先日ご紹介したこの夏注目の、大人も楽しめる心弾む青春ファンタジーアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』。夏になるとさまざまなアニメ映画が公開されますが、どんなところでどうやって作られているのか気になる~~~! ということで、映画『ペンギン・ハイウェイ』を製作したスタジオコロリドに訪問してきました。
前回の記事:映画の見どころ、声の主演・北香那さんの撮り下ろしインタビュー
ウリエルくんと東さんがスタジオコロリドを見学&アニメーション制作に挑戦
今回スタジオコロリドを訪れたのは、アオヤマくんと同じ小学生であるモデルのフクムラ光ウリエルくん(以下、ウリエル)と映画ソムリエの東紗友美(以下、東)さん。事前に映画を見せてもらった二人は、石田祐康監督(以下、石田)に会えるとのことで、意気込みもスゴい!
プロフィール
フクムラ光ウリエル
小学6年生。JAPAN KIDS COLLECTION 2018でソフトバンク特別賞を受賞。モデルとして活躍中。
東紗友美(ひがし・さゆみ)
映画ソムリエ。テレビ、ラジオ、雑誌での映画紹介や映画イベントへの登壇、舞台挨拶MCなどで活動中。映画ロケ地への聖地巡礼をこよなく愛し、SNSではほぼ毎日映画情報発信中!
ウリエル ここがスタジオコロリドです!!!!!
東 コロリドってポルトガル語で、色彩に富むっていう意味らしいよ。どんな所かちょっとドキドキするね。
プロフィール
石田祐康(いしだ・ひろやす)
映画『ペンギン・ハイウェイ』監督。2009年発表の『フミコの告白』で国内外の賞を多数受賞。13年発表の『陽なたのアオシグレ』では第17回文化庁メディア芸術祭にてアニメーション部門の審査委員会推薦作品に選出される。
石田 ようこそ、スタジオコロリドへ。
ウリエル+東 よろしくお願いします!!!!!
石田 なんか圧がすごいね(笑)
東 スタジオコロリドってどんな制作会社なんですか?
石田 主に長編のアニメーションを作ってますね。そのほかには、CMやYouTubeの広告、短編のアニメーションなど。実はアニメ業界ではまだ紙をパラパラめくりながら作画する所が多いんですが、うちは最初からデジタル作画をやってきているというのが大きな特色です。
東 業界の中でも先駆的な会社なんですね。
ウリエル この仕事をやってて良かったことは何ですか?
石田 いろいろありますよ。僕らは絵を描いて、それを動かすのが仕事なので、いい動きが描けた時はうれしいですね。その日一日、結構幸せな気分です。
ウリエル 描いた絵をどうやって動かすんですか?
石田 そんなに難しくないよ。やってみる?
ウリエル いいんですか!? やってみたいです!
ウリエルくん、ペンギンの絵をモチーフにしたアニメーション制作に挑戦!
石田 ウリエルくん、描くのが早いなあ。アニメーターには大事な資質だよ。
ウリエル ありがとうございます!
東 アニメーターの資質としては他にどんなことが大事ですか?
石田 “好き”という気持ちですね。好きじゃないと続かない仕事なので。
ウリエル ああ、楽しかった。頭のいろんな所を使った気がする。
石田 おおー、センスいいね!
東 石田監督の作品は、キャラクターが本当に実写のように生き生きとしています。それは、何時間も絵と向き合って微調整しながら丁寧に描いているからなんですね。
映画『ペンギン・ハイウェイ』の魅力や作品への思い
石田監督とウリエルくん、東さんが映画『ペンギン・ハイウェイ』について鼎談(ていだん)! それぞれの視点で本作の魅力を語ってもらいました。また、石田監督からは作品への思いも。
「ちょっと意見が合わなくて友達同士で言い合いになったり、実際に僕の日常でもあることです」(ウリエル)
ウリエル めっちゃ面白かったです。特にアオヤマくんが、ウチダくんやハマモトさんと一緒に球体の研究をしているときのやりとりが好きです。
東 小学生の人間関係がすごくリアルに描かれているからこそ、彼らのことがウリエルくんも気になるんでしょうね。
石田 それは普段の学校生活と重なり合う部分があるからかな?
ウリエル ありますね。ちょっと意見が合わなくて友達同士で言い合いになったり、実際に僕の日常でもあることです。
石田 ウリエルくんは映画に登場する小学生の中で一番自分に近いタイプはいたかな?
