皆さんは「2.5次元ミュージカル」という言葉を聞いたことはありますか? 日本の2次元の漫画・アニメ・ゲームなどを原作・原案としてつくる3次元の舞台の総称で、日本で各種の公演が行われています。
今年、2.5次元ミュージカル「アマネ†ギムナジウム」を中心に数々の人気作品を手掛けるネルケプランニングとソフトバンクがコラボレーションを開始。5月に実施された「アマネ†ギムナジウム オンステージ」が、ソフトバンクの5G LABに登場しました。2.5次元とデジタルの世界の融合はどのように実現しているのか、リアルとデジタルの融合がもたらすエンタメの未来について、ネルケプランニングの松田誠さん、野上祥子さん、XRの技術提供を行っているソフトバンクの原田賢悟が座談会で熱く語りました。
座談会に参加していただいた方
株式会社ネルケプランニング
代表取締役会長 松田 誠(まつだ・まこと)さん
一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会 代表理事
演劇プロデューサー
代表作は、ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、ミュージカル「黒執事」、 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage、『ロミオ&ジュリエット』、 『ロックオペラ モーツァルト』、ミュージカル『アメリ』、劇団EXILE他。
株式会社ネルケプランニング
代表取締役社長 野上 祥子(のがみ・しょうこ)さん
大学在学中より劇団の制作などを経て、現会長との出会いをきっかけに1998年株式会社ネルケプランニングに入社。以降、同社制作のすべての舞台、およびTVアニメやイベントなど、多岐にわたるキャスティングを担い、幅広い作品作りに貢献。
2016年7月に同社社長に就任。プロデューサーとして、2.5次元ミュージカルを中心に、さまざまなジャンルで新たな作品を生み出し、海外公演も精力的に行うなど、新たなチャレンジを続けている。
ソフトバンク株式会社
コンシューマ事業統括 サービス企画本部
本部長 原田 賢悟(はらだ・けんご)
旅行会社に営業として勤務後、通信キャリアに転職し、勤務先の買収によりソフトバンクへ。営業推進やスポーツ事業、EC事業、コンテンツ事業など多岐にわたる事業での立ち上げや統括を経験を経て現職。
「アマネ†ギムナジウム オンステージ」とは
原作 古屋兎丸(ふるや・うさまる)「アマネ†ギムナジウム」(講談社モーニング KC)
脚本 渡辺雄介
演出 小林顕作
ストーリー
人形作家・宮方天音(みやかたあまね)を主人公に、彼女が作り出した 7体の球体関節人形が 少年となって織りなす、耽美で脆く切ない青春群像劇。 公演詳細ページはこちら
(C)古屋兎丸・講談社/アマネ†ギムナジウム オンステージ製作委員会
アナログの演劇だからこそデジタル技術がプラスに
コロナがあってエンタメの常識が変わりました。公演ができないとか、劇場に行っちゃいけないとか… 。行っちゃいけないと言われると僕らはどうしようもなかったんです。 そのときいろいろな可能性を考えた中で、演劇とデジタルの融合は少なかったんですけど、これからはデジタルと融合していかないとエンタメの命はないなと思うところがあって。ソフトバンクのXRと一緒にやるというのは、僕たちからするとかなり挑戦だと思っています。
演劇はずっとアナログの世界で「実際に体感」することが大事と思われてきました。でも、コロナがあって……。自分たちのマインドも変えていく必要があることに気が付きました。アナログだからこそデジタルがプラスになるという学びがありましたね。
ライブ観戦の場でXRがどんな貢献ができるか、ソフトバンクとしてもまだまだ手探りです。2.5次元があるなら、3.5次元もあっていいんじゃないか、とか。
2022年5月に行われた実際の舞台では、観劇中にスマホをかざすと、場所やセットを検知して楽曲に合わせてさまざまなARエフェクトが出現するなど、新しい観劇スタイルの実証実験も行われました。
「AR SQUARE」で楽しむ
やってみると課題は多かったですね。最初から原田さんとはトライアンドエラーだね、と。初めから全部が成功しないってわかっていました。
XRは、漫画でページをめくるときのドキドキをもっとより近いものにしてくれる。ファンタジーの世界と行ったり来たりできるというところが革新的で時代に合ってると思いました。
お芝居の世界では、照明や音響、衣装は「魔法をかける」と言うのですが、XRは今まで使ったことがない新しい魔法をデジタルでかけられるという印象ですね。
ソフトバンクもXR、メタバースにチャレンジするなかで、この魔法をいかに簡単にお客さまにお届けできるか、裸眼で簡単に見られるようなところまで技術が発展すればものすごいことが起きる。誰も経験したことがない演劇を一緒につくっていきたいですね!
