人工衛星の中で地球を周回する一般的なものと異なり、特定の地域の上空に長時間留まる軌道をとるもの
高精度な測位情報はさまざまな分野で生かされる
準天頂衛星は名前に「準」が付く通り、地上から見て完全に天頂に留まるものではなく、1日で南北を1往復するように見える特殊な軌道を取る人工衛星のことを言います。長時間上空に留まるため、通信サービスや地上の位置を測るサービスに適しています。複数機の準天頂衛星を組み合わせることで24時間常に上空に留まる運用が可能となり、機数を増やせばカバーできる範囲が広がります。
日本では複数機で構成する「みちびき」を利用した実証実験が進む
2022年現在の日本で代表的なものとしては、4機で構成する準天頂衛星システム「みちびき」が稼働中で、センチメートル単位の非常に高精度な測位を行っています。測位サービスは、例えばトラクターを自動で運転し夜間に無人で農地を耕すことや、海上において確実な位置情報に基づいたより安全な工事ができるなど、さまざまな利用方法が検討され、その実証実験が行われています。「みちびき」は2023年度中に7機体制への増強を予定していて、さらに精度の高いサービスが期待されています。
ソフトバンクでも準天頂衛星「みちびき」などの衛星測位システムとソフトバンクの独自基準点を利用し、誤差数センチメートル以内の高精度測位サービス「ichimill」を提供中です。
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記事冒頭の写真は「みちびき2・4号機のCG画像」(みちびきウェブサイト)の画像を加工して作成【出典:qzss.go.jp、提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局】
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(掲載日:2022年4月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部