9月5日、静岡県の富士市立高等学校 総合探究科の1年生と教員総勢約120名が、ソフトバンクと、グループ会社であるソフトバンクロボティクス株式会社、ヤフー株式会社、LINE株式会社の4社を訪問しました。
最先端のオフィスや社員の働く様子、各社の企業理念に触れ、生徒たちは何を学んだのでしょうか。
目次
AIが社会で活躍する様子や最先端の働き方を探る
ソフトバンクは、2022年度からAI活用人材を育成することを目的とした教育プログラム「AIチャレンジ」を提供しています。富士市立高等学校でもAIチャレンジを導入しており、AIの種類や仕組み、正しい活用方法についての授業を実施中です。しかし、生徒から「実際にAIがどのように社会課題の解決に貢献しているかがイメージしにくい」という声が挙がっていました。
実際にITやAIなどの情報技術が社会で活躍している様子を見ることで、AIの活用がどのように社会に貢献するのかやその在り方についてより興味を持ち、今後の学習に役立ててほしいという先生たちの強い思いから今回のグループ各社への訪問が実現しました。
スマートビルの見学と生成AI講座を受講(ソフトバンク株式会社)
ソフトバンクの竹芝本社は、東京ポートシティ竹芝内にある最先端テクノロジーが搭載されたオフィスビルです。生徒たちは、ビルのエレベーターと連携して自動でビル内を移動するロボットなど、AIやIoTなどがビルで活用されている様子を見学しました。
ロボットの研究開発を行っているChief Scientist室では、独自開発している2種類のロボットを紹介。どのような要素技術で開発されているかを開発を担当している社員から説明を受けました。
また、生成AIの基礎について学ぶワークショップも開催されました。生成AIの種類や仕組み、正しい活用方法について受講し、生成AIを扱う際の注意点を理解した上で、実際に生成AIを活用して文章や画像の生成に挑戦。
参加した生徒は 「実際に使ってみて生成AIのすごさを実感できたので、今日学んだ正しい方法を使って今後の学習に役立てたい」 と、生成AIを日常生活で生かせるコツを学び、生成AIについてより興味をもってくれたようです。
ロボットが社会で実装されている姿を見学(ソフトバンクロボティクス株式会社)
ソフトバンクロボティクスが開催したワークショップでは、富士市の自治体の未来を考えました。2050年の富士市の姿を想像し、目指したい将来像とその実現に向けて、より良い未来を作るための解決方法や必要な政策を付箋に書き出し、グループごとに考えを発表しました。
参加した生徒は「未来の富士市でどのような問題が起こるのかを考え、どんな対策が必要なのかや現在抱える課題を見つけることができた」と、自分の住んでいる地域を見つめ直すことができたそうです。
ランチは、ソフトバンクロボティクス株式会社が運営するカジュアルダイニング「Pepper PARLOR」へ。人型ロボット「Pepper」が接客したり、配膳・運搬ロボット「Servi」が料理を配膳をしたり、人とロボットが働く新感覚のレストランです。
生徒たちは、座席にきた店員のPepperと話したり、Pepperが歌ったり踊ったりしている様子を眺めながら一緒に食事を楽しみました。
新しい働き方、働く場所に共感(ヤフー株式会社)
ヤフー株式会社では、オフィスツアーを実施しました。このツアーでは、社内レストランや実験オフィス、社員に限らず利用できるオープンスペースLODGEなどを巡りながら、ヤフーの行っている事業内容などを紹介。
インターネットの発展と進化の歴史や、ヤフーの先進的な取り組みの話に熱心に耳を傾けていた生徒からは、「ヤフーのような会社で働きたい」という感想もあり、オフィスや新しい働き方に魅力を感じたようです。実際に働く社員たちの日常を身近に感じることができるプログラムでした。
また、ヤフーについてより深く知るためのワークショップでは、生徒から「ヤフーを創設しようと思った理由は?」「どうやって情報を瞬時にまとめて提供しているの?」など次々に飛び交う質問に加えて、社員が社会貢献への熱い思いを語る場面もありました。
AIを使って街の未来を明るく変えるには?(LINE株式会社)
LINE株式会社では「富士市をよりよくする」をテーマに、ITやAIなどのデジタル技術を用いた地域復興対策を検討するワークショップを体験しました。
生徒たちは積極的に協力し、現在の富士市が抱える課題を挙げました。そして、それぞれのチームが独自の視点から富士市の抱える問題を整理し、優先順位付け。その中から各チームで一番解決したい課題を選定し、AIなどのデジタルを使ってどのように実現させるかを考えました。
最後に、各チームは、それぞれの考える富士市の課題と、それに対するAIなどのデジタル技術を駆使した施策をプレゼンテーションしました。デジタル技術の効果的な活用について興味を持つきっかけになったようです。
ITが活用されたオフィスと働き方が刺激に
生徒はそれぞれ訪問した会社で、実際に社員の働くリアルな姿を見たりお話を聞いたりしたことで「働く」ということを実感し、将来自分が働く時のイメージを持つことができたそうです。また、各社で担当者からITを使った今後の展望を聞き、AIやIoTがどのように社会課題の解決に貢献しているのかを知る機会になりました。
先生からは「普段は見ることのできないオフィスの様子や社員の仕事への熱意、取り組みを感じることで生徒たちも刺激になったようです」といった言葉や、各社の働き方について「働き方改革が進まない学校の教員としてもうらやましく思いました」という感想を話してくれました。
ソフトバンクとグループ企業は、職場に高校生を受け入れることで、次世代を担う子どもたちが企業のビジョンや活動に触れ、ITやAIなどの情報技術が社会課題をどう解決していくのかを知り、将来のビジョンを描くきっかけの提供につながると考えています。今後も次世代の育成を通じて社会に貢献する活動を続けていきます。
ソフトバンクのサステナビリティ
今回紹介した内容は、「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」に貢献することで、SDGsの目標「1、3、4、8、9、10、11」の達成と社会課題解決を目指す取り組みの一つです。
(掲載日:2023年9月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部
「AI活用人材」を探究学習を通じて育成
AIチャレンジは、これからの社会で求められるAIを使いこなせる「AI活用人材」を探究学習を通じて育成する実践的な教材です。今後、AI活用という資質・能力を生かした新たな仕事が数多く誕生すると考えられます。そのため、在学中の積極的な「AI活用人材」育成が期待されています。