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デジタル学習ならではのメリットとは。進研ゼミの担当者に聞く家庭学習の最新事情

忙しくても自分に合った学習ができる。ベネッセの担当者に聞く、最新のデジタル学習事情

ここ数年、急速に学校教育のデジタル化が進んでいます。以前は当たり前だった「紙」を使った学習から、パソコンやタブレットなどへ学習ツールが移行していく中で、家庭での学習スタイルにどのような変化が起きているのでしょうか?

家庭での通信教育として利用者も多いベネッセの進研ゼミ中学講座の担当者に、最新のデジタル学習事情や、実際に家庭学習に利用されているデジタルツールの機能などを教えていただきました。

目次

話を聞いた人

山根 伊都子(やまね・いつこ)さん

山根 伊都子(やまね・いつこ)さん
株式会社ベネッセコーポレーション 中学生商品部 商品部門 責任者
進研ゼミ中学講座を担当

答えを書いたら自動で採点。デジタル化が進む家庭学習

答えを書いたら自動で採点。デジタル化が進む家庭学習

そもそも、学習のどんな場面でデジタルが活用されているのか教えてください。

山根さん

「2021年度に学習指導要領が変更され、『先生が教えて子どもが聞く』という従来の授業スタイルから、主体性や表現力といった『子どもが自分で考える力』を養うことに重点が置かれるようになりました。デジタルが活用されているのは、調べ学習やレポート作成、デジタルドリルの問題を解いたり、発表の資料をまとめるといった場面です。

学校や地域によって方針はさまざまですが、ICT端末を使った宿題を出す学校もあり、家庭学習でも少しずつデジタル化が進んでいる印象です。ベネッセが提供する進研ゼミ小学講座・中学講座でも、従来の紙の教材と、ベネッセの専用タブレットを使って学ぶハイブリット形式の通信教育を2014年から導入していて、およそ7割を超える受講者の方にご利用いただいています」

子どもたちの家庭学習には、どんな効果があるのでしょうか?

「元々、中学生は課外活動や習い事などで忙しく、家庭での勉強を短時間で済ませたいと思う子が多い傾向にあります。例えば進研ゼミのデジタル教材では一人一人に合ったレッスンがAIによってレコメンドされるなど、学習にデジタルツールを導入することで、限られた時間の中で自分が取り組むべきものだけに集中できるようになると思います。

デジタル化により、勉強中のちょっとした作業の負担も軽減されると考えています。文字を書くことより消しゴムで消すことのほうが大変と感じている子も多かったですが、デジタルツールならすぐに消せて便利。勉強時間も有効に使えるようになると思います」

進研ゼミのデジタル学習には、記入した回答を自動採点する機能も搭載。他にも、間違えた箇所だけが自動でピックアップされて簡単にやり直しができる機能などがある

進研ゼミのデジタル学習には、記入した回答を自動採点する機能も搭載。他にも、間違えた箇所だけが自動でピックアップされて簡単にやり直しができる機能などがある

紙での学習に比べて、他にはどんな作業が便利になったんですか?

「よくある分かりやすい例としては、理科や社会でよく用いられる図版を自由自在に拡大して見ることができたり、一度引いたマーカーを簡単に消せたりすることです。英語の学習では、音声読み上げだけでなく、自分の声を録音して見本と比べられるなど、学習の手助けになります」

デジタル学習について、小学校の校長先生にもお話を聞いています。

紙の教材にはない、デジタル学習だからこそのメリット

デジタル学習の良さはどんなところにあるのでしょうか?

山根さん

「厚みのある紙の教科書に一から取り組むより、子ども一人一人の苦手や習熟度に合わせて、短時間から必要なレッスンに取り組むことができるのはデジタル学習の大きなメリットです。他にも、デジタルの世界では自分の関心事をネットやアプリ上で検索して自分で調べることができますよね。自分の好きなことについて学びを深められるのも、デジタル学習ならではです。

進研ゼミでは、単元の理解度を測るスコアリング機能を使って習熟度を可視化することもでき、理解定着のサポートも行っています。ただレッスンをやって終わりではなく、『現時点では単元の理解度が80点だから、もう1回やり直そう』と思えたり、勉強の取り組み方も工夫しやすくなりますよね」

一人一人に合った今日のオススメレッスンが提案される「デジタルチャレンジ」

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子ども一人一人の学習が最適化されているんですね。他にもメリットはありますか?

「インターネットの特長に世界中の人と交流できることがありますが、デジタル学習も同じです。家で1人で勉強するのではなくて、共通の趣味や出身地などをきっかけに全国の子どもたちとつながれば、一緒に勉強することでモチベーションアップにもつながります。友だち同士が一緒に励まし合ったり、褒め合えるアプリを進研ゼミでは提供しており、それでやる気が湧いたという子もいます。
あとはやはり、質問のしやすさもデジタル学習ならではの特長と感じています」

デジタル学習のほうが、紙での学習より質問がしやすいということですか?

