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常にチャレンジし、デジタル情報革命を推進したい

ソフトバンク株式会社 取締役
ソフトバンクモバイル株式会社 代表取締役副社長 兼 COO
ソフトバンクBB株式会社 代表取締役副社長 兼 COO
ソフトバンクテレコム株式会社 代表取締役副社長 兼 COO
宮内 謙(みやうち けん)

ソフトバンクグループ通信3社(ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社)の代表取締役副社長 兼 COOの宮内 謙はソフトバンク最古参の幹部として、流通・ブロードバンド・通信など、常に中核事業の中枢で陣頭指揮を執っており、近年はソフトバンクグループ通信3社のまとめ役として手腕を発揮しています。その宮内にソフトバンクグループの近況と、今後のグループおよびIT業界の行方についてインタビューしました。

略歴:
1984年株式会社日本ソフトバンク(現ソフトバンク株式会社)に入社。営業政策室長として流通事業の営業企画を担当。その後もソフトウエア事業部商品部長、ネットワーク事業部長などを歴任し、2000年ソフトバンク株式会社取締役に就任(現任)。2010年1月現在、ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社の代表取締役副社長 兼 COOも兼務しています。

ソフトバンクグループが果たすべき使命

携帯電話事業のソフトバンクモバイル、ブロードバンドおよびコマース(流通)事業を行っているソフトバンクBB、そして固定通信事業のソフトバンクテレコムの3社が一体的な運営を始めて数年が経過しました。
ここまでを振り返り、その成果はどう考えていますでしょうか。

宮内:
私自身、ソフトバンクモバイルを担当して4年、ソフトバンクテレコムを本格的に担当するようになって3年が経ちました。もともとグループ企業だったソフトバンクBBも含め、企業文化がまったく違う3社でしたが、昨年あたりから、相当高いレベルでシナジー効果が発揮できるようになりました。例えばネットワークではソフトバンクテレコムのネットワーク基盤を、ソフトバンクモバイルのバックボーンとして活用していますし、技術だけではなく、財務や人事、情報システムやカスタマーサポート、そして営業など、あらゆる部門で一体的な運営ができるようになりました。サービス面でも具体的な成果として現れていまして、ソフトバンクモバイルで始めた、携帯電話の画期的な料金プランである「ホワイトプラン」のブランドやコンセプトがグループ間で横展開され、ソフトバンクBBの「Yahoo!BB ホワイトプラン」や、ソフトバンクテレコムの「ホワイトオフィス」「ホワイトクラウド」といった、互いのネットワークを相乗りするようなサービスが、「ホワイト」の名称で続々と誕生しています。3年間、組織の統合に当たってさまざまな苦労がありましたが、社員のカルチャーが融合し、ひとつの方向性が見えてきたことは、COOとして組織を束ねてきた私にとって、たいへん大きな成果となりました。

組織が融合されたソフトバンクグループ通信3社は、今後お客様のためにどのような企業になっていくとお考えでしょうか。
またITの世界は、どのような方向に向かっていくでしょうか。

宮内:
ICTという言葉に代表されますが、現在はインフォメーションとコミュニケーション、いわゆるコンピューターの世界と通信の世界が一体化しつつあります。その代表が「iPhone™」であり、それがポケットに入る時代になっています。この先も、さらなるICTの技術革新があるわけですが、これらを研究開発しているパートナーの皆様と共に新しい価値を創造し、それを社会的なムーブメントにしてデジタル情報社会に貢献していくことが、ソフトバンクグループの使命だと考えています。一方ソフトバンクグループには、「エキサイティング」あるいは「何か新しいことをやってくれる」という、チャレンジングな会社であることが期待されています。常に“インターネット革命”をやり続ける私たちとしては、「iPhone」や「クラウドコンピューティング」といった新しいものを提供し、デジタル情報社会を次々にアップグレードしていくような企業でなければなりません。そのためにも、常にお客様の視点に立って、「本当の意味で世の中に役立つサービスを提供している会社」でありたいと思います。

こうしたことを前提とした上で、今後のICTの変革について、私自身は次の7つがキーワードになってくるのではと考えています。それは、「モバイル」「クラウド」「バーチャル」「グリーン」「オープン」「ソーシャル」そして「リアルタイム」です。これらが世の中を変えていくと思います。今ソーシャルネットワークの世界では、例えばソーシャルゲームのようなオープンなコミュニケーションが盛んに行われています。個々のコミュニケーションはささやかなものかもしれませんが、そこにリアルタイム性のある「Twitter」のようなものが入ってくると、ちょっとしたつぶやきでも世界中にコミュニケーションが、あっという間に広がっていきます。このことが持つ可能性には、大変大きなものがあります。またクラウドコンピューティングも重要です。ほんの数年前まではちょっとしたホームページを作るために、自分でサーバを立てなければなりませんでしたが、今やヤフーなどのサイトに簡単に載せることができます。メールについても、自社でシステム構築する必要がなくなってきています。こうしたことはコストダウンだけではなく、環境に配慮したグリーンITにもつながります。クラウドコンピューティングのネットワークが普及し、バーチャル化されたソフトウエアが、安価でしかも使いやすいものが、いつでも数多く利用できる。そして「iPhone」を始めとした本格的なスマートフォンの普及が進んでいくと、人々の生活はより便利なものになりますし、新しい価値観も誕生していくことでしょう。

時代の変化こそチャンスの時

社歴も長い宮内副社長ですが、ソフトバンクグループにどんな思いを持っていますでしょうか。

宮内:
気がつけばソフトバンクに、四半世紀籍を置いています。この間、インターネット革命の只中で新しいことをクリエイトし、デジタル情報社会の中で次々に誕生する新しい技術を融合させて、新しいサービスなどを生み出してきました。今ソフトバンクではグループを挙げて、「モバイルインターネットカンパニーNo.1」という目標を掲げ、さまざまな取り組みをしていますが、新しいものを提供していくという意味での“革命”は、やっていて楽しく、私自身にとっても非常に良いモチベーションになっています。

今、不況の影響などにより世の中が大きく変化しています。一方で、先ほどの7つのキーワードが実現してくると、人々の考え方も含め、さまざまな物事が変わっていきます。その変化にいかに対応していくかは大変重要です。もちろんビジネスですから、失敗はあるかもしれません。逆に、成功した体験を捨てて新しいことにチャレンジすることも、難しいことです。しかし、ずっと計画ばかりを考えていても、物事は始まりません。今後この不況が回復していく局面で、必ず新しい変化が起こってきます。こういう変化の時こそチャンスでもありますので、アンテナを高く張って対応していきたいと考えています。ソフトバンクグループにはヤフーのようなポータルサイトがあったり、出版や流通など単なる通信事業者にとどまらない事業をたくさん持っています。価値観や時代の変化にしっかりと対応できるよう知恵をしぼりながら、情報革命最前線の企業グループとして、今後も取り組んでいきたいと思います。

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    iPhoneはApple Inc.の商標です。
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(掲載日:2010年2月4日)