8月16日、神奈川県および神奈川県警察本部とソフトバンクは、特殊詐欺をはじめとする各種犯罪の未然防止に向けて「地域安全に関する協定」を締結しました。
手口は認知されても、特殊詐欺の被害は後を絶たない
電話などを使って口座に振り込みをさせ現金をだまし取る特殊詐欺。オレオレ詐欺や架空の料金請求を口実とした詐欺など、電話がなければ成り立たない犯罪であることが特徴です。その手口は広く認知されるようになった一方で、被害は後を絶ちません。神奈川県では、安全・安心まちづくり推進条例に基づき、県と警察をはじめ、県民・民間事業者・市町村が一体となって犯罪の撲滅に取り組んでいますが、2022年に入って高齢者を狙う特殊詐欺が増加傾向にあります。「自分は大丈夫」と思っていても、一度犯人と被害者が話をしてしまうと、巧みな言葉で騙されてしまうことが多いそうです。
今回締結した協定は、高齢者を対象とした特殊詐欺への対策として、特殊詐欺の事例や迷惑電話防止について説明をする「迷惑電話防止教室」の開催や、神奈川県警察との共同作成によるチラシを利用した注意喚起・意識啓蒙を通して、詐欺被害の未然防止を推進するというもの。「迷惑電話防止教室」は、神奈川県内のソフトバンクショップおよびワイモバイルショップで行われるスマホ教室の一環として、2022年8月中に開始されます。
なお、神奈川県警察の監修のもと、特殊詐欺被害を防ぐためのPepperを活用したコンテンツを開発して、2023年以降に防犯講話の開催も予定されているとのことです。
県警も効果を期待。2つの機能で被害を抑える
特殊詐欺の対策として神奈川県警が注目したのは、ソフトバンクの固定電話サービス「おうちのでんわ」とワイモバイルの「かんたんスマホ2+」に搭載された「迷惑電話対策」機能です。これまでの固定電話機での対策は、「かかってきた迷惑電話を取らない」という受信者側の意識や、留守番電話機能付きの固定電話の利用によって防ぐものでした。今回は、「おうちのでんわ」にかかってきた電話をスマホに転送することで、「かんたんスマホ2+」の「迷惑電話対策」機能によって画面に迷惑電話の警告が表示されるため、機械的に犯人と直接電話で話す機会を減らせ、万が一電話に出てしまっても、通話内容を自動録音し、犯人側にも録音していることが通知されるという仕組みになっています。
神奈川県くらし安全防災局くらし安全防災局長の佐川範久さんは、「今回の連携協定では、犯人と電話で話をしない・させない、という観点から、非常に大きな効果があるのではないかと期待している」と語りました。
神奈川県警察本部生活安全部生活安全部長の則次誠二郎さんは、「孫や家族との関係を悪用した特殊詐欺の『電話』という入り口を防ぐことができれば、犯罪がなくなると確信している。警察、県、企業が一体となって特殊詐欺を一件でも減らしていきたい」と意気込みを表明。
ソフトバンクから出席したCSR本部長の池田昌人は「迷惑電話防止教室だけでなく、迷惑電話防止サービスやおうちのでんわなど固定網のサービスを通して、高齢者を狙った特殊詐欺を機械的に防止することを目指す。県や県の警察と連携して、楽しく安心・安全に携帯電話やスマートフォンを活用する生活を県民の皆さまにお届けしたい」とコメントしました。
今回の連携協定に関する詳細は、以下のお知らせをご覧ください。
- 神奈川県および神奈川県警察と「地域安全に関する協定」を締結~神奈川県のソフトバンクショップなどで「迷惑電話防止対策教室」を実施~(2022年8月16日、ソフトバンク株式会社)
(掲載日:2022年8月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部