラスからさまざまなチャレンジを創出。福島県外在住の参加者も多い中、オンラインを活用して活動の幅を広げてきました。

3つのチャレンジが事業化! コミュニティカフェやゲストハウスなど、アイデアの実現へ

参加者を代表して、アポロ、ロケット、ブースターから計9名が、これまでの活動や学びについてプロジェクトメンバーや関係者に報告しました。他の参加者たちも、仲間の事業に対する姿勢や熱い思いを改めて耳にし、刺激を受けている様子でした。

アポロクラスに所属し、事業をスタートさせた佐々木遥香さんは、相馬市在住の子育てママが自分らしく過ごせる親子カフェをプレオープン。子育てをする地域の女性も、育児をしながら自分のありたい姿を追求できるようにしたいとの思いの下、これまで活動に取り組んできた中での困難や学びについて発表しました。

3つのチャレンジが事業化! コミュニティカフェやゲストハウスなど、アイデアの実現へ

3つのチャレンジが事業化! コミュニティカフェやゲストハウスなど、アイデアの実現へ

佐々木さんの発表では、月2回の起業家との面談で、当初抱いていた事業の構想に対して手厳しいアドバイスを受けながらも、事業実現に向けてイベントの開催やインタビュー、アンケートを実施するなど、試行錯誤の末にカフェのプレオープンにたどり着いた経験が語られました。事業企画のさらなるブラッシュアップに向けて、今後はロケットクラスに参加する予定とのこと。自分の事業で喜んでくれる人を増やすために奮闘中の様子でした。

相馬の“関わりしろ”を増やしたい。参加者のチャレンジも、どんどん加速!

相馬の“関わりしろ”を増やしたい。参加者のチャレンジも、どんどん加速!

小学校6年生のときに被災した松本光基さんは、「個性」と「交流」の力で相馬と関わる人を増やすため、現在カフェ・シェアスペース事業とゲストハウス事業を計画中。相馬で“誰もが関わりたくなる地域”を意味する“関わりしろ”と人々の選択肢を増やすサービスとして、2022年6月に地域と地域外をつなぐゲストハウスをオープンする予定。この一年を振り返り、実現したい社会に向けて、優先順位をつけて一つずつ取り組んでいくこと、一緒に働く仲間との話し合いでは、相手に視点を合わせることや、事業を成すのは人であるという観点から、事業仲間や地域の住民、NASAプロジェクトで応援してくれる方々へ感謝の思いを伝えました。

他にも、海洋モニタリングシステムの開発や空き家を改築したコミュニティーハウスの運営、人材育成教育プログラムの提供といった参加者それぞれの切り口から行われた活動を通して、1年間で得た学びや今後に向けた熱意が語られました。

相馬の“関わりしろ”を増やしたい。参加者のチャレンジも、どんどん加速!
相馬の“関わりしろ”を増やしたい。参加者のチャレンジも、どんどん加速!

参加者の活動報告を受けて、NASAプロジェクトを主催する一般社団法人パイオニズムの代表理事・和田智行さんは参加者に向けてこう語りました。

相馬の“関わりしろ”を増やしたい。参加者のチャレンジも、どんどん加速!

「皆さん最初は、自信がないように見えることもあったし、仮説検証を続けて、うまく行かずに失敗したこともあったかもしれません。、一年の活動を通して皆さんから自信が伝わってくるようになりました。これからも失敗を恐れず挑戦していってください」と今後への期待を伝えました。

「Next Action➔ Social Academia Project 」の矢印サインを作って写真を撮った後、一年の活動を讃えて個人表彰が行われました。

相馬の“関わりしろ”を増やしたい。参加者のチャレンジも、どんどん加速!

NASAプロジェクト、2年目に突入! 挑戦の連鎖はどんどん続く

NASAプロジェクト、2年目に突入! 挑戦の連鎖はどんどん続く

最後に、NASAプロジェクトを通じて今後なりたい自分や実現したいビジョンを一人ひとりが改めて表明。参加者それぞれが自分が達成したいチャレンジや解決したい社会課題を再認識し、記念イベントは幕を閉じました。

NASAプロジェクト、2年目に突入! 挑戦の連鎖はどんどん続く

2年目に突入した「Next Action➔ Social Academia Project」は、これまでの一年間の取り組みを振り返り、参加者の声も反映して、さらにアップデートを続けていきます。1年以内の企業を目指す「アポロ」クラスは、募集人数を追加し、3月、9月、通年募集で合計12名募集する予定とのこと。「ブースター」クラスではオンラインでも参加できるワークショップなどを提供するなど、より多くのチャレンジが生まれるようにさまざまな工夫がされ、ソフトバンクとヤフーは講師の派遣や「つながる募金」「Yahoo!ネット募金」などを通してプロジェクトの支援をしています。

「カタヤブリな大人」からの講義が年に4回、初回はFemtech分野に取り組む「株式会社陽と人」の小林味愛社長の講義を予定するなど、今後もさまざまな活動を行っていく予定です。次の1年でどんな事業が生まれていくのか、お楽しみに!

ミライを興せゴールデンエイジ

「Next Action➔
Social Academia Project」
公式サイト

(掲載日:2022年3月30日)
文:ソフトバンクニュース編集部