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自動運転バスやドローンの活用で交通・物流のスマート化へ。河野デジタル大臣が茨城県境町を視察

自動運転バスやドローンの活用で交通・物流のスマート化へ。河野デジタル大臣が茨城県境町を視察

人口約2万4,000人の茨城県境町には鉄道が運行しておらず、住民の高齢化を背景にバス利用の需要が近年高まっていますが、バスの運転手が足りていません。そこで境町では、ソフトバンクの子会社のBOLDLY株式会社(以下「BOLDLY」)と協力して、交通の利便性向上や地域活性化を目指し、自動運転バスやドローンを活用した交通や物流の自動化に取り組んでいます。

こうした取り組みの要となる自動運転バスや、物資配送ドローンを視察するため、2022年10月12日、デジタル大臣を務める河野太郎氏が境町を訪れました。

時速20km未満。町の中心地を運行する自動運転バス

境町の中心地である「道の駅さかい」を起点に走行する自動運転バス「さかいアルマ」は、現在、2つのルートを定時運行しており、住民や観光客は無料で乗車することができます。運転免許証の自主返納や高齢単身世帯の増加などによりバスの利用ニーズが高まっている境町は、自動運転バスのシステム開発や導入支援を行うBOLDLYの協力の下、2020年11月に自動運転バスを導入しました。市民の要望を受けてバス停やルートを追加するなど、多くの人に利用されています。今年度、内閣府のデジタル田園都市国家構想推進交付金事業の一つに、境町での自動運転バスやドローンを活用した取り組みが採択されたことを受けて、境町では、BOLDLYなどと協力した産官共同の新たな取り組みが行われています。

時速20km未満。町の中心地を運行する自動運転バス

境町で運行している自動運転バスは、ドライバーの監視が必要とされるレベル2に当たりますが、実際にはほとんど自動運転で走行しており、手動操作となるのは現在3割程度です。

信号のある交差点を通過したり路上駐車を回避したりする際には、BOLDLYによるトレーニングを受けた車内のオペレーターが、必要な判断を行っています。走行速度は時速20km未満で、路線バスの運転手ほどの資格は必要ないため運転のハードルが低いとされ、ドライバー不足の解決策としても期待されています。

コントローラーを使って手動操作されますコントローラーを使って手動操作されます

コントローラーを使って手動操作されます

スーパーの日用品や料理の配送に活用されるドローン

スーパーの日用品や料理の配送に活用されるドローン

物流業界における人手不足が深刻な課題となっていることから、境町では新たにドローンや自動運転バスなどを活用して、スマホアプリから注文したスーパーの日用品や飲食店の料理を効率的に配送するサービスの実用化に向けた取り組みも始めています。この取り組みで使用する日本発の物流専用ドローン「AirTruck」は、最大5kgの荷物の運搬、最大20kmの飛行が可能とされています。

2022年末には、市街地など人がいるエリア(第三者上空)で補助者なしでの目視外飛行ができるレベル4の飛行解禁が予定されており、それに向けてドローンの充電スタンドや荷物の集約拠点などの整備が行われます。この取り組みはデジタル田園都市国家構想事業として行われ、将来的には、注文から最短30分以内で商品を受け取れる物流システムを構築していく予定です。

  • 目視できない遠隔地からドローンの操縦を行うこと

交通や物流のスマート化が進む町を、河野デジタル相が視察

河野デジタル相は、ドローンの機体や荷物を入れる様子を見学した後、「道の駅さかい」まで向かう実際の運行ルートで、20分ほど自動運転バスに試乗。視察の感想として、「境町の自動運転バスは、これまで何回か視察に来ようと思っていたが、今回ようやく見に来ることができた。ご高齢の方から子育て世代まで便利に自動運転バスを使ってくださっていて、それが町の観光や産業に影響を及ぼしている。他の自治体への横展開に向けて、政府として後押ししていきたいと思っている」とさらなる町のデジタル化へ向けた思いを語りました。

交通や物流のスマート化が進む町を、河野デジタル相が視察
交通や物流のスマート化が進む町を、河野デジタル相が視察

境町では今後、無人運転が法律上可能となる自動運転レベル4の解禁に向けて、通信による信号機と自動運転バスの連携にも取り組んでいく予定です。

茨城県境町に関する取り組みは、以下のプレスリリースをご覧ください。

茨城県境町におけるドローンや自動運転バスを活用した新スマート物流の実用化に向けて、2022年10月から実証を開始(2022年10月3日、茨城県境町、株式会社エアロネクスト、セイノーホールディングス株式会社、BOLDLY株式会社、株式会社セネック)

(掲載日:2022年10月20日)
文:ソフトバンクニュース編集部