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※ Duet AI for Google Workspace はGemini Enterprise に、 Help me visualize はHelp me design へ名称変更されています。
皆さん、こんにちは。Google Workspace 導入/技術支援チームです。
お客さまが Google Workspace を導入する中で出てきた課題や要望、お困りごとなどを解決するためのTIPSを、私たちSEの Google Workspace 利用方法を踏まえて発信しています。
今回は去年リリースされた Duet AI for Google Workspace の画像生成機能の使い道や注意点についてです。
2023年に「Duet AI for Google Workspace」という機能がリリースされました。その中の機能に Google スライドを使用した「Help me visualize」という画像を生成する機能があります。
今回は、この機能の使い道を考えてみました。
1点目は当たり前ですが、プレゼン資料として使用する点です。
以下は私のブログにたびたび出てくる Google Workspace の「コンテキストアウェアアクセス」という機能のイメージ図です。素材集のようなアイコンではなく、Duet AI を用いてオリジナルの画像を作成して使っています。
各種生成AIで業務時間が短縮できるといった謳い文句は多いですが、正直に言うと、生成AIによる画像生成で作業時間の削減になるかといえば答えは「No」です。画像の内容にこだわっている分、作業時間は増えています。
しかし、案外時間がかかってしまう画像やイラストを探す時間や、適切な素材が見つからず悩む時間は減らすことができます。また、素材集に適切な画像が無い場合でも、スライドにあった適切な画像が作成できるメリットは大きいです。
人間は視覚イメージから情報を多く得ているため、文字ではなく視覚に訴える適切な画像を利用することでプレゼン資料も魅力的になるはずです。
ほかにより使い方はないかと考えた結果、生成した画像で「製品」(Tシャツやグッズなど)を作成するということを思いつきました。Google サポートに確認したところ、生成された画像の2次利用による製品作成は問題ないという回答でした。(2024年1月中旬ごろに確認)
2次利用する場合は、念のため個別にGoogle サポートにお問い合わせしてください。
Google の Duet AI で利用できるのであれば、ほかの画像生成AIで規約違反にならないサービスがあるかもしれません。しかし注意点もあり、私の試した範囲では解像度の設定変更パターンが少ないケースが多くありました。
Google スライドの場合は画像の解像度を自由に変更可能なので、製品を作るのに必要な解像度で出力することができます。なお、画像としてダウンロードした場合、画像のサイズは最大 2500 x 2500 pixelになります。(2024年1月25日時点)
以下は試しにスライドのサイズを4Kサイズ(3840x2160 pixel)に変更して生成した猫の画像です。
※最大解像度を超えているのでダウンロード時に自動的に縮小されます。
生成する画像 のスタイルを「Background」にしているので自動でスライドのサイズにあわせた画像サイズになります。
ダウンロードした画像が以下です。
スライド上のメニューの「ファイル > ダウンロード」で「PNG」「JPG」形式などが選択可能です。
何かのグッズにこの生成した画像をプリントしたりできます。
実際に作成したTシャツがこちらです。
(Tシャツの作成 はGoogle 社とは関係のないサービスを使用しています)
Tシャツ作成サービスの推奨解像度を1300 pixel程度下回っていましたが、ぼやけたり荒くなることもなくプリントされました。
猫の部分だけのアップです。
Tシャツへのプリントは「インクジェット」式とのことなので参考にしてみてください。
生成AIの使用時に問題となる点として、著作権とは別に「知的財産権」があります。
”知的財産権とは、知的な創作活動によって何かを作り出したときに、その創作者に与えられる、創作したものを「勝手に利用されない」権利です。そのうち、精神文化的なものを「著作権」、物質文化的なものを「工業財産権」ないしは「産業財産権」といいます。”
Duet AI では知的財産権で訴えられた場合、Google 社で責任を負うとしていますが、「意図的に知的財産権を侵害するために生成したもの」は対象外になります。
参考:https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/protecting-customers-with-generative-ai-indemnification
└If you are challenged on copyright grounds, we will assume responsibility for the potential legal risks involved.
ただ、「意図的に」の判断基準が不明なため、不安は拭いきれないかと思います。このようなときに知的財産権侵害してないかを、Google の画像検索を使って簡単にチェックしてみるとよいかもしれません。
Google 検索の検索ボックスの一番右側にあるカメラのようなアイコンをクリックします。
画像をアップロードするようにポップアップ画面が出てくるので生成した画像を選択します。そうすると下記のように画像がWeb上で公開されてないかを確認することが可能です。
ここで全く同じものだったり、似たようなものが出てこなければ意図的に知的財産権を侵害していることはないだろうと思いますが、最終的な判断は利用者自身で行う必要があります。
この方法では Duet AI だけではなく他社サービスで生成された画像も確認することが可能です。
知的財産権の侵害は「バレなければいい」わけではありません。Google 社だけではなく Microsoft 社なども条件に従って利用した場合で知的財産権を侵害したときには「責任を負う」と公表していますが、利用者側で最低限の確認は必要です。生成AIサービス提供各社の責任範囲や条件は変更される可能性があるので、必ず毎回確認しましょう。
ちなみに、他社の生成AIサービスで作成されたものを画像検索すると本当に第三者のWebページに使われてたり、販売されている画像や酷似している画像が出てきたりします。生成AIで作成された画像で著作権侵害など「起きるわけがない」という考えは危険です。
また、参考となりますが知的財産権侵害で訴えられた場合に、Google 社へ補償を求めるにはGoogle サポートへ連絡が必要になります。その際に、以下の情報が必要になるとのことなので、訴えられたからといって焦ってファイルを消さないようにしましょう。(2024年2月上旬時点の情報です)
Duet AIによる画像生成は、作業時間短縮というよりも、より効果的な制作物を作成できる可能性がある点がメリットと言えます。また、画像作成をアウトソーシングする費用を削減する効果もありそうです。
皆さんも著作権や知的財産権には気を付けつつ、有効活用方法を探してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回も乞うご期待!
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