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ソフトバンク・チーム・ジャパン、ついに本領発揮!? ~第35回アメリカズカップ 予選シリーズ第2戦 ヨーテボリ大会レポート~

ヨット界最高峰、世界最古のスポーツトロフィーとされるアメリカズカップを目指す予選シリーズ第2戦が、セーリングが盛んなスウェーデンの港湾都市 ヨーテボリで、2015年8月29~30日の2日間にわたり開催されました。

前日の模擬レースでは好成績。本番初日の結果は?

本番前日に行なわれた模擬レースでは、スタートから第1マークまでは後れを取るものの、風下ゲート、風上ゲートとマークを回航するたびに順位を上げ、2レースとも2位でフィニッシュ。自ずと本番での好成績に期待が高まります。

そして迎えた初日。しかし待っていたのは厳しい結果でした。
相手艇のセールの影で風を奪われたり、有利なポジションを取れなかったりと、2レースともスタートで出遅れ。後半追い上げ型のソフトバンク・チーム・ジャパンは、持ち前の艇速と巧みなハンドリングで後半順位を上げていったものの、総合4位に終わりました。

会場のロイヤルヨーテボリヨットクラブハーバーには、レースを一目見ようと観客が大勢集まりました。

メインセールトリマー(メインセールの操作手)とタクティシャン(戦術家)を担当するクリス・ドレーパー選手は「第2レースのスタート失敗はポジション争いで負けて外に押し出されてしまったのが原因。でも、その後の挽回はうまくいきました。今回はコースが短いこともあり、タクティクス(戦術)はディーン(ディーン・バーカー艇長)のアイデアが多くなりましたが、明日はもっと順位を上げられると思います。私が思うに、ディーンは世界で一番スタートがうまいですからね!」と、2日目の巻き返しに期待を抱かせてくれました。

この日はレース後に、ファン向けのエキシビションとして、600mの直線コース走行タイムを競うトライアルレース「ナイトレース」が開催されました。結果は、ソフトバンク・チーム・ジャパンが35.9秒で2位。スピードは他艇に全く引けを取りません。

ソフトバンク・チーム・ジャパンが上位の一角を崩した!

これまでの予選シリーズでは、オラクル・チームUSA(アメリカ)、ランドローバーBAR(イギリス)、エミレーツ・チーム・ニュージーランド(ニュージーランド)の3チームが安定して上位を走っていましたが、2日目、ソフトバンク・チーム・ジャパンがついにその一角に食い込みました。

北西からの風、風速8~10ノット(約4~5m/s)の中で行われた第4レース(2日目の第2レース)。ソフトバンク・チーム・ジャパンはロケットスタートに成功し、第3コーナーを回航するところでついにトップに立ちました。風下へ向かう行程で、驚異的な速さで追い上げてきたエミレーツ・チーム・ニュージーランドに抜かれたものの、その後も安定した走りを見せ、2位でフィニッシュ。
ハーバーで観戦していた人々からも、健闘したソフトバンク・チーム・ジャパンに惜しみない拍手が贈られました。

表彰式の壇上に上がるソフトバンク・チーム・ジャパン

「スタートは好位置をキープできるようになり、スピードも問題ない。これは、チームワークが習熟してきた現れだと感じます。チームのモチベーションも問題ありません」(ディーン・バーカー艇長)

「今思うことが二つあります。一つは、チームワークが良くなってきていて、チームとしての手応えを感じています。もう一つは、上位のチームと(ポイントの)差があるので、いかにして成績を上げていくかを課題として取り組んでいきたいと思います」(早福 和彦総監督)

ルイ・ヴィトン アメリカズカップ・ワールドシリーズ 総合成績(予選第2シリーズ終了時点)

1位 エミレーツ・チーム・ニュージーランド 72ポイント
2位 ランドローバーBAR 65ポイント
3位 オラクル・チームUSA 64ポイント
4位 ソフトバンク・チーム・ジャパン 56ポイント
5位 アルテミス・レーシング 53ポイント
6位 グルパマ・チームフランス 50ポイント

ソフトバンク・チーム・ジャパンは、2015年10月6~11日にバミューダで開催される招待レース「ゴールドカップ」(1対1で戦うヨットのマッチレース)に参戦予定。チームワークをますます強固なものにし、10月16~18日に開催される予選シリーズ第3戦 バミューダ大会(アメリカ)に挑みます。

予選シリーズ第2戦が終了した時点での総合順位は4位ですが、まだ予選シリーズは始まったばかり。ソフトバンク・チーム・ジャパンのこれからの活躍にぜひご期待ください。

  • Photo by © Matt Knighton/SoftBank Team Japan

(掲載日:2015年9月4日)