ウリエル 僕は小学1~5年まで威張ってばかりで、スズキくんタイプだったかもしれません。今はそこにアオヤマくんのガリ勉部分がミックスされたような感じです。
東 面白い! ウリエルくんたちが友だち同士で観たら、そんな話もできるよね。自分がどういう人間か気付けるかもしれない。
「何か一つのことをとことん突き詰めると、新しい世界が広がるんだなって気づかされました」(東)
東 私はこの映画に、大人にも子どもにも通じる普遍的なテーマを感じました。何か一つのことをとことん突き詰めようとすると、自分の中に新しい世界が広がる。単純にそういうことを、すごくスタイリッシュでステキな映像で伝えてくれました。分かりやすすぎず、かといって難しすぎず、大切なことだけを心に余韻として残してくれる映画です。おそらくたくさんの方に支持され、愛されるんじゃないかなと思います。
ウリエル アオヤマくんたちが住んでいる町って、どんな風に想像して描かれたんですか?
石田 僕が子どもの頃に住んでいた所は古い家並みが続く田舎町だったのですが、友達の家が小高い丘の上にあってきれいだったんです。その友達の家の辺りを想像しながらアオヤマくんたちが住む町を描きました。
ウリエル アオヤマくんはガリ勉だけど、石田監督はどうだったんですか?
石田 勉強はほどほどで、あとは遊ぶことに全てを捧げてましたね。唯一ガリ勉になったのは高校受験をする時。絵を描ける高校に受かりたくて、そのために必死で勉強しました。目標があると勉強も苦ではなくなるんです。今もいろいろと勉強することがあるのですが、より良い作品を作りたいという目標があるので苦ではなく、むしろ楽しくてしかたないですよ。
「大人にはアオヤマくんだった頃を思い出してクスッと笑ってほしいし、ウリエルくんのような子どもたちには自由に想像してほしい」(石田監督)
東 読者のみなさんにどんな風に映画を楽しんでもらいたいですか?
石田 大人にはかつてアオヤマくんの頃に経験した、お馬鹿なことや楽しかったことを思い出してもらいたいですね。子どもにはアオヤマくんたちのように「ペンギンがどうして町にたくさん出没したんだろう?」「歯科医院のお姉さんとペンギンの関係は?」などと考えたり、自分なりにいろいろ想像して楽しんでもらいたいですね。
東 私も映画を通して、自分の記憶の旅ができました。
石田 楽しいことだけじゃなく悲しいこともある物語なんですが、でも最後にはクスッと笑って帰ってもらえたらうれしいです。
大人も子どもも楽しめる映画『ペンギン・ハイウェイ』を観に行こう!
この夏、『ペンギン・ハイウェイ』を観て、忘れかけていたものを思い出すような記憶の旅へ出かけてみませんか。
映画『ペンギン・ハイウェイ』あらすじ
小学4年生のアオヤマくんは日々努力を怠らず、勉強し、「将来は偉い人間になるだろう」と思っている。そんなアオヤマくんが最も気になる存在が歯科医院のお姉さん。気さくで胸が大きく、自由奔放でミステリアスな魅力ある女性で彼女の研究も真面目に続けている。ある日、アオヤマくんの住む町にペンギンが現れ、消えた。さらに、アオヤマくんはお姉さんがふと投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃してしまう。「この謎を解いてごらん。どうだ、きみにできるか?」。そう言ったお姉さんの体調に異変が起こり、同時に町も異常現象に見舞われる――。
『ペンギン・ハイウェイ』のキャラクターデザイン担当者が監督を務めた作品
『ペンギン・ハイウェイ』の他にも、キャラクターデザインを担当した新井陽次郎さんが監督を務めた『台風のノルダ』という作品も。離島の中学校を舞台に、少年同士の友情をテーマにしたオリジナルアニメ映画です。
GYAO!ストアで視聴できるので、ぜひこちらの作品もチェックしてみてくださいね!
映画の見どころ、声の主演・北香那さんの撮り下ろしインタビューもチェック
【Movie Push! Push!】映画『ペンギン・ハイウェイ』 声の主演・北香那さん 撮り下ろしインタビュー |
(掲載日:2018年8月15日)
文:ソフトバンクニュース編集部