「子どもたちの中には、そもそも何を質問したらいいのか分からないと感じる子もたくさんいます。他の人の質問を聞くと、『それ、私も知りたかった』という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。分からないと感じたら質問ボタンを押して、よく出る質問を一覧で確認できるようにして学習をサポートするよう進研ゼミでは心がけています。

質問のしやすさでいうと、デジタル学習の一つであるオンライン配信授業も同じです。『なんでだろう?』と感じた瞬間に解決してあげないと子どもは質問を忘れてしまうことがありますが、インターネット上のライブ授業であれば、リアルタイムで講師が解説する最中に、子どもは気軽にチャットで疑問や質問を送ることができたりします。授業を行う講師側も、一度に質問を確認する時間を設けたり、チューターなどの授業サポート者が裏でチャット欄に送られた質問にその都度回答することで、限られた授業時間内でもたくさんの疑問を解消することが可能です。

進研ゼミの場合は、チャットで質問をするときに、他の生徒が見られるチャットか、講師だけが見られる個別のチャットを選ぶことができようにしているので、『他の子の前で恥ずかしくて質問ができない』ということはありません。対面の授業では実現できなかったことだと思います」

ライブ授業の右側に表示されるチャット欄では「みんなでチャット」と「こっそりチャット」を選択できる

ライブ授業の右側に表示されるチャット欄では「みんなでチャット」と「こっそりチャット」を選択できる

子どものデジタル学習をどうサポートしたらいい? 心がけたい、デジタルとの付き合い方

子どものデジタル学習をどうサポートしたらいい? 心がけたい、デジタルとの付き合い方

さまざまなメリットがあるデジタル学習。そうはいってもやっぱり、タブレットの利用を躊躇(ちゅうちょ)する親御さんも多いのではないでしょうか。

山根さん

「学校にICT端末が導入されて、デジタルツールを使った学習の様子を自宅でも見る機会が増えたことで、デジタル学習に対する親御さんの理解も進みました。

その一方で、自分たちが経験した学習方法とは異なるため共感するのがなかなか難しいと感じる親御さんもいらっしゃいます。『スマホで動画ばかり見てしまう』『PCを長時間利用している』『デジタル学習だけで理解が定着しているのか心配』といった声も。子どもの宿題の進捗(しんちょく)を確認するにも、紙の教材に比べてタブレットだと難しかったりします」

GIGAスクール構想により家庭での理解が進んだ一方で、やっぱりまだ不安を感じる親御さんも多いんですね。これから、教育のデジタル化とどのように向き合っていったらいいのでしょうか?

「ここ数年でデジタルとの付き合い方も変わってきていて、子どもにとってもデジタルツールはなくてはならないものになっていきます。そうしたときに、彼らがどこまでインターネットの危険性を理解できているか、いかに子どもを危険から守るか、を考えることが大切です。

すでに普及し始めているデジタル学習は、まさにネットの使い方を学ぶ実践の場です。進研ゼミのライブ授業でも、画面の向こう側には何人もの人がいるということを冒頭で必ず伝えていますし、チャットに個人情報を書いてはいけないといった注意も行っています。またそうしたリテラシー以外にも、タイピングや検索力など、デジタルツールを使いこなすスキルを向上させる機会ととらえることもできると思います」

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ネットリテラシーの育成が、今後ますます重要になっていくんですね。

「デジタルツールを使った発言の仕方など、企業としても自分たち自身の考え方をアップデートして、ルールを積極的に作っていく必要があると感じています。個人情報流出のリスクや、不適切な発言が相手にどんな影響を与えるのかなど、子どもにしっかり伝えていく必要があると思います。

リテラシー以外にも、親御さんが特に心配されるのは視力の問題です。ぜひ利用時の環境や姿勢に気を配ってあげてください。暗いところでデジタル教材を利用しない、利用時間の制限、角度がつきやすいタブレットカバーなどを付けて置き方を工夫するなど、目に負担がかからないようにすることも大事です」

最後に、デジタル学習がさらに普及していく上で、親御さんへのメッセージをお願いします。

「子どもにとって、インターネットは身近でなくてはならないものになっていて、大人が考えているよりもデジタルツールを使いこなしています。一方で、教育現場はまだ過渡期で、学校がデジタル教材を用いたより良い学習を推進できているか、そのやり方が本当にベストなのかは長期的に見ていく必要があります。進研ゼミも、子どもたちにとって良いコンテンツやデバイスなどをもっと考えていく必要があると思っています。

デジタル学習の良さは、人と考えを共有して意見交換をしたり、好きなもの・学びたいものを見つけてさらに深く学習できるところ。個人情報を発信しないなど最低限のリテラシーを育みながら、さまざまなデバイスやネットの情報を使って、学習していただきたい。それを企業として応援していきたいと思っています」

ありがとうございました。

(掲載日:2022年1月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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