このトークの続きは、動画(6分57秒〜)で
お楽しみください。
今回のここばなは、東京 竹芝にあるソフトバンクのカフェテリア「カフェシバ」で収録しました。
オシャレカフェのような「カフェシバ」や執務室などの様子をこちらからご覧ください!
コロナ禍だから生まれたXRによる新しい観劇スタイル
コロナ前、メインは目の前のライブで、配信はサブの役割だったのが、今は、ライブ、配信それぞれがメインの役割に変化してきています。映画とは違い、演劇の良さはセリフをしゃべっていない役者さんを自由に見られるところ。VRなら好きなアングルで自分の見たい場面だけ見られるといったように、自分で好きなものを見られるという演劇体験ができる。新しいお芝居の楽しみ方としてVRやFRがあるんじゃないかなと思いますね。
withコロナ時代、家で観劇したい人に、XRによって楽しみ方の選択肢が増えましたね。
東京で公演しているときに、札幌や福岡の劇場でまったく同じものがインタラクティブに体験できるようなXRでのチャレンジを次回ぜひ一緒にやりましょう。
演劇はお客さまの熱量がいちばんの味方なんです。作り手よりたぶん貪欲(どんよく)で、許容範囲が広い。演劇業界は生にこだわっている印象。実際、お客さまはもっとニュートラルで、配信ならアレもコレも見られる、という感じ。最初はいかにライブに近いことができるか、補填することを考えていた。でも今回の取り組みでライブとは異なる喜びを探したほうがいいということに気が付きましたね。
ライブとXRで2度楽しめるということですよね(笑)
ソフトバンクは、先日、メタバース内でピッチャーの投球を体験できる実証実験を開始したばかりです。福岡の球場に行かなくても東京から「このピッチャーの球はすごいね!」とか。コロナ禍ならではの発想で生まれたものだと思います。
このトークの続きは、動画(15分22秒〜)で
お楽しみください。
「VR SQUARE」で楽しむ
ゴールは誰もみたことがない世界
お客さまは我々より先を進んでいて、XRならもっとこんな表現ができるんじゃないか、この世界を広めたい熱量がとにかくすごくて、お客さまから学んで一緒に成長していると感じています。
XRを広げていく仕掛け作りが非常に重要。ソフトバンクの技術で実現できるようにチャレンジしていきたい。ゴールは“誰もみたことがない世界"です。
お客さまとネルケプランニングとソフトバンクさんが、三位一体となって、一緒に新しいことを生み出していく。ここが大事だと思います。お客さまは良かった、つまらなかった、をきちんと言ってくださる。実験中だからこそ、意見を聞いて一緒につくっていきたいですね。
我々はこれがいいと思って取り入れても、お客さまはそれを求めていなかったとか、たまに間違えちゃうこともあるんです(笑)でも、賛否があってざわめいて先に進むことが大事だと思います。
エンターテインメントは生きる勇気だと思っています。ワクワクする気持ちとか。ソフトバンクさんと一緒に、演劇 × XRで夢のあることをやっていきたいですね。
ありがとうございます! 夢しか見ていないです(笑)XRは人の行動を変えていく技術です。ゴーグルがなくてもXRが体感できる現実とバーチャルが融合した世界をつくってみたいと思っています。
演劇とデジタルの融合が生み出す新しいエンタメへの期待感を熱く語る3人。動画の全編はこちらからご覧ください!
(掲載日:2022年6月22日)
文:ソフトバンクニュース編集部
リアルとバーチャルが融合する2.5次元のミライ体験に刮目せよ